作品紹介・あらすじ
「人間はおもしろい。だが、飼ってはならぬ」
スリルに憑かれ空き巣を繰り返す羽矢子。だが侵入した家の猫に引っかかれ、逃げた先で奇妙な老人に出会い……「猫どろぼう猫」
自尊心が高く現実に向き合えない王司。金目的で父の死を隠蔽した後、家にやってきたのは……「窮鼠の旅」
〈お手伝いさん〉として田舎の館に住み込むことになった、たえ。そこでの生活は優雅だが、どこか淫靡で……「風のない夕暮れ、狐たちと」
その他「十字路の蛇」「胡乱の山犬」「日陰の鳥」「音楽の子供たち」全七篇。
恒川光太郎が描く、《化物》たちの饗宴を、ご覧あれ。
読書備忘録
「猫どろぼう猫」のケシヨウはいったい何?「窮鼠の旅」でも「風のない夕暮れ、狐たちと」わわわ!
「十字路の蛇」ぞわぞわ怖い!ホント恐い!この人何っ!
「胡乱の山犬」もしかしてそう言う事はしてはいけない!と教育というか躾と言うか、人間はそうして育っているけれど、ふとした時に踏み外してしまうと、もう止まらなくなるのだろうか?立ち入ってはいけない!
「音楽の子供たち」確かに人間は面白い。だが決して飼ってはならぬ。人間は飼ってしまうと人間にはならないからだ。いい感じに不思議なお話だった。
★★★★☆