函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

滑稽な日本の私

2017年11月20日 12時24分52秒 | えいこう語る

▼日馬富士問題は、単なる暴行事件だと思ったが、日本相撲協会は、九州場所中に、このような問題を引き起こしたのは、巡業部長である貴乃花親方の責任だとし、問題の矛先を貴乃花親方の方に向けたようだ。

▼この手法なら、家計学園問題で、総理からの要請があったのは間違いないと証言した、元文科省事務次官前川氏が、辞職に追い込まれたのと、同様の手口のように見える。反逆児を葬る手口は、どうやら日本相撲協会も、政権与党も、同様のようだ。

▼日本相撲協会とは、天皇制と同じような存在なのかもしれない。揺るぎなき地位と、揺るぎなき体制のようだ。そういえば、故北の湖理事長も、酒席で女性を暴行した事件があった。

▼土俵には女性を上がらせないのに、酒席には女性を上がらせるというのは矛盾しているように見えるが、この矛盾がまかり通るのが「ごっちゃんです」の相撲界だ。48手という多彩な技を使いこなすのが、相撲取りだ。「押し出し」もあり「うっちゃり」、なんでもありの実に味合いのある世界だ。主食が「ちゃんこ鍋=ごっちゃんまぜ」というのも、理解できるような気がする。

▼日本相撲協会を、繁盛させている偉大な部屋がある。白鵬率いる「モンゴル部屋=モンゴル人会」だ。「この程度のかわいがりで、我々の結束がが緩んではならない」と檄を飛ばし、自身も「土俵でいい相撲を見せることで、国民の期待に応えたい」というようなことを述べた。

▼その言葉に過剰に反応したのが、横綱稀勢の里だ。モンゴル出身の逸ノ城にあっさり押し出され、金星を提供してしまったのだ。稀勢の里はモンゴル部屋で稽古をつけてもらったら、かわいがられ過ぎて、故郷に戻ってしまうかもしれない。などと、子供の頃から相撲フアンの私は、そんなふうに今回の騒動を勝手に想像し、九州場所を楽しんでいるのだ。

▼それにしても相撲は、地元意識というか「郷土愛」が強く出るスポーツだ。どんなに叩かれても、前に進む男「松鳳山」は、私のお気に入りの関取だ。1984年生まれ。福岡県築上郡築上町出身だ。生まれ故郷そのままの「突き上げ・突き上げ」が身上だ。今場所は地元なので、土俵に上がると横綱以上の拍手が起きる。それに応える、見事な連日の相撲っぷりだ。

▼故郷の人たちは、勝ち負けにとらわれず、松鳳山の土俵態度に感涙しているにちがいない。私も、故郷は違うが、松鳳山の相撲道には涙が出てくるのだ。「相撲を観たぐらいで、涙を流すなんて、あなたも“年寄り”ね」と、相撲を引退した親方のように妻に言われている。「真の相撲フアンとはこんなものだ」といいたいが「勇み足」になれば困るので、ぐっと言葉を飲み込む、心技体を会得したような相撲フアンの私だ。

▼というような「滑稽な日本の私」だが、この二つの出来事が「曖昧や滑稽」で済まされてはならないと思う。そんな世の中が続くと、いずれやってくるのが『憲法9条の放棄』という、大日本帝国の再現だからだ。

▼私の落ちは、いつも代り映えがしないが、自分では『憲法順守』という、古典落語のようなものだと思っている。何百回も語ることにより、お客様に気に入ってもらいたいと思うからだ。