函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
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読解力に不安が出てきた日本

2017年11月28日 08時49分34秒 | えいこう語る

▼テレビでドラマを観ていて「あなた、そんなストーリーではないでしょう」と、よく妻に叱られる。ドラマなどフィクションだと思うので、真剣に観ていないからだと思うが、その分勝手に解釈し、自分でドラマの筋書きを間違えてしまうということが、間々ある。

▼昨日(27日)衆議院予算委員会でのアベ総理の答弁だ。「どうせ野党は、森友や家計問題を繰り返し質問をしてくる。こちらも繰り返し、同じ返答を繰り返せばよい。そのうち、野党はいつも同じ質問しかしないと、その進歩のなさに国民から呆れられるだろう」。そんな不誠実な気持ちで、答弁に立っている感じがした。

▼野党の質問に、時々薄ら笑いを浮かべる姿は「日馬富士も貴ノ岩も土俵に戻し、みんなで楽しく仲良くやりましょうや。それでは皆さん、万歳のご唱和を」という、白鵬の言動に似ている。二人の共通性は、国民を舐め切っているという不遜さだ。

▼白鵬の日本語の読解力は、外国人だから多めに見るとしても、我が国の総理の読解力(特に憲法)が低いというのは、国民にも影響しているようだ。国民の政治レベルが総理を選ぶからだ。

▼国立情報学研究所の調査で「中高生の読解力に不安」という結果が出た。「読解力が不十分だと、社会生活を送る上でも大きな影響が出る」と懸念している。この新聞記事は、もしかして、アベ総理を批判をしているのではないかと、私は読み取った。

▼我が国の多くの憲法学者に、憲法解釈が間違っていると指摘される総理だ。「総理の読解力不足は、国民が安全・安心な暮らしを送る上で、大きな影響が出る」ということ言っているのではないかと考えているのが、私の読解力だ。新聞社も、そう思わせるために、意図して記事にしたような気もする。

▼と思いきや、旭川の高校生2年吉田圭祐君が、第55回有島武郎青少年文芸賞に、詩では初めての最優秀賞を受賞した。題は【オー・コントラディクティオ=ラテン語で「矛盾」「自己矛盾」】という意味だそうだ。選考委員長見延典子氏の講評だ。

▼「批判精神は文学には不可欠な要素である。社会や政治への批判は自問となって跳ね返る」。だが「情感に乏しく読後に曖昧なものが残る」という批評や「言葉の前で立ち止まらせる仕掛けや、若者らしい挑戦する姿も好ましい」という批評もあったが、力量は他の作品の圧倒しているという。

▼【国家検定済み】という詩から、二編。

「後悔と航海」
数え切れない後悔をしましょう
果てしない航路を往くことで
新しい大陸を美しい山を
発見でき得るのです

(改)過ぎ去る事象一切に対し
思いを巡らすのは無駄です
今の時代に海路を辿り
世界一周を目論むように

「武闘と舞踏」
美しい舞には
それを支える肉体があります
そしてそれを動作させる
確固たる意志で成り立ちます

(改)高い跳躍は逞しい肢(てあし)から
美と力とは比例です

▼吉田君のような世の中を読む心を、アベ総理は読解力不足だとし「検閲」するのだろう。2018年から小学校で「道徳」が教科化され、通信簿に評価が記載されるらしい。その評価の指導を文部省が教師に行っているということに、昨日の予算委員会で疑問視する質問がされていた。

▼ヒットラーは民主的憲法(ワイマール憲法下)で第一党になり、「全権委任法」を制定し、一党独裁体制を確立した。アベ総理が成立を目指す「緊急事態法」は、ナチスの「全権委任法」と類似していると指摘する声がある。

▼「全権委任法」成立後ヒットラーが行った政策は、言論・出版の自由を無視し、労働組合を禁止し、教育を支配した。なんだか、我が国の今の政治体制に酷似していやしないだろうか。

▼子供の読解力不足も懸念されるが、私たち大人の読解力も高めなければ「いつか来た道」に迷い込んでしまう恐れがある。そんな危険がいっぱいな、今の我が国ではないだろうか。

▼高校生の的確な政治批判が「詩」となって現れたことを喜ぶと共に、妻に叱られる自分の読解力のいたらなさを反省している。だが、今日も読んでいただいてる方々の読解力を惑わせるような、自分の文章の読解力も乏しい私です。

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