函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

天下りを容認する環境

2017年11月25日 09時04分05秒 | えいこう語る

▼先日、私が所属する下部組織の会議で、「天下りを容認するか」という討議を行った。実は、上部組織の事務局長に、役所からの天下りを受け入れる案が起きたので、下部組織からの代表で上部組織に参加している私は、下部組織の意見を聞くため提案したからだ。結果、「天下り容認」で、意思統一がなされた。

▼私が所属する上部組織は、役所からの補助金をいただいている。その関係で、数年前まで、関係部署からの天下りが、恒常化していたのだ。天下り問題が社会問題になった経緯もあるので、組織の自主性を重んじるため、天下りはよそうということになり、民間人を登用し、5年ほど経過した。

▼だが、再び天下りを受け入れようとする機運が持ち上がってきた。探りを入れてみたが、組織の上級幹部に、役所からの何らかの働きかけがあったようだ。上級幹部は、いわゆる「忖度」して、上部会議に、役所との連携を密にしなければならないので【人柄も良く事務能力に優れているなら、ならそれもありだね】という発言をしてきた。

▼様々な意見が出たが、絶対反対派は私一人のようだ。役所だからと言って「差別し排除」するのかという意見が私に浴びせられた。他の人たちも「差別と排除」という言葉に心を動かせられたのか、心の中では「天下りはいけない」という気持ちを残しながらも「人物がよければいいじゃないか」という、組織維持論が前面に出た流れとなったのだ。

▼それでも任用の決定は、上級幹部のみで選考という慣習を、上部組織全体で選考するというところに落ち着いた。だが、役所からの応募しかいませんでしたという、流れになるかもしれない。加計学園の設置を、文科省が基準を下げて、それに学園側が合わせることで認可させるという、一見合法的にみえる手法もあるからだ。

▼日馬富士問題で、貴乃花親方が警察に届けた。だが、組織を無視し混乱させたというすり替え論法で、12月の地方巡業から、巡業部長である貴乃花親方を排除するという。

▼加計学園問題でも、当時、文科省事務次官であった前川氏が、組織を批判したことで排除された。北朝鮮問題も、ミサイル攻撃されると声高に叫んで、憲法9条を排除する流れが出てきた。なんだか、世の中が逆さまになっていくような気がしてならない。

▼世の中が安泰でいるためには、異端児扱いにし、排除するという「村八分」という手法が、我が国には古くからあるというのも十分承知している。さらに「和を以て貴しとなす」という聖徳太子の教えを、組織の都合の良いように解釈する、日本人特有の考えもあるのも承知だ。

▼ふと、我が同盟国アメリカの「自由の女神」を思い出した。その顔が、9:11後に、ブッシュ大統領の「テロへの報復決議」に反対した、民主党下院議員、バーバラ・リーさんに変わった。

▼採決は【賛成420・反対1】だ。しかも、出身地はブッシュ大統領と同郷のテキサス州だという。民主主義とは、多数決が原理だが、少数の意見を尊重することで、その存在が輝く。

▼だが、一人ぼっちというのは、結構疎外感が漂う。心がバラバラ・リーさんになりそうな感じがする「天下りを容認する環境の中の」心細い私だ。