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函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
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生前退位への影響

2016年11月14日 10時24分22秒 | えいこう語る

 

今年、マスコミを賑わした言葉で、少し違和感を持ったのが『神っている』という言葉だ。奇跡が生まれるということなのだろうが、我が国には希望を失いかけた時に「神待望論」というのが、いまだに民族のDNAとして存在しているようだ。普段は底に沈殿していて、その存在すら意識しないのだが、危機的状況が迫った時、誰かがタイミングを見計らい撹拌してしまえば、民族の統一感を引き起こす、相当濃いDNAなのだろう。

我が同盟国、自由の女神の住む米国で、独裁者の匂いをさせたトランプ氏が、次期大統領になった。米国民だけでなく日本国民も同様に、トランプ氏の言動に注目している。先日まで、アベ総理の言動に疑問を持っていた日本国民だが、その比ではないような混乱ぶりだ。トランプ氏など全く関係ない田舎に住んでいる私でも、テレビや新聞でその動きに注目している。

ふと、天皇陛下はトランプ氏の出現をどう考えているのかと思ったら、昨夜の夢は、私が恐れ多くも陛下になった夢だった。現在、生前退位を政府主催の有識者会議に委ねている陛下は、私たちが考えている以上、トランプ氏の誕生には頭を痛めているようだ。

様々な思いがあるが、日米安全保障についての、陛下(私)の思いを語ってみよう。米国第一主義のトランプ氏は、他国のために自国の軍人が血を流すには反対だ。日本からの撤退も考え、もし駐留させるなら、日本に全額米軍の費用を負担させるという。そうなれば、戦争が終了しても、いまだに米国の基地が全国に点在している我が国は、米軍の撤退には多くの国民が歓迎するだろう。

その結果、我が国の防衛は、我が国が責任を持つというのが国民の合意となる。当然「憲法九条」は国民の生命を守るための足枷となる。アベ政権下での憲法改正は、現実的となってきた。自民党の改憲草案には、天皇を「国家元首」としている。現在は象徴なので、憲法上の元首は総理大臣だ。この流れで国民投票を行えば、国民は、自衛隊を軍隊に昇格しなければ、我が国の安全・安心は保てないと考える。

自衛隊法によれば、最高の指揮・監督権を持つのは、元首である内閣総理大臣だ。けれども、自衛隊の中には、内閣総理大臣のために死ぬというでは、隊員の士気が上がらないので、再び天皇を忠誠の対象としようとする動きがあるという。1964年の防衛庁の「自衛隊の礼式に関する訓令」では、天皇に対して自衛隊が敬礼することを定めている。

「着帽している場合は、着剣捧げ銃の敬礼または挙手の敬礼を、脱帽している場合は45度の敬礼」という、最高の敬礼を定めている。そういえば昭和天皇の大喪の礼にあたっては、1900名の自衛官が参列し、3ケ所で、着剣捧げ銃の儀仗が行われ、自衛隊による「哀の極」の演奏と弔砲で、天皇の死を悼んだのではないかと、陛下はふと思い出す。

父の昭和天皇を思い出すと、父は日本国の「現人神」だった。戦後、神から開放されたが、時々「神対応」を期待され、それに対応していたような感じもあった。だが、父が戦後一貫して考えていたのは、戦争に対する責任だった。次の天皇の私に伝えたことも、戦争の統帥権を持つような存在には、なってはならないということだった。そこで私は、80歳を過ぎた高齢もあり「生前退位」という、お言葉を発したのだ。お言葉自体「神対応」のような気がしたけど。

だが、私を心から信奉するようなふりをして、私に「神対応」を期待する国粋主義者がいるような気がする。私は、皇室典範を改正し「生前退位」を恒久化してほしいと思っているが、どうやら、特措法で一代限りとする流れもあるようだ。これは、昭和天皇も私も大好きな大相撲の親方制度に似ているような気がする。「国技」と「国体」は似ているものかと思ったりもする。

横綱に期待される「心・技・体」とは、天皇に期待される「神・技・体」なのではないかとふと考え、誰もいない部屋で一人で笑ってしまったところで、私は自らが天皇陛下になった夢から開放されたのだ。

トランプ氏が米国の大統領に選ばれたことで、日本の片田舎の私までもが動揺してしまった。そこで、天皇陛下の「生前退位」などにも影響を及ぼすのではないかと勝手に憶測してしまった。陛下になった夢は見ることができるが、まったく「神っていない」私だ。