▼この頃、政治的な問題ばかりに頭が占領されている。そうなると、自分では得意と思っている冗談を飛ばす余裕もなくなる。鏡を見てもしかめっ面をしているようだ。山本農林水産大臣は、本人もよく理解していないTPP問題で野党から連日責められ、精神的に追い詰められたか、ついに私的な場所で冗談を飛ばしてしまった。それを野党に責められ「冗談を言ったら首になりそうだった」と、また大臣とも思われぬ、稚拙な冗談を放言してしまった。山本大臣は元弁護士だったというが、自己弁護が下手な弁護士なのだろう。
▼野党も、山本大臣の辞任を要求するだけではなく、TPP交渉で一番活躍した甘利氏に、もう一度大臣に復帰してもらいたいと、国会でエールを送ってはいかがだろうか。TPP問題の核心を知っていそうなのが甘利氏だ。だんまりを決めて議員の椅子に座っているのは「あまりではないか」と、農林水産大臣の冗談には冗談で対応し、甘利氏の大臣復帰を訴えて、責任を免れて安心している甘利氏を、脅かしてはいかがだろうか。
▼というような私も、山本大臣レベルの話になってしまったが、毎日アベ政権のことばかり考えていては、頭も硬直化してしまう。なんとか頭をリラックスしなければと考えていた矢先の出来事だ。
▼函館市内に買い物にでかけ、帰宅が午後8時頃になった。家の前に車を止め夜空を見つめると、満点の星空だ。いつもの様に、夜間飛行の灯りの移動も見える。
こんな平和の世の中が、何時までも続いてほしいと願い、アベ政権が早く崩壊すればいいと星空に願った。ここまで来ても、アベ総理が頭を離れないのかと思った瞬間、100メートル程離れた民家の屋根の上から、流れ星が海に向かって飛んだ。
▼今まで随分流れ星を見たが、こんな身近に飛んだ流れ星は初めてだ。これからの人生で、なんかよいことが起きる前触れではないか、などと心が一瞬だけど和む。だが、海に沈んだはずの流れ星が輝いている。やがて、砂浜の方に向かって流れ星が移動した。
▼誰かが夜釣りをしていて、その電気浮きだと気がついて、思わず笑ってしまった。アベ総理の呪縛の中にいて、よく考えれば理解できるものを一瞬見失った。人柄の良さそうな山本大臣も、自分から政権を離脱すれば、本来の自分を取り戻すような気がする。私もアベ総理の呪縛から離れようと思った時、世界一地上に近い流れ星を見たからだ。
▼来年は酉年だという。「立つ鳥跡を濁さず」だ。来年こそアベ政権が立ち去る年であってほしいと、海面を移動する流れ星に祈った。