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函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

よくわからないTPP 

2016年11月03日 15時16分07秒 | えいこう語る

 

「腹がへっては戦ができぬ」という言葉がある。腹ぺこの力士と、たらふく食べて体力がある力士では、勝負にならない。だが私の妻は、スーパーで買い物する時、特に特売日などでは「食事をしてから買い物に行こう」という。お腹が空いていると、ついたくさん購入してしまうというのだ。お腹を満たしてから買いに行くと、爆買いは抑えることができるというものだ。これは理にかなっている。心身ともに満腹状態の者は泥棒はしないだろう。心身ともに飢餓状態になれば、他人の物を横取りする行為に及ぶ可能性は、大きくなりそうだからだ。

第2次世界大戦に参入した我が国も、物資不足の中で物資の供給が封鎖されたため、他国に侵入したのだ。「兵糧攻め」という兵法があるが、自国防衛の要は「食料自給率の充実」にあるようだ。したがって、狭隘な島国日本にとって、食料輸入を十分に確保することは、防衛の大きな使命といっても過言ではない。だが、腕づくでそれを確保するには、我が国には憲法の大権現、第9条様が鎮座している。大権現様にお隠れしていただかないと、我が国の真の国家安全保障は保てないと考える国家主義者の声が、この頃大きくなってきているようだ。

TPPはとにかく問題がある法案だ。歴代の農水大臣も内容は秘密だといい、経過を公表しない。情報公開請求も、ほとんどが黒塗り状態で、なにがなんだかちんぷんかんぷんだ。だが水面下では随分多岐にわたり取り決めがあるようだ。もはや「大密約法案」と言ってもいい。第1次産業王国の北海道の弁護士たちも、外国投資家や海外企業が有利になる「ISDS条項」は、我が国の司法を無視するものだと反対している。だが、来週にも野党第一党の民進党が妥協し、国会で通過するという。与党も与党だが、野党も野党だ。「オール与党TPP国会」の様相を呈してきたようだ。

大接戦が予想される米大統領戦、どちらが勝ってもTPPには反対だという。親分の米国がそう言うなら、子分の我が国は従うのが仁義というものだが、どうやらアベ総理は「TPP仁義なき戦い」を仕掛ける勝負にでたようだ。大統領選が終了する前に日本が先手を打って成立させ、TPPでの主導権を握ろうとしているのではないだろうか。

親分の「世界の警察」にも、陰りが見えている。意味不明で品性に欠けるトランプ氏の支持率が大きいということは、国民の経済状態が悪化し、不満がトランプ氏の支持率につながっているということだ。日本が真の自立国家となるためには、強力な軍隊を保持し、日米安保における軍事と経済バランスで主導権を握る、それがアベ総理の積極的平和主義ではないか。

アベ総理は「戦後レジームの解体」と言った。実は米国からの政治・経済・軍事の従属から自立するのが、真の目的なのかもしれない。そうなれば、国内の改革など、すべて容易になるということなのかもしれない。

私の推測など全く当てにならないが、これほど情報公開のない法案を、野党第一党も同調し、米国に先駆けて制定しようとする意味がよくわからないからだ。アベ総理の憲法解釈は、多くの憲法学者に違憲だといわれる。それでも改憲には前向きだ。今度は日本の司法を無視すると、弁護士が反対するTPP法案を通過させようとしている。我が国はこのような人物を総理にして、はたして、安全・安心な国家になっていくのだろうか。

朝晩めっきり冷えてきた。近隣の山々の紅葉は感動的な美しさで心を洗浄してくれる。美しい日本に生まれて、心から感謝するこの頃だ。でも、アベ総理の美しい国とは何かが違う気がする。それがTPPの成立で証明されるかもしれない。安保関連法に次ぐTPP。なんだか意味不明の法案が、我が国では次々成立する時代になってきた。TPPのISDS条項も、どうやら日本人の体質や国柄まで変えてしまいそうな、遺伝子組み換え条項のような気もしてくる。

どうやらアベ総理は、戦後日本人の遺伝子組み換えを行い、戦前の日本人の遺伝子に、組換するつもりではないか、などとあらぬ詮索をしてしまう。今は単なる、私の理解力が乏しいせいかもしれないが、政治家がますます信用できなくなる世の中は、美しい国とはいえない気がしている。