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函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

エネルギー政策

2016年09月15日 11時56分23秒 | えいこう語る

 

我が国の科学技術の、叡智を結集したという意味を込めたネーミングなのだろうが、原子力発電所に、文殊の知恵といわれる文殊菩薩の名を付けたのが、福井県にある高速増殖炉「もんじゅ」だ。稼働時に炉心を冷やす冷却剤のナトリウム漏れをおこし、なんと21年間も実質稼働ができないでいた。その維持費に国費が1兆円も費やされたという。3年前の点検報告では、1万件もの点検漏れも摘発されている。なんとも無知で無能に近い原発で、文殊菩薩も名前を汚されたと涙ぐんでいるに違いない。政府もようやく廃炉に向け検討を始めるようだ。

六ケ所村の核燃料サイクル施設や高速増殖炉もんじゅの停止で、フルMOX燃料を使用する、建設中の大間原発の稼働にも影響を及ぼすといわれている。しかし、我が国がは核爆弾に転用できるプルトニウムを、48トンも貯蔵している。さすがの北朝鮮だって呆れているに違いない。プルトニウムの処理は世界中が注目している。先日、原子力規制委員会の新基準に適合していないとの理由で、稼働時期を2年ほど延期すると発表した大間原発だが、喜んではいられない。国はなんとしても核燃料サイクルの新たな計画を立てるに違いない。原子力ムラの利権は、国家レベルの利権構造であるから、そうやすやすと解消するわけにはいかないと考えたほうが懸命だろう。

私たちに身近なエネルギー問題といえば、太陽光発電がある。私の村から函館までの距離は車で約1時間ほどだが、この1年の間に、学校のグランドぐらいの太陽光発電が2基と、その4分の1ほどのものが1基建っているのがみられる。14日、私の村にそびえる活火山恵山での地熱発電の会社の調査説明会があった。この会議には函館市の経済部も協力しているので、担当者も出席していた。

業者の説明は、ボーリング調査をして実際営業できるかの状態を調査したいとのことなので、特別異論はない。そこで関連質問ということで私が質問した。「先日の新聞報道で、北海道の太陽光発電の許可業者の6割が、いまだ建設にも着手していないという実情がある。最近電力会社が、太陽光発電の買い取り金額を半分に引き下げたのも影響があるのではないか」との質問に「3年ほど前から太陽光発電の取扱量が、国の基準を満たしたため、新規参入を制限するために買い取り料金の値下げを行っているというのもある」と業者が答えた。「3年前に既にそんな理由があったのなら、廃校になった市所有のグランドを、業者に貸し出すというのは、経営が息詰まるのではないか」と、市の担当者に尋ねた。

担当からは「業者が仕事をしやすいように協力するのが市の役割だ」というような答えが返ってきた。この地熱開発問題は3年前から始まったが、当時の市の担当者は移動している。大間原発の担当も、市総務部防災課に原発担当者がいるが、それも今年変わったばかりだ。役人は3年ほどで転勤となるが、もちろん引き継ぎは十分しているだろうが、長い年月その仕事に関わっていなければ重要なことを見逃すことがある。だが担当が長くなると業者との癒着も生まれることもある。変わったばかりなので再度調べ直すといい、そのうち部所を移動してしまうというのもある。

市の大間原発担当も実質一人のようだ。議員や原発に反対する市民団体の代表、さらに市民からの代表を交えた特別委員会を結成し、オール函館で対応してほしいものだ。担当が一人だと、市民を巻き込んだ反対運動などできる余裕などないだろう。大間原発問題など、市民との情報共有をはかり、住民参加の充実をはかれる、一番身近なまちづくりではないかと思うのだが。

地熱エネルギーの開発は国策だが、一民間業者の仕事に市の担当が毎回出席するのに違和感を持つ。福島原発も大間原発も、県に原子力推進課が設置され、地元自治体職員が動員され、国策に加担した経緯があるからだ。地域振興という御旗には、地域を消滅させる要因も含まれているというのを、福島原発事故の教訓として、私たちは語り続けていかなければならないだろう。