▼私が函館市から委嘱されている、社会教育委員の8月18日の会議は、今までのの委員の鬱積した気持ちが、小噴火したという感じだった。この手の会議は、既に上部で案が練られたものが提案され、そこに委員の確認意見がされた後、承認というのが定番というものが多い。いわゆる事後報告、事後承認だ。委員の中の先輩格が発言し、新人の委員は様子をうかがい、発言なしというのも多い。新人委員と言っても、他に公職を務めている人が多いようなので、批判的な発言は控えるという、極めて常識的な方もいるようだ。私は、交通費が支給されれば、税金から支出されているという思いがあるから、その分に見合うだけの発言をしようと務めている。といっても、新人の時は場違いな発言も多いようだが、そこは少しは勉強し、早く馴染むようにしている。
▼翌19日の新聞に「社会教育委員会会合・運営に厳しい指摘“もっと説明早く”」というタイトルの記事が掲載された。函館市民会館が老朽化し、市側は耐震化で修復を提案してきた。その費用は35億円だという。市民の中には函館の文化の殿堂なので、修復後20年の耐用年数であれば、新築を期待する声も少なくない。所管は教育委員会なのだが、巨額の費用というので財務部が主導して、その提案がなされたので、大筋が決定されてから委員会への提案となった。それでは市民の代表としての存在意義がないとして、委員会への運営の在り方への批判が続出したのだ。この会は、以前は年6回ほど行っていたのが、今は年2回だ。私は最初に出席した会議で、討議する問題が極めて多いこの委員会で、2回というのはあり得ないのではないかと指摘していたのだ。
▼さて9月7日の新聞記事に、目を見はった。開催中の市議会での総務分科会で、ある議員が私たち委員会の問題を指摘したのだ。それに対し教育委員会は「各種施策について把握してもらう、適時適切な状況提供に努めたい」と述べたという。この手の委員会は、内部で処理されるがちだが、委員の中に新聞関係者もいて、新聞記者が取材していていたので、翌日の記事になり議会で取り上げられたのだ。
▼その議員も新人だが、オーケストラや市民合唱団の司会を務める音楽通だ。たぶん本人も、多額の修復より、新築で函館の文化の醸成を図りたいと考えているのではないかと思う。私も新築に賛成だ。個人的見解だが、高額なチケットを購入し、コンサートや演劇を鑑賞するというのは、テンションが上がるがるものだが、函館市民会館は、建築の問題なのか周囲の環境の問題なのか、私には公演が終了した後の満足感のようなものが、満たされないといつも感じるのだ。
▼私のわがままな考えだが、新築をするなら今の場所から、西部地区のベイエリアの湾内に埋め立てされた緑の島に建設して欲しい。歴史と文化の漂う街並みと、世界の誇る夜景があるからだ。素晴らしいショーを見た後、ベイエリアでビールを飲んで余韻にしたる、そんな環境が素敵な街函館の未来図を、市民に抱かせるのではないかと思うからだ。新幹線も海峡を渡った。今後の道内空港の民営化は、国内ばかりではなく世界も近くなるだろう。「函館でコンサートを」という、新たな魅力づくりをしてほしいものだ。
▼函館の最近の再開発には、なんだか夢が膨らまないような気がしている。函館の観光や物産を魅力を世界にアピールするという意気込みは感じるが、少し垢抜けないような気がする。開港都市函館、ハイカラな街というプライドとイメージをもっと売り込むような、進取の精神を発揮してもらいたいと思う。そん気持ちを社会教育委員の会議の現場から、ささやかであるが発してみた次第です。それを取り上げた議会も、少し垢抜けた議会に変わってほしいと思う、イカのまちの今日このゴロです?。