▼10日の北海道新聞朝刊の北朝鮮の核実験についての記事だ。一面トップは「核弾頭・実験成功」だ。他にも「核の脅威新段階に」、「ミサイル搭載現実味」、「祝賀日に有言実行」だ。これでは、金体制を支持する北朝鮮の報道と変わりがない。窮鼠猫を噛むという例えがあるので、批判を強めないという報道姿勢のようだが、もっと批判を前面に出したほうがよいのではないか。
▼私が編集長なら、タイトルはどうするかを考えてみた。「北朝鮮度重なる核実験・国民の生活が心配」・「金体制・防衛費増大により破綻寸前か」・「世界を敵に回し、北朝鮮四面楚歌」・「マンセイとは、国民の悲痛な叫び」・「北朝鮮・後数回の核実験で国家財政破綻」。
▼だが、北朝鮮から見たら、我が国のアベ体制は、なんと非難されるだろうか。一つだけ書いてみる。「再軍備侵略国家日本・対抗できるのは世界で北朝鮮のみ」。
▼周囲が騒げば騒ぐほど、調子に乗り勝手なことをしでかす人物がいるが、大橋巨泉氏のお別れの会での、奥様の軽妙洒脱な挨拶を思い出した。「主人は、褒められることが大好きでした。今日は主人を褒めていただきたい。そうすると、あっという間に天に昇るでしょうから」。
▼非難するばかりでは、ますます意固地になる。我が国の得意技に「褒め殺し」というのがある。国会討論も「安保関連法、再軍備、防衛費拡大。あんたは偉い!」と褒めたほうが、実際効果があるのかもしれないか。北朝鮮と台風には大迷惑しているが、今日は秋晴れのさわやかな朝だ。心から「マンセイ!」と叫びたい気分である。