元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「ノッティグヒルの恋人」

2015-03-20 06:30:33 | 映画の感想(な行)
 (原題:Notting Hill)99年作品。ラブコメである。当然ながら、完全に私の守備範囲外の映画である(笑)。だから観る気もなかったのであるが、公開当時に嫁御が“観たい”と言うから付き合った次第。結果はトホホな気分で劇場を後にしたのを覚えている(爆)。やはり、好みではないジャンルに安易に手を出すとロクなことにはならない。

 ロンドン西部のノッティング・ヒルで小さな書店を営んでいるウィリアムは、離婚歴のある冴えない男。ある日その店に、思いがけずセレブがやってくる。それはハリウッドのスター女優、アナだった。彼女は本を買って店を出るが、そのすぐ後に飲み物を手にしたウィリアムと街角で衝突してしまう。



 ジュースで汚れたアナの服を何とかしなければと思った彼は、何を考えたのか近くにある自分のアパートに行って服を乾かすという“暴挙”に出る。そんなことが切っ掛けになって二人は良い雰囲気になるが、有名人と一般人とのアバンチュールがそう上手くいくはずもなく、映画はその半年後とそれからの1年後の彼らの多難な恋の行方を追う。

 だいたい、大スターのヒロインがサングラスもかけずに下町を歩いていても周囲が平然としている導入部からしてもうアウトだ。彼女がウィリアムのどこにホレたのか全く分からず、後にアナが巻き込まれるスキャンダルも取って付けたような感じで、御都合主義的な結末に至っては閉口するしかない。

 それでもキャラクターに魅力があれば何とか許せるのだが、これがもう最悪。アナは自己中心的で、周囲に気配りも出来ない女だ。しかも“自分は人一倍苦労した、叩き上げの人間だ”と思い込んでいるのだから始末が悪く、その態度は最後まで変わらない。演じるジュリア・ロバーツの品の無さも相まって、途中から見ていて面倒臭くなってくる。

 ウィリアムも単なるヘタレな野郎であり、アナが憎からず思ったのは少しばかり顔立ちが良かったからとしか思えない。まあ、扮しているヒュー・グラントの持ち味には合致しているのかもしれないが(笑)。

 全体的に恋愛映画としての御膳立てが成されておらず、違和感ばかり残る内容。ロジャー・ミッシェルの演出は平板。良かったのはエルヴィス・コステロが歌うテーマ曲ぐらいだ。脚本のリチャード・カーティスは後に「ラブ・アクチュアリー」という快作をモノにするのだが、この頃はパッとしなかったようである。

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