(原題:The Village )2004年作品。19世紀末のペンシルヴァニア州。深い森に囲まれ、60人ほどの住人が自給自足の生活を営んでいる村を舞台に、閉鎖的な共同体を守るための不可解な掟と、暗躍する“モンスター”の姿を追うM・ナイト・シャマラン監督作。
中盤でネタは割れるので、ネタ以外に何が描かれているかが問題。しかし見事に何もない。村の住民が抱える苦悩は薄っぺらで、ホラー演出は低調の極み。ラヴストーリーの面を強調しているという評もあるが、私が観る限りそれもない。深い森に住む魔物を呼び寄せる赤い花や、身を守るための黄色いマントなど、思わせぶりな小道具が多数出てくる割には何の伏線にもなっていない。
こういう“何かあると思わせて、実は肩透かし”という芸が通用するのはせいぜい2回までだが、シャマラン監督の場合はこれで3回目なので、観ていて出るのは溜め息だけである。
ウィリアム・ハートやシガニー・ウィーバーなどの重量級キャストもやることがなく手持ち無沙汰の様子だ。それにしても、ヒロイン(ブライス・ダラス・ハワード)は盲目という設定ながら少しもそれらしく見えないのは、何か冗談のつもりだろうか。ロジャー・ディーキンスの撮影とジェームズ・ニュートン・ハワードの音楽(特にヒラリー・ハーンのヴァイオリン独奏)だけは見事である。
中盤でネタは割れるので、ネタ以外に何が描かれているかが問題。しかし見事に何もない。村の住民が抱える苦悩は薄っぺらで、ホラー演出は低調の極み。ラヴストーリーの面を強調しているという評もあるが、私が観る限りそれもない。深い森に住む魔物を呼び寄せる赤い花や、身を守るための黄色いマントなど、思わせぶりな小道具が多数出てくる割には何の伏線にもなっていない。
こういう“何かあると思わせて、実は肩透かし”という芸が通用するのはせいぜい2回までだが、シャマラン監督の場合はこれで3回目なので、観ていて出るのは溜め息だけである。
ウィリアム・ハートやシガニー・ウィーバーなどの重量級キャストもやることがなく手持ち無沙汰の様子だ。それにしても、ヒロイン(ブライス・ダラス・ハワード)は盲目という設定ながら少しもそれらしく見えないのは、何か冗談のつもりだろうか。ロジャー・ディーキンスの撮影とジェームズ・ニュートン・ハワードの音楽(特にヒラリー・ハーンのヴァイオリン独奏)だけは見事である。
「シックス・センス」は、よく“途中でネタが割れてしまう”という評を目にしましたが、私は全然結末が読めませんでした。我ながら、鈍さには愕然とします(笑)。
この監督がハリウッドで持て囃されるのは、東洋人らしいエキゾティックな作風(?)による新奇さが注目されたからではないかと思ってしまいますが、毎度同じような芸では飽きてしまいますね。
ブライス・ダラス・ハワードは本作ではあまり魅力がなく、しょせん“親の七光り”かと思いましたが、近作「ヘルプ 心がつなぐストーリー」では、“悪役”としてけっこう良い味を出していました。今後はこの路線で行ってもらいたいものです(^^;)。
それでは、今後ともよろしくお願いします。