元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「オルランド」

2012-12-16 06:54:45 | 映画の感想(あ行)
 (原題:Orlando)92年作品。16世紀のイギリス、エリザベス女王から“決して老いてはならぬ”と言われ、その通りに年を取ることなく永遠の時を生きる青年貴族オルランド。ロシアの王族の娘との恋に破れ、詩作に没頭する生活を経て、次の世紀には戦乱の世に絶望。長い昏睡状態から目覚めた時には女性として転生している自分に気付く。“同じ人間、単に性が違うだけ”と悟りの境地に達するオルランドに天使がほほえみかける。

 ヴァージニア・ウルフの原作を英国の女性マルチ・アーティスト、サリー・ポッターが映画化。ヴェネチア国際映画祭にも出品され、高い評価を受けた作品である。



 さて、感想だが、ひとこと“よくわかりません”で片ずけてしまいたい(身も蓋も無い物言いでスイマセン ^^;)。学生時代、教養過程の西洋文学でヴァージニア・ウルフについてちょっと習っているはずなのにこの有様(ま、大部分は忘れているが)。何が言いたいのか本当にわからないのだからしょうがない。公開当時に雑誌に載っている映画評を読んだが、どこがどういいのか理解不能。こういう映画は困る。

 それでも観る価値はある。とにかく美術が超豪華である。ピーター・グリーナウェイの諸作をも凌ぐ、絢爛たる近世ヨーロッパの王室文化をなんとまあ見事に再現していることか。左右対称形を中心とした独特の様式美も見逃せないが、ポッター監督自身による音楽がこれまた効果的で、まさにリッチなひとときを味わうことができる。

 オルランドを演じるのはデレク・ジャーマン映画ではおなじみの女優ティルダ・スウィントン。もちろん映画の前半は男装で出演。ちなみにエリザベス1世を演じる俳優は男性(クウェンティン・クリスプ)である。

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