元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「バッファロー’66」

2012-12-11 06:45:58 | 映画の感想(は行)
 (原題:Buffalo'66)98年作品。1966年生まれでニューヨーク州バッファロー出身の主人公は5年間の服役を終えて出所するが、実は他人の罪を被ったおかげで臭い飯を食うことになってしまったのだ。復讐を誓う彼だが、その前に刑務所に入っていたことを内緒にしていた両親を安心させるために、行きずりの女の子を誘拐して“両親の前で妻として振る舞え”と強要。二人のおかしな道中記が始まる。監督・主演はモデルやミュージシャンとしても知られるヴィンセント・ギャロで、これが演出第一作となる。

 前半のユルユル、スカスカした展開は好みじゃないと思いつつも、その無手勝流(?)なリズムは主人公のキャラクターに合わせているのだと納得しつつあった矢先、ラスト近辺のとって付けたような展開に少々面食らった。



 では嫌いな映画かというとそうでもなく、主人公のいじらしいほどの“純情”と“人のよさ”にホノボノとした良い印象を受ける。これでなかなか味のある映画だ。

 ヒロイン役のクリスティーナ・リッチはこの頃“体重オーバー厚化粧コギャル”と化していたが(笑)、ここでは母性的キャラクターにぴったりのナイス・キャスティング。アンジェリカ・ヒューストンやベン・ギャザラ、ロザンナ・アークエット、ミッキー・ロークといった脇の豪華な顔ぶれも要チェック。

 予告編にも使われていたイエスのナンバーをはじめ、リッチ嬢が踊るシーンのバックに流れるキング・クリムゾン(曲は「クリムゾン・キングの宮殿」に収録されている「ムーンチャンルド」。思わず一緒に口ずさんでしまった年功ロック・ファンの私である)など、作者のプログレ・フリークぶりもうかがえて興味深い。

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