きたへふ(Cチーム)のブログ

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トップローディング型PS3(CECH-4000B)のHDDを交換してみる

2013年01月06日 | ゲーム
【記事作成日:2013/1/6】


0. はじめに

 私が(ロクに更新していなかった)このブログをちょくちょく更新するようになったのは、2010年3月に作成した新型120GBのPS3 (CECH-2100A)のHDDを交換してみたのエントリが多くの人からアクセスいただき、感謝のコメント等をいただいたことに気を良くしたことがきっかけでした。そのような経緯から、次回新しい型式のPS3が出たときは、是非とも新機種のHDD交換手順もブログに書きたいと思っていました。

 そうしたところ2012年10月にリリースされた(大幅にモデルチェンジされた)トップローディング型の新しいPS3を知人が買ったことを聞きつけ、
 「ブログに載せるから、ちょっくらHDD交換させろや (`・ω・´)」
といって、半ば強引に他人様のPS3のHDD交換を行うという荒技に打って出ることにしました。

 このエントリではそのときのHDD交換手順等をなるべく初心者の方にも判りやすいように写真を含めてご紹介していきたいと思います。

 なお、今回ディスク交換を行ったPS3の型番は、
 ・CECH-4000B (トップローディング型 250GBモデル)
 ですが、HDDの容量違いの機種である
 ・CECH-4000C (トップローディング型 500GBモデル)
 も同じ手順でHDD交換ができるものと思われます。

※ スロットローディング型の薄型PS3(CECHの2000番台と3000番台)の
HDD交換方法については、こちらのエントリを参照ください。



CECH-4000Bの正面画像


CECH-4000Bのトレイをオープンしたところ


1. 事前準備編

 PS3のHDD交換手順は、全体的に次のような流れになります。HDD交換作業以外にもやること(事前準備すること)があるので、ご留意ください。

 (1) 現行PS3のデータを外付けHDDやUSBメモリにバックアップする (※ 新規本体のHDDをいきなり交換する場合は不要)

 (2) 最新システムソフトウェアの入ったUSBメモリ等を用意する

 (3) HDDの交換作業を行う (※ 新しいHDDと工具が必要)

 (4) (2)のデータを使って、システムの再インストールを行う (※ この段階で購入時と同じ状態に戻る)

 (5) (1)で取得したバックアップデータをリストアする

となります。この中で特に注意を要する点について以下に記載します。


(1) 事前バックアップについて

 ・旧PS3から新PS3へ乗り換える場合は、HDD交換後に「データ転送ユーティリティー」という、PS3標準機能である引っ越しツールを使うとお手軽です。
  ※ この場合、HDD交換前の事前バックアップは不要です。

 ・すでに使用している(データの入っている)PS3のHDDを交換する場合は、「バックアップユーティリティー」を使って、HDD交換前に外付けHDD等にデータを退避させる必要があります。

 ・データ転送ユーティリティーやバックアップユーティリティーの 詳細や違いについては、下記公式サイトのページを参照ください。
  PS3データのバックアップ方法、異なる PS3へのデータ転送方法

 ・問題は外付けHDDにバックアップを取る場合でして、PS3が認識できるHDDのファイルシステムはFAT32である必要があります。Windows用で使っている外付けHDDを流用する場合、そのHDDはNTFSでフォーマットされている可能性もあるので注意が必要です。

 ※ ファイルシステムをNTFSからFAT32に変更する場合、一度HDDの中身をバックアップした上で、NTFSのパーティションを削除し、専用ツール(BUFFALOのDisk Formatter等)を使ってFAT32でフォーマットさせる必要があるので、かなり面倒です。


(2) 最新システムソフトウェアについて
HDD交換後に必要となるシステムアップ用のデータは、事前にPS3の公式サイトのPlayStation3 システムソフトウェア アップデートのページから「パソコン経由でのアップデート」にあるデータ(下記画像参照)をダウンロードします。


システムソフトウェアのダウンロード場所(PS3公式サイトより)

 そしてUSBメモリ等の「PS3¥UPDATE」フォルダに「PS3UPDAT.PUP」という名前で保存します。(下記画像参照)
(フルパス表記だと「ドライブ名:PS3¥UPDATE¥PS3UPDAT.PUP」)


USBメモリ(Dドライブ)にシステムソフトウェアを置いた場合


(3) 用意すべきPS3用のHDDについて
新しいHDDは、次の規格(仕様)のタイプを購入してください。
 ・サイズは2.5インチ/9.5mm厚 (いわゆるノートパソコン用タイプ)
 ・転送方式/コネクタ形状は、「SATA (シリアルATA)
 ・回転速度は5400rpm。(※ 7400rpmタイプは高速だが、発熱が大きいため避けること)


 なお、今回の場合は、下記のHGSTの1TBタイプを使用しました。(2013.1.4 博多のドスパラで7220円で購入)
日立 HGST Travelstar パッケージ版 2.5inch 1.0TB 8MB 5,400rpm 0S03509 9.5mm厚
クリエーター情報なし
日立グローバルストレージテクノロジーズ


<2013.10.4 追記>
 最近、FF14をより快適にプレイされるために、PS3のHDDをSSDに交換する方も多くおられるようです。PS3に使用できるSSDは、HDDと同様に2.5インチの9.5mm厚であればOKです。また、交換の手順もHDDと変わりません。
 ただしSSDは1.8インチや7mm厚のような小さいサイズのタイプも販売されていますので、この点は間違わないように手配ください。


 
Intel SSD 520 Series(Cherryville) 120GB 2.5inch Bulk SSDSC2CW120A310
クリエーター情報なし
インテル



(4) 作業用の工具について
今回の作業では中型ぐらいのプラスドライバー1本が必須で、小型マイナスドライバーと小型のプラスドライバー1本があれば無難な感じです。下記のような家庭用ドライバーセットで十分です。
モッタイナイス ドライバー・六角レンチセット FE-0028
クリエーター情報なし
貝印



2. ハードディスク交換編

それでは早速、新型PS3(CECH-4000B)のHDDを交換してみます。


PS3を並べてサイズを比較してみる

 左上は友人の初期型60GBタイプ(故障中)、右上は親父の80GBタイプ、左下が今回HDDを交換する250GBタイプ、右下はHDDとコントローラーです。この写真じゃ判りづらいですが、60GBタイプはぶ厚くて重たいのですが、最新タイプは横幅も高さも小さく、重さも片手で楽勝で持てるくらいになっています。

 なお、HDD交換作業は縦置きスタンド(円盤)を付けて行いました。
PlayStation 3 専用縦置きスタンド チャコール・ブラック (CECH-ZST1J)
クリエーター情報なし
ソニー・コンピュータエンタテインメント




今回交換してみるHGSTの2.5インチHDD

 容量1TB・ディスクキャッシュが8MBのタイプです。ディスクの速度は遅め(5400rpm)だけど、容量は大きく、価格も安価なタイプのバルク品です。



ベイカバーを取り外す

 CECH-4000BのHDDは、正面から見て右側の黒いベイカバーを外したところにあります。このベイカバーは、写真の赤丸付近を強く押さえて左側にスライドさせると(工具無しで)外せます。開けづらい場合は写真のように小さいマイナスドライバーを挟んで左にずらすとよいかと思います。

※ ドライバーを使う場合、「上に持ち上げるのではなく」「刃先で軽く左にずらす」ことを意識してください。(ヘタに力を加えると、カバーが割れる恐れがあります)



ベイカバーを開けたところ

 ベイカバーを外すと、裏側に「FRONT」と書かれた部分があります。こちら側は電源ボタン側に当たるので、ディスク交換後に戻す際に確認します。(まぁ、ツメの位置と方向で判るかと思いますが)
 ベイカバーを外すと、白いHDDの取付金具(アタッチメント)と、それを固定している青ネジが見えます。プラスドライバーを使って、この青ネジを取り外します。



アタッチメントの取っ手

 青ネジの部分の金具は可動式になっていて、上側にスライドさせることができる取っ手になっています。



HDD入りアタッチメントを真上に持ち上げる

 この取っ手を掴んで、アタッチメント全体を真上に持ち上げます。力はいりません。(すっと取り出せます)



取り外したHDD (HDDラベル面)

 このPS3には、日立の製品が使われていました。



四隅のネジを取り外す

 アタッチメントを裏返して、そこの四隅にあるネジをプラスドライバーで取り外します。
最後のネジを取り外したときに、HDDが転げ落ちてしまわないように注意しましょう。(柔らかい布の上でゆっくり取り外すとベスト)



ネジ穴ゴム

 アタッチメントのネジ穴には、丸いゴムがあります。これを落とさないように注意しましょう。(ネジの脱着は、真っ平ら状態で行った方がよいでしょう)



HDD取り外し

 四隅のネジを取り外すと、HDDは簡単に取り出せます。この後は、これまでの逆順で新HDDを取り付け、本体に戻します。



新HDDをアタッチメントに取り付ける

 HDDの基盤面(青い面)を上側にして、SATAのコネクタ部が取っ手の反対側の位置になる向きにし、ネジ穴を合わせて、ネジ留めします。ネジ留め時、最初の2本は対角線(斜め位置)で仮留めするとよいでしょう。



アタッチメントをPS3本体に戻して青ネジを止める

 HDDのアタッチメントへの取付が終わったら、取っ手の位置がネジ穴の位置になる方向にセットしてしてPS3本体に挿入します。奥までしっかり押し込んだら、青ネジを止めます。



ベイカバー戻し

 最後にベイカバーを載せて、軽く押しながら左から右にスライドさせるとかちっとハマって、以上で作業終了です。


3. システムの再インストール

 HDDを交換したばかりのPS3は、OSに当たるシステムが入っていないので、この段階では使用できません。そのため事前にダウンロードしたデータとUSBメモリを使って、システムの再インストールを行います。

初めにPS3本体に
 ・電源ケーブル
 ・コントローラ(USB接続)
 ・モニタ(今時のテレビだとHDMI)
 ・システムソフトウェア入りUSBメモリ
を接続し、電源を入れます。

「コントローラをUSBケーブルで接続して、PSボタンを押してください」
と表示されたらPSボタンを押します。

そうすると続いて

「システムソフトウェアが正しく動作できません。PSボタンを押して再起動してみてください。
 再起動してみても正常に起動できない場合は、ハードディスクのシステム領域をフォーマットし、システムソフトウェアを再インストールする必要があります。

 バージョン4.31以上のアップデートデータが入った記録メディアを接続し、 STARTボタンとSELECTボタンを同時に押してください。アップデートデータの入手法については、PS3の各地域のWebサイトでご確認ください。」

という表示がされます。
※ バージョン番号は、機種や発売時期によって異なる場合があります。

 ここでコントローラーのSTARTボタンとSELECTボタンを同時押しすると、確認処理が入った後、フォーマット処理の確認画面となります。


「本体ストレージのシステム領域をフォーマットします。
 フォーマットすると本体ストレージ内のすべてのデータが削除される可能性があります。
 STARTボタンとSELECTボタンを同時に5秒以上押してください。
 フォーマットすると元に戻すことができません。」

という表示がされます。ここでコントローラーのSTARTボタンとSELECTボタンを5秒以上同時押しすると、確認処理の後、フォーマット処理が行われます。
 この後続けて通常と同じシステムアップデートの処理と、本体開封時と同じ最初の起動処理が行われますが、ここでは詳細は割愛します。

 以上で、システムの再インストール作業は終わりになります。この後、必要に応じてバックアップしたデータのリストアや、引っ越し処理を行ってください。

 手順は以上となります。

<参考URL>
 ・HDD換装方法 (PS3 Wiki)



PlayStation 3 250GB チャコール・ブラック (CECH-4000B)
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ソニー・コンピュータエンタテインメント


PlayStation 3 250GB クラシック・ホワイト (CECH-4000B LW)
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ソニー・コンピュータエンタテインメント


Amazonベーシック high speed Ethernet対応 HDMIケーブル 2.0m
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日立 HGST Travelstar パッケージ版 2.5inch 5400rpm 750GB 8MB SATA 3.0Gbps 0S03085
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Transcend SuperSpeed USB 3.0&Hi-Speed USB 2.0 USBメモリ 700シリーズ 32GB 永久保証 [フラストレーションフリーパッケージ(FFP)] TS32GJF700E
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親父を火葬して墓に入れてみる

2013年01月01日 | 雑記
【記事作成日:2013/1/1】

 私は2012年の年末は大晦日まで仕事となり、出張先で独り寂しく年越しと新年を迎えることになりました。(大きなシステム入替があると、年末年始とゴールデンウイークが潰れるのはシステム屋の宿命でもありますが…)

 そうした中、1年半前に亡くなった親父のことをふと思い出したことと、元旦は近場待機のため遠出はできないけど仕事をする必要もないというびみょーな空き時間となったことから、これまでブログに書こうと思ってそのままになっていた親父の葬儀や火葬やお墓に関して、よりにもよっておめでたい新年早々に、しかもお洒落なカフェで書き連ねていくというワイルドな行為(暴挙)に出たいと思います。

 今回の内容は、親父が病院で亡くなってから今のポジション(お墓の中)に落ち着くまでに遺体(遺骨)がどのような経緯を辿っていったのかを中心に、亡くなって納骨が終わるまでにどんな出来事があったのかを思い出しつつ、書き連ねていきたいと思います。

※ グロい写真はありませんが、以下棺桶とか骨壺とか火葬場とかの写真が出てきます。こうした話が苦手な方はご注意ください。


1. 病院で亡くなってから葬儀が終わるまで

2011年7月5日 11時過ぎ、親父が息を引き取る。
 ↓
アイバンクに検眼するため、医大の先生が親父眼球の摘出と義眼の挿入手術を行う。(詳しい経過はこちらのエントリ参照)
 ↓
エンゼルケア(ひげそりや体中の穴に詰め物をしたりとかの看護師作業)の後、親父がもっと着たかったであろうゴルフウェアに着替えさせる。
 ↓
病院からは早期に遺体を引き取るように依頼されるので、速攻で葬儀屋を手配する。(概ね半日ぐらいしかおかせてくれない)
 ↓
14時過ぎに葬儀屋が親父を迎えに来るが、この日は親父が入院していたホスピスに見学者がいたため、親父はキャスター付きのベッドに載ったまま15時近くまで出立待機となる。
 ↓
親父は布団のままリムジン型の霊柩車に乗せられて自宅に出発。病院を出て行く際、こっそり裏口を出されるようなことはされず正門を堂々と出て、病院の関係者に見送られる。(病院側のこういう対応は、私としてはとても満足でした)


親父の乗せられたリムジン型の霊柩車
 ↓
おかんの依頼では、親父は直接斎場に運ばれる予定だったのが、葬儀屋さんの気遣いにより、一旦自宅に立ち寄ることになる。そして親父を一度自宅の中に運んで、短時間ながら座敷で寝かせてあげる。親父ももう一度家に帰りたかったであろうから、最後にもう一度家に戻すことができてよかったと思う。ちなみに病院から葬祭場までの搬送費用は5~6万ぐらいでした(高い)。
 ↓
夕方頃、葬祭場に到着。親父はゴルフウェアのまま、綺麗な白い布団の上でお休みとなる。
本来ならここで枕経という死後最初に聞かせるお経があるのだが、行きつけのお寺の(一人しかいない)和尚さんが遠地に出かけていて不在のため、枕経は明日に延期となる。
 ↓

親父の入る棺桶

 その後、親父の入る棺桶や納棺セットが届く。親父はエアコンの効いた部屋の中にいるものの、そのままだと遺体が傷んでしまうので、ドライアイスを入れて親父を冷やすことに。

 納棺セットには着せ替え用の白装束等が入っているが、親父はゴルフウェアのまま最後まで行くことにしたので、大半は使わないことに。なお、うちのおばあちゃんが亡くなったときは、この白装束を着せて、すね当てや手甲を装着しました。ただし頭につける三角形の白い布(天冠)は仰々しいので最近は付けないことが多いとのこと(葬儀屋談)。また、三途の川の渡り賃である六文銭は、紙で代用します。
 ↓
・7月5日 夕方、葬儀屋との打ち合わせ。葬儀に使う会場(収容人数)の選定や骨壺のガラを決めたりする。納棺・通夜・葬儀の日時がここで決定する。

 基本的に葬儀屋への支払いは全てが終わった後でまとめて精算するが、火葬場の使用料1.5万円はこの場で先払いとなる(要印鑑)。また、会葬礼状に記載する親類の氏名を確認したり、通夜や葬儀での挨拶の例文集をもらったり、焼香順の記載するための紙をもらう。


骨壺サンプル(葬祭場の中にて)
※ ちなみに親父の骨壺は左の31,500円のタイプ。
 ↓
7月6日AM 枕経と納棺が行われる。
 納棺はその名の通り親父を棺桶の中に入れる。納棺の時の写真もあるのだが、さすがにブログに載せるのは自重。その後、親父入りの棺桶は台車に乗せられて控え室の祭壇前に置かれる。


控え室の祭壇+親父入り棺桶
 ↓
7月6日16:30 実家に戻っていたときに朝日新聞から電話がある。
 おくやみ欄に名前を載せるに当たり、人間違いでないか、また氏名(漢字)に誤りがないかどうかの問い合わせを受ける。(相手のオペレータさんからは、申し訳なさそうに丁寧に対応頂きました)
 ↓
7月6日17:30 葬儀屋と通夜のリハーサル。
 どの挨拶の時に誰が起立するかとかの打ち合わせを行う。親父入りの棺桶はこの段階で式場に移動。


本葬儀での親父入り棺桶(守り刀付き)
 ↓
通夜のスタートは19時からだが、それより先に弔問客がぞろぞろとやってくるので、喪主(私)やおかんはずっと式場で挨拶対応。
 ↓
19時から通夜があり、続けて通夜振る舞いがある。
親父の棺桶はここでまた控え室に移動。通夜振る舞いには、親父が会社勤めをしていた頃の同僚が多く集まり、話が色々と盛り上がる。
 ↓
7月7日 この日は13時から葬儀だが、それに先立って11時半頃より故人との最後の食事となるお斎(とき)がある。おときはご飯とお味噌汁に煮付け等がついたシンプルな食事ながら、値段は1食1800円と結構イイ値段がするため遺族的には痛い出費。(>_<)
余らせるともったいないが、足りないと恥なので計算が難しいところ。


うちの田舎のお斎(これで1800円也)
 ↓
その後、親父入りの棺桶は再び式場に移動。
 13時より葬儀が行われ、読経→焼香→挨拶の後、最後に棺桶に花を入れ、生前親父が好きだった酒がかけられた後、棺桶が閉められて出棺となる。


花が詰められた親父の棺桶
 ↓
その後、親族は火葬場に直行。遺影を持った私はリムジン霊柩車の助手席に乗り、他の親族は車数台に分乗して近くの(山奥にある)火葬場に向かう。


2. 火葬場から納骨まで

火葬場に着いたら、棺桶ごと棺桶用の台車に乗せられ、近くのミニ礼拝場に一旦運ばれます。
※ この間、葬儀屋が火葬許可書を火葬場の事務員に提出。


火葬場への棺桶搬入

ミニ礼拝場では、最後にもう一度短いお経と念仏を唱えて、本当に最期のお別れの時となります。


火葬場のミニ礼拝場+棺桶搬送用の台車

 そして最後のお祈りが終わった後で、棺桶を焼却炉用の電動台車に載せ替えて、火葬場の職員さんが炉の中にセットします。


棺桶を炉の中に入れるところ(写っているのは和尚さん)

 そして炉の扉が閉められた後、喪主の私が点火のボタンを押すことによって火葬が始まります。今までは目に見える形で故人の亡骸があったのですが、火葬後は本当に姿形が亡くなってしまうので、この火葬用の炉の中に身内を送り込むときが、本当の別れの刻を向かえる感じがして辛いです。

 一番初めに近い親類(祖父)が亡くなったときは、この火葬開始の時がかなり辛かったのですが、なぜか今回の親父のときは「ようやくこれで終わりか…」と安堵感とも言えない、なんともさばさばした感覚がありました。


火葬中(2番目の炉が使用中)

 その後、焼き場の職員さんにお心付けという名の賄賂(相場:数千円)を渡して控え室へ。その際に炉の鍵を渡されます。


預かった炉の鍵

 うちの田舎の火葬場だと、焼き上がりまで90分ほどかかるので、その間和室やロビーでティータイムとなる。


収骨室の入口

 焼き上がる10分程前に館内放送で「そろそろ焼き上がり」の連絡があるのでそれを受けてバタバタとお茶セットや持ち込んだお菓子類の片付けを開始。その後、収骨室に集合します。


収骨室の中

 収骨室は吉野家のカウンターチックなU字型になっていて、ここに棺桶を載せていた熱々の台車が運び込まれます。


骨拾いの箸(黒い箸と白い箸を1本ずつ使用)

 その後、火葬場の職員の話を聞きながら台車上に残った熱々の骨を箸で拾って骨壺に収納していきます。なお、うちの身内の間では、前述のお心付けの有無(と金額の上下)によってこのときの対応が丁寧になるかぞんざいになるか差が出てくるということが定説となっています。


骨壺・箸・すりこぎ

 うちの田舎だと、骨は足から頭の方にかけて回収していきます。途中、大腿骨のような骨壺に入らないくらいの長い骨は、すりこぎで半分に折ったりして強引に骨壺に入るようにします。初めて骨上げに参加したときは、この行為に抵抗感があったのですが、(人生の)ベテランクラスになると
「はい、ぼんやりせんで、ちゃっちゃとやるで~」
みたいな感じで、てきぱきと済ませていきます。

 私も「父ちゃん、ごめんな~」と心の中で思いつつ、骨を折り潰して骨壺の中に入れてきます。

 その後、「生前の本人の面影がある」と言われるのど仏の骨(※)に関して火葬場職員の説明があった後、最後に頭蓋骨(頭頂部)の骨をトップに載っけて骨壺の蓋を閉めて骨上げは完了となります。
※ のど仏の骨と言われていますが、実際には首の骨の一部です。

 また、火葬場職員によると太い骨の骨髄を見ると亡くなる前に闘病生活を送っていたか、事故等で急に亡くなられたのか、薄々判別がつくとのこと。理由は闘病生活が長いと、薬の影響で骨髄に茶色等の色が残るが、健康だった人の場合は白い骨になるとのことらしい。
 なお、うちの親父は食道癌で亡くなる2年前から薬漬け状態だったので、やっぱり骨髄に色がついていました。

 その後、親父の骨壺は四角いケースに入れられ、白い布に包まれて、喪主(私)の手に抱えられて再度葬祭場に戻ってきます。ちなみにこの段階の骨壺は、骨が熱を持っている関係で、長時間触れていられないくらいに熱くなっていました。


精進落としでの親父の骨壺・位牌・遺影・卒塔婆(そとば)

 うちの田舎だと、亡くなってから1週間後に行われる最初の法要(初七日)は焼き場から戻ってきたときに行われます。そこで若干手短に最後お経を上げてもらった後で、精進落としの食事会となります。これでようやく長い長い一日が終わります。



自宅の後飾り壇

 精進落としが終わった後、親父の骨壺は自宅に戻ってきます。うちの田舎では、納骨は基本的に四十九日法要の後で行われるのですが、それまでの間は、自宅の白い後飾り壇(ダンボール製)に置かれます。写真では骨壺に白い布がかかったままになっていますが、これは取らないといけないということを後で知って(知ってる人から怒られて)、その後慌てて外しました。



うちのお墓

 そして約1ヶ月半後の四十九日法要のときに、自宅から親父の骨壺と白木の位牌と卒塔婆を持ってお寺に行って法要を行います。その後続いてお墓に行って納骨となります。場所によっては、火葬場でもらう埋葬許可証を納骨時に霊園に提出する必要があるかと思いますが、うちの実家の墓地では不要でした。


墓の扉をオープン

 納骨の際、表の重たい石を退かせて、骨壺を中に置きます。なお、この作業を私が実施しようとしたところ、入口のスペースが私の肩幅より狭くて中に入ることができなかったため、代わりにおかんにいれてもらうことになりました…



墓の中

親父は、先客の婆さんと一緒に墓に入ることになりました。


3. 最後に

 葬儀や火葬や埋葬(納骨)は、誰しも長いこと生きていれば経験せざるを得ないイベントですが、送り出す方の身内は悲しんでいる暇もないくらいにバタバタしているものです。また親族以外の人が葬儀関係の写真を撮影したりすることは失礼になるので、あまりやらないものです。

 葬儀関連のイベントは、何度か一連の流れを実体験をしないと理解することは難しい部分がありますが、今回は喪主が私で対象がうちの親父だったということもあり、幾分不謹慎な部分があるかもしれませんが、一連の流れや体験をブログにしてみました。

 このブログを通じて、今後身内を送り出す側になった方の(少しでも)参考になってくれれば、うちの親父も喜んでくれるんではないでしょうか。



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