きたへふ(Cチーム)のブログ

ファミスタとは特に関係ありません。タブレット・スマホをご利用の方は、できればPCモードで御覧ください。

嫁の実家のネットワーク障害の対応をしてみる

2019年07月10日 | ネットワーク
 先日嫁方の実家から「自宅からインターネットが使えなくなった。助けてくれ」とのヘルプがありました。
 ブログ主は昔から親類・友人からPC/スマホ等の設定やトラブルシューティングをよくお願いされる(いわゆる)「パソコンの大先生」でありますが(本職はネットワーク系のエンジニア)、今回のトラブルはこれまで自分では経験したことのない不具合の類だったので、備忘録がてらちょっとブログに残しておきたいと思います。


今回のトラブルの原因だったVDSLモデム

結果を先に言ってしまうと、次のような状況と対処が必要でした。

★障害の原因★
 VDSLモデムのPPPoEの設定が勝手にすっ飛んでしまう(消失する)という障害が発生していた模様。そのためVDSLモデムの電源OFF/ONを行っても、プロバイダ(ISP)との接続ができなくなる事象が発生していた。

★対処方法★
 ・VDSLモデムの初期化とPPPoEのIDとパスワードを再設定することで復旧した。


1. 嫁の実家のネットワーク構成
 ・プロバイダは「ぷらら」
 ・回線は集合住宅用のフレッツ光(VDSLモデム使用)
 ・VDSLモデムの機種はRV-440MIで、無線LAN接続が可能となるモジュールが追加されている
 ・PCのOSはWindows10で無線LANで接続している
 ・VDSLモデムの無線LANには上記PCの他、スマホ・タブレットを接続している


嫁実家からISPまでの主要機器・経路


2. 実際の対応状況(トラブルシューティング)

・義父から「PCでメールの読み書きができなくなった」と話がある。加えて義母や嫁から「家にいるとスマホがネットに繋がらない」との話がある。

 ↓

・ブログ主が義父のPCよりネットワーク状況を確認すると次の状態であった。
 -DHCPでIPアドレス/デフォルトGW/DNSサーバ等の情報は取得できている
 -PCから見た直近ルータ(デフォルトGW)に当たるVDSLモデムまでのping疎通はOK
 -googleのDNSサーバ(8.8.8.8)に対してpingやtracerouteを実行すると、pingは「宛先ホストに到達できません (Destination Host Unreachable)」でNG、tracerouteはPCから見たネクストホップ(VDSLモデム)でNGとなった。

★この状況からPC~VDSLモデム間の通信はOKであるものの、VDSLモデムから先は上位向けルーティングテーブルが存在しない状況のため通信がNGになっていることが疑われる。

 ↓

・義父のPCをブログ主のスマホにテザリングで繋いだところメールの読み書きができるようになった。また義母や嫁のスマホでWiFiをOFFにしてVDSLモデムと接続しない状態にしたところ通信OKになった。
★この状況から、通信NGの原因はPC・スマホ側の問題ではないこと、そしてVDSLモデムより先で通信NGになっていることが確定。

 ↓

・念のためVDSLモデムの電源OFF/ONを行って15分後に再確認を行うが、PC関係の通信状況は改善されず。ただしVDSLモデムに接続している自宅の固定電話(ひかり電話)は、発着信とも可能であった。
★この状況から、L1(物理層:自宅~NTT間の物理配線)の問題はでないことが確定。

 ↓

・状況からしてVDSLモデムがPPPoEセッションを張れていないことが濃厚であるため、ステータスを確認すべくVDSLモデムの管理画面にログインしようとするが、ユーザ側で設定したパスワードが判らずオワタ \(^o^)/ な状態となる。このためNTTのフレッツの問い合わせ窓口に連絡してこれまでの状況を説明し、対処方法を指示してもらうことになる。

 ↓

・最初にVDSLモデムのランプ状況の確認を行う。ハード障害系の赤ランプは点灯していないが、PPPランプが消灯していることから、PPPoE接続ができていない状態であることがランプ上からも確認される。

 ↓

・VDSLモデムのPPPoE設定を確認したいところであったがログインできないため、初期化を行うことになる。ボールペンの先で小さな初期化ボタンを押さえながら再起動ボタンを長押しすることで、強制的に初期化を行う。VDSLモデムの初期化後も、電話機の発着信とPCのWiFi接続は設定変更を行わずとも接続OKとなる。

 ↓

・PCからVDSLモデムの管理画面(http://192.168.1.1)にアクセスする。ここで新しいパスワードを設定する。

 ↓

・ぷららから送られたID/パスワード等が記載された通信設定シートを元にPPPoEのID/パスワードを設定するが、何度見直しても接続できず。(;´Д`)

 ↓

・フレッツのサポートの人からテスト接続用のIDとパスワードを教えてもらったところ、今度は通信OKとなる。
  テスト用ID:guest@v4flets-east.jp
  パスワード:guest
★この時点でNTT側(フレッツ側)の問題ではないことが確定。

 ↓

・接続できない原因はPPPoEのID/パスワード誤りの可能性が高い状態のため、今度はISP(ぷらら)に問い合わせることにする。

 ↓

・ぷららのサポートに問い合わせたところ、手持ちの設定シートの情報について確認を受ける。そしてそこに記載されているIDとパスワードを伝えたところ、「PPPoE用のパスワードが変更されています」とのこと。変更後のパスワードは義父が設定シートに手書きで記載していた文字列であることが確認される。

 ↓

・PPPoEのIDとパスワードを再設定したところ、無事に接続OKとなり、VDSLモデムのPPPランプも点灯する。その後、PCやWiFi接続したスマホからも通信OKとなる。
★これでようやく復旧完了。∩( ・ω・)∩


2. 今回のトラブル対応の所感

・今回の原因はVDSLモデムでPPPoE設定が消失してしまったことが原因だと思われます。

・義父曰く「VDSLモデムは全くいじっていない」とのことですが、VDSLモデムは一度設定してしまえば設定変更を行うことはまずありませんし、24時間電源ON状態の機器のため、ネットワーク機器でたまにある「電源OFF/ONで装置が正常に起動しないトラブル」(停電→復電後の自動起動に失敗する類のトラブル)ではなさそうです。

・フレッツ(NTT)だったか、ぷららだったか忘れましたが、サポートの方から「VDSLモデムの設定が飛んでしまうトラブルがたまに発生する」との話を聞いたので、今回は不運にもそれにぶち当たってしまったのかなぁ…という感じです。

・契約時にNTTやプロバイダからもらう設定シート・問い合わせ先の書かれた紙は超重要。今回は義父が関連書類をしっかり持っていたので、対応が早かったです。

・ぷららは利用者のPPPoEのパスワードを平文に戻せる状態で持っている。セキュリティ的にはツッコまれうる個所かもしれませんが、ど素人相手の対応だし、これは致し方なしかと(実際に今回はこれに救われましたし)。

・次に同じ事象やハード障害系のトラブルが発生した場合は、電源OFF/ONや再設定で復旧したとしてもVDSLモデム(レンタル品)の予防交換をNTTに依頼しようと思います。



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Cisco Catalystスイッチの復旧方法(例)

2011年02月20日 | ネットワーク
【最終改版日:2011/2/26】

以前、Cisco Catalystシリーズのバックアップ方法のエントリで、vlan.dat等の
バックアップ方法等を紹介しましたが、今回は実際に工場出荷状態のCatalystから
設定を元に戻す手順例を紹介します。

※ 本エントリの内容は、下手するとCatalystが起動できなくなる重大な
  トラブルが発生する可能性があります。記載内容の保証はしませんし、
  責任も持てませんので、あくまで参考情報レベルとして見てください。
  やるんだったら自己責任で!



1. 全体的な手順・用意するもの

全体的な流れ
 1. Catalystに一時用のIPアドレスを付与する
 2. TFTPで作業用PCから必要なデータを取り込む
 3. IOSのバージョンアップorダウン(必要に応じて)
 4. startup-config と vlan.datを戻して再起動

事前に準備するもの
 1. TeraTERMとTFTPサーバ(3CDaemon)の入った作業用PC
 2. 作業用PCとCatalystを繋ぐLANケーブル+Cisco用シリアルケーブル
 3. 事前にバックアップを取ったconfigとvlan.dat (とIOSのデータ)
 4. 新しいCatalyst。追加モジュール類は予め搭載しておく

作業用PCで予め設定すること
 1. 事前にバックアップしておいたconfigデータ と vlan.dat (と必要に応じて
   IOSのデータ)のファイルを、TFTPサーバのドキュメントルートとなる
   フォルダ(例: c:¥tftp等)に予めコピーしておく。

 2. 端末に仮設定用のIPアドレスを付与する。(例:192.168.1.1/24)
 3. TeraTERMでCatalystにシリアル経由でログインする。
 4. Catalystと作業用PCをLANケーブルで繋ぐ。とりあえず1番ポートでOK。



2. Catalystの操作手順 (Catalyst3750Gの場合)

必要なIOS(とライセンス)はすでに入れられているものとして、
startup-configとvlan.datをTFTPで戻す手順を記載します。


 1. シリアルログインして「Switch>」プロンプトを確認

 2. enableでスーパーユーザへ(パスワード不要)。
   「Switch#」プロンプトに変わる。

 3. show version で現在立ち上がっているIOSのバージョンを確認

 4. show running-config でデフォルトのコンフィグを確認。
   この際、デフォルトVLANにIPが振られていないことを確認する。
   
interface Vlan1
 no ip address
!


 5. config terminal で編集モードへ。「Switch(config)#」プロンプトに変更。

 6. interface vlan1 でvlan1(デフォルトVLAN)の設定モードに入る。
  「Switch(config-if)#」プロンプトに変更。

 7. デフォルトVLANにアドレスを付与する。192.168.1.2/24で付与したい場合は、
  「ip address 192.168.1.2 255.255.255.0」と入力。


 8. 一応 no shutdown でデフォルトVLANを明示的に有効化しておく。

 9. end で編集モードから抜ける。

 10. この時点ですでにIPアドレスは生きているので、端末(TFTPサーバ)と
   Catalyst間でpingが届くかどうか確認する。

enableからデフォルトVLANにIPアドレスを振るまでの実行例
Switch>en
Switch#
Switch#conf t
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)#
Switch(config)#interface vlan1
Switch(config-if)#ip address 192.168.1.1 255.255.255.0
Switch(config-if)#no shutdown
Switch(config-if)#end
Switch#
00:25:44: %SYS-5-CONFIG_I: Configured from console by console
Switch#



 11. startup-config と vlan.dat の保存場所を確認する。
   Catalyst3000シリーズであれば、どちらも flash:/ 直下にある
   config.text と vlan.dat になる。
   
Switch#show flash

Directory of flash:/

2 drwx 192 Mar 1 1993 00:08:49 +00:00 c3750-ipservices-mz.122-35.SE5
506 -rwx 108 Mar 1 1993 00:08:49 +00:00 info
507 -rwx 1426 Mar 1 1993 00:35:11 +00:00 config.text ←これ
508 -rwx 5 Mar 1 1993 00:35:11 +00:00 private-config.text
509 -rwx 616 Mar 1 1993 00:18:34 +00:00 vlan.dat ←これ

15998976 bytes total (5487616 bytes free)
Switch#


 【補足:vlan.datとstartup-configの場所について(多分)】
   <vlan.dat>
    Catalyst6000シリーズ = const_nvram:/vlan.dat
    Catalyst4000シリーズ = cat4000_flash:/vlan.dat
    Catalyst3000シリーズ = flash:/vlan.dat
    Catalyst2000シリーズ = flash:/vlan.dat

   <startup-config>
    Catalyst6000シリーズ = nvram:/startup-config
    Catalyst4000シリーズ = nvram:/startup-config
    Catalyst3000シリーズ = flash:/config.text
    Catalyst2000シリーズ = flash:/config.text




 12. TFTPサーバからコンフィグとvlan.datを取り込んで、
   flash上のファイルをそのまま上書きしてしまう。


   copy tftp://[TFTPサーバのIP]/保存config [装置のstartup-configの場所]
   copy tftp://[TFTPサーバのIP]/vlan.dat [装置のvlan.datの場所]


  ※ 下記の例では、端末(TFTPサーバ)のIPアドレスは192.168.1.1、
    事前にバックアップしたコンフィグファイル名は「cat3750-conf」、
    cat3750-confとvlan.datは、どちらもTFTPサーバのドキュメント
    ルート直下に存在するものと仮定します。

  【実行コマンド例】
    copy tftp://192.168.1.1/cat3750-conf flash:config.text
    copy tftp://192.168.1.1/vlan.dat flash:vlan.dat


   この際「上書きしてええか?」という確認がされるが、そのまま実行。

Switch#copy tftp://192.168.1.1/cat3750-conf flash:config.text
Destination filename [config.text]? ←そのままEnter
%Warning:There is a file already existing with this name
Do you want to over write? [confirm] ←そのままEnter
Accessing tftp://192.168.1.1/cat3750-confg...
Loading cat3750-confg from 192.168.1.1 (via Vlan1): !!
[OK - 5343 bytes]

5343 bytes copied in 0.126 secs (42405 bytes/sec)
Switch#
Switch#copy tftp://192.168.1.1/vlan.dat flash:vlan.dat
Destination filename [vlan.dat]? ←そのままEnter
%Warning:There is a file already existing with this name
Do you want to over write? [confirm] ←そのままEnter
Accessing tftp://192.168.1.1/vlan.dat...
Loading vlan.dat from 192.168.1.1 (via Vlan1): !
[OK - 676 bytes]

676 bytes copied in 0.059 secs (11458 bytes/sec)
Switch#


 13. reloadで再起動をかける。
   この際「Saveするか?」と聞かれるが、noで回答すること。
  
Switch#reload

System configuration has been modified. Save? [yes/no]: no

Proceed with reload? [confirm] ←そのままEnter
 :
以下再起動プロセス


問題がなければ、再起動後より設定済みのコンフィグで起動します。
これ以降の操作は、(元configでパスワードが設定されていれば)、
当然ながらパスワード入力が必要になります。



おまけ. IOSを変更する方法

上記での説明は省略しましたが、IOSを更新する場合は次のような手順に
なります。
 (1) TFTPを使ってIOSのファイルをflashにコピー
 (2) conf t で編集モードへ
 (3) boot system flash:[IOSのファイル名] で次回起動するIOSを変更
 (4) endで抜ける
 (5) show boot で次回起動するIOSの情報を確認する
 (6) reload
 (7) 再起動後、show version でIOSのバージョンを確認

詳細はきちんとしたドキュメントを参照すること。
参考技術情報(Cisco社):
 コマンドライン インターフェイスを使用した Catalyst 3550 シリーズ
 スイッチでのソフトウェア イメージのアップグレード




Pocket詳解 Cisco IOSコマンド辞典
松崎 敬
秀和システム

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Cisco Catalystシリーズのバックアップ方法(vlan.datの取得方法)

2010年11月21日 | ネットワーク
ネットワークのお仕事をしていると、事実上業界標準であるCisco Systems社の
製品を扱う機会が必然的に多くなるのですが、このCisco社のL3・L2スイッチ
であるCatalystシリーズは、
コンフィグ情報だけでは、(機器障害時に)元の状態に戻せないことがある
という、いやらしい運用上の欠点があります。

正確にいうとコンフィグ情報があれば、TFTPでstartup-configを上書きして
reloadかければ元に戻ることも多いですし、万が一0から再設定する場合でも、
vlan定義やインタフェース定義等を順番に設定することで戻せはしますが、
重要な機器がハード障害を起こして通信が止まった場合などは、
そんな悠長な復旧方法はやってられません。
現実には「(CEの)誰でも・即時に・確実に」戻せる体制にすることが求められます。

それで実際にCatalystを即時完全復旧させるためには、事前に
 ・コンフィグ (設定情報)
 ・vlan.dat (VLANのデータベースファイル)
を取得しておき、機器交換後にこのデータをリストアする必要があります。

そのうちコンフィグ情報(startup-configやrunning-config)については、
設定変更後に外部保存しておくのが一般的ですが、vlan.datについては
TFTP等で吸い出さないと取得できません。
このエントリでは、盲点になっているvlan.datの取得方法について紹介します。

※ リカバリ方法については、こちらのエントリを参照

参考技術情報(Cisco社):
 Cisco IOS ソフトウェアが稼働している Cisco Catalyst スイッチでの vlan.dat の管理




1. 全体的な手順・用意するもの

準備1. TFTPサーバ
 ・Catalystと通信が出来るTFTPサーバが必要です。
 ・通常は、作業用端末に3CDaemon(後述)等のTFTPサーバ環境を用意します。

準備2. Catalystを操作する環境
 ・telnetもしくはコンソールログインする環境が必要です。
 ・TFTPサーバを兼ねた作業用端末をLANケーブルでネットワークに接続し、
  telnet操作することがよくあるパターンかと思われます。

★ 全体的な手順 (操作端末=TFTPサーバと仮定します)
 (1) vlan.datを取りたいCatalystにtelnetログインし、enableする。
 (2) vlan.datの格納位置を確認する。
 (3) copy [格納位置]/vlan.dat tftp: でTFTPサーバにPUTする。
 (4) TFTPサーバに届いたvlan.datを別の場所に保管する。

TFTPサーバ(3CDaemon)の設定及び、Catalystログイン後の操作手順の詳細を
続けて説明します。



2. TFTPサーバ(3CDaemon)の設定について

※ 2011.7.16 一部追記
 下記の3CDaemonのページは、作成元の3COM社がHP社に
 合併された関係で、なくなちゃったみたいです(合掌)。



TFTPサーバは、3CDaemonというフリーソフトがお手軽です。
下記サイトからダウンロードを行い、PCにインストールします。
 ・本サイト: 3CDaemon (Windows 32bit版)のページ
 ・2010/11/20時点の最新版への直リンク: 3CDaemon ver2.0 rev10 (08/09/2006)

インストール方法は、ダウンロードしたZIPファイルを展開して、
中のsetup.exeを叩いてインストーラーを起動するだけです。



3CDaemonの起動画面

3CDaemonはTFTPサーバ機能に加え、TFTPクライアント・syslogサーバ・
FTPサーバ機能も有します。

TFTPサーバ機能を起動・停止するには左ペインの「TFTP Server」(灰色ボタン)
を押して、上から2番目の「GO」または「STOP」ボタンを押します。
デフォルトでは3CDaemon起動時にTFTPサーバ機能も起動します(設定変更可)。



3CDaemonのTFTPサーバ機能の設定画面

TFTPサーバ機能の設定項目は、デフォルトのままでも使用できますが、
個人的に次の2個所を変更することをお勧めします。

 ・「Upload/Download directory:」欄には、後でCatalystからvlan.dat
  ファイルがUploadされてくるフォルダになります。
  デフォルトでは環境変数TEMPの場所になっているので、判りやすい
  フォルダに変更することが望ましいです。
  個人的にはC:¥ftpのようなドライブ直下の英数字フォルダがお勧めです。

 ・その下の「Per-packet timeout in seconds (2-15):」の欄は、
  デフォルトで5秒が設定されています。
  普通はデフォルト値でも問題ないと思いますが、TFTPサーバと操作端末が
  異なる場合は、1発目の通信に時間がかかる可能性があるので、大きめの
  値を入れておいた方がよいかもしれません。




3. Catalyst側からの転送操作

TFTPサーバ側の準備が終わったら、続いてCatalyst側の操作を行います。

 (1) Catalystにtelnetログインする
   telnetなりシリアルコンソールなりでログインします。


 (2) enableして管理者権限へ移行する
   enableパスワードは押さえておきましょう。


 (3) コンフィグを保存していない場合は、
   copy running-config startup-config で保存する。


   初出時「vlan.datはコンフィグ保存時に作成/更新されます」と記載
   したのですが、実際には設定モードで「vlan 20」のようなコマンドで
   VLANを作成した直後にvlan.datは更新されるみたいです(汗)。
   ただし、コンフィグとvlan.datはセットで保存する必要がありますので
   コンフィグ保存も忘れないようにしましょう。


 (4) vlan.datのファイルの場所を確認する
   vlan.datが作成される場所は機種によって異なります。
    Catalyst6000シリーズ = const_nvram:/vlan.dat
    Catalyst4000シリーズ = cat4000_flash:/vlan.dat
    Catalyst3000シリーズ = flash:/vlan.dat
    Catalyst2000シリーズ = flash:/vlan.dat


   ファイルの確認を行うには次のコマンドを実行します。
    Catalyst6000シリーズ = dir const_nvram:
    Catalyst4000シリーズ = dir cat4000_flash:
    Catalyst3000シリーズ = dir flash:
    Catalyst2000シリーズ = dir flash:

   全機種共通でdir all-filesystemsコマンドで全ファイルを表示し、
   その結果から確認することも出来ます。(その代わり不必要な結果も表示
   されるので、結果からvlan.datの個所のみを抽出する必要があります)


Catalyst6506Eでのdir const_nvram:の実行例:
CAT6506#dir const_nvram:
Directory of const_nvram:/

1 -rw- 1336 <no date> vlan.dat

129004 bytes total (127668 bytes free)


 (5) vlan.datをTFTPで転送する
  vlan.datが存在することが確認できたら、このファイルをTFTPサーバに
  転送します。コマンドは次の通りです:
    Catalyst6000シリーズ = copy const_nvram:/vlan.dat tftp:
    Catalyst4000シリーズ = copy cat4000_flash:/vlan.dat tftp:
    Catalyst3000シリーズ = copy flash:/vlan.dat tftp:
    Catalyst2000シリーズ = copy flash:/vlan.dat tftp:


  <補足>
    全機種ともvlan.datはドライブ直下にあるので、
       copy flash:vlan.dat tftp:
    のようにスラッシュ無しでcopyコマンドを打っても実行できます。


  上記のcopyコマンド実行すると、いずれの場合も次の内容を聞かれるので、
  適切な値を入力し、Enterを押します。(※末尾の補足も参照)

   Address or name of remote host []?
    → TFTPサーバのIPアドレスを入力します(必須)

   Destination filename [vlan.dat]?
    → TFTPサーバに保存するファイル名を入力します。
      vlan.datのままでよければ、そのままEnterを押します。



Catalyst6506EでのTFTP転送の実行例:
CAT6506#copy const_nvram:/vlan.dat tftp:
Address or name of remote host []? 192.168.1.50
Destination filename [vlan.dat]?
!!
1336 bytes copied in 0.372 secs (3591 bytes/sec)
CAT6506#



 (6) 取り込んだvlan.datを確認・保管する
  copyコマンドが正常終了したら 3CDaemonのUpload/Download directory:で
  指定したフォルダにvlan.datファイルができていることを確認します。
  そのファイルをrunning-configと一緒に保管します。
  (機器ごとにフォルダを作っておくことをお勧めします)

  なお、Uploadフォルダにvlan.datが残った状態で別の機器からvlan.datを
  Uploadしようとすると、エラーになるのでご注意下さい。

vlan.datの重複登録エラー例:
CAT2960#copy flash:/vlan.dat tftp:
Address or name of remote host []? 192.168.1.50
Destination filename [vlan.dat]?
TFTP: error code 2 received - Not allowed to overwrite existing files.

%Error opening tftp://192.168.1.50/vlan.dat (Permission denied)
CAT2960#


vlan.datの転送作業は以上で終了となります。
実際にCatalystの運用を行う場合は、最低限
 ・最終コンフィグ
 ・vlan.dat
 ・今動いているバージョンのIOS

のデータファイルは、常に取り出せるようにしておきましょう。

スタートアップコンフィグやランニングコンフィグはvlan.datと同様に、

   copy startup-config tftp:
   copy running-config tftp:

で、TFTPサーバにコンフィグの生データを持ってくることが出来るので、
通常はvlan.datとセットで取得すると便利かと思われます。
このコンフィグ情報は(当然のことながら)テキストエディタで閲覧できます。



おまけ. copyコマンド(TFTP)の補足

copyコマンドでスイッチ内のファイルをTFTPサーバに転送する場合、
下記のようなURL表記でTFTPサーバと保存先ファイル名を先に指定することで、
対話的にTFTPサーバのIPアドレスや保存先ファイル名を入力しなくても
実行可能となります。

【文法】
 copy [元ファイル] tftp://[TFTPサーバのIP]/[保存先ファイル名]

 例: running-configをIPアドレスが192.168.1.1のTFTPサーバに
    「cat3750-confg.log」というファイル名で転送する場合

CAT3750#copy running-config tftp://192.168.1.1/cat3750-confg.log
Address or name of remote host [192.168.1.1]? ←そのままEnter
Destination filename [cat3750-confg.log]? ←そのままEnter
!!
10244 bytes copied in 8.925 secs (1148 bytes/sec)
CAT3750#




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松崎 敬
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