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「地獄の絵本」の本物の地獄絵図を見に行ってみる(南房総市・延命寺)

2013年08月16日 | 旅行・鉄道
【記事作成日:2013/8/24、訪問日:2013/8/16、2014/8/16】

私は去年「地獄の絵本」を購入して以来、全国の各地のいろんなお寺に伝わるという“地獄絵図”そのものに興味を持つようになりました。
※ 詳しくは地獄の絵本を購入してみるのエントリを参照ください。

絵本・地獄
クリエーター情報なし
風濤社


 その影響で昨年は地元大分のお寺の地獄絵図も見に行ったりもしました(そのときの内容は、こちらのエントリを参照ください)。そして今回は、「地獄の絵本」で使われた本物の地獄絵図の掛け軸を見に行ってみることにしました。
 「地獄の絵本」のベースとなった地獄絵図の掛け軸は、千葉県の房総半島南端の館山市にほど近い、南房総市(旧三芳村)の延命寺にあります。その延命寺では毎年8月16日の1日だけ、この掛け軸を公開しています。

参考リンク(地図情報あり):
 延命寺(南房総市)>観光情報を探す>:ちばの観光 まるごと紹介

 このことは昨年から調べて知っていたのですが、昨年はあいにく仕事の都合で見に行くことが出来なかったため、今年はしっかり休みを取った上で、バイクでアクアラインを渡って見に行ってきました。

【2014/8/17 追記】
 2014/8/16、今年も見に行ってきました。その時の状況を元に、記事内容の一部追加・修正を行っています。



1. 延命寺に足を運んでみる


千葉県道88号線から田んぼの中を横切ってお寺のある集落に向かいます



お寺の入口 (左に長谷山延命寺とあります)

 なお入口の右側には乗用車が10台ぐらい止められそうな砂利道の駐車スペースがありました。この日は私同様に掛け軸を見に来た人たちで駐車場はそこそこ埋まっていました。私のバイクは邪魔にならないように立木近くのすみっこに駐車。



お寺の説明文(クリックで拡大)

 このお寺は、永正17年(1520年・室町時代)に建立されたとのこと。地獄極楽絵図は16幅あって、1784年に江府宗庵によって描かれたものとのこと。



お寺の鐘

 お寺にはお約束の鐘があったのですが、頭上にスズメバチの巣があって危険なため、鳴らさないでくださいとのことでした。

【2014/8/17 追記】
2014年に訪問したときは、スズメバチの巣はなくなっていました。



お寺の本堂(ちょっと遠目から)

掛け軸はここで公開されているようです。



本堂の目の前

 「地獄極楽絵図御開帳」の案内が出ています。また本堂の中では、参拝の代表者が記帳するところと、和尚さんが解説を行ってくれる時間が記載されています。本堂のところでは、檀家さん(地元のボランティア?)と思わしきおじさま方が来客者の対応をしていました。
 ここで参拝者の記帳を行い、お賽銭を投入します。(記帳もお賽銭も必須ではありませんが、お寺のお宝を見せて頂けるのでそのくらいするのはマナーかと)

 またここでは、このお寺の掛け軸の絵を載せた本が定価の1000円で頒布されていました。せっかくなので1冊いただきます。


頒布されていた本 (絵で見る地獄と極楽)

 この本はなぜかAmazonでは取り扱っていないようでしたので、関連情報を記載します。

 タイトル: 絵で見る地獄と極楽
 発行所 : 株式会社 賢美閣
 定価  : 1000円 (本体952円)
 ISBN  : (分)6714-(製)0030-(出)2007

 お寺の本堂では、お堂の左右に分けて掛け軸が配置されており、右奥から順番に鑑賞できるようになっていました。(死亡→幽体離脱→三途の川→各種お裁き(地獄)→極楽浄土)
 そしてお寺では、和尚さんが掛け軸を1幅ずつ解説されていました。なお、お堂の中は撮影禁止でした。(´・ω・`)
残念ながら地獄絵図をカメラに収めることはできませんでしたが、貴重な掛け軸をしっかり目に焼き付けて帰ってきました。

 なお、「絵で見る地獄と極楽」に記載されている地獄極楽絵図と、お堂で展示されている掛け軸は、枚数・順番とも同じでした。(ちなみに掛け軸の下に記載されていた説明文も本に記載されている内容とほとんど同じでした)
 そのため、現地に脚を運ぶことができない方でも、この本を見ればどのような掛け軸が展示されていたのかが判ることが出来ます。ただし本物の掛け軸は吊している状態で高さが2mぐらい、横幅が大人の体ぐらいあって、間近で見るとなかなか迫力があります。絵本では大きな掛け軸の絵を1枚に納めるためにかなり縮小されていて、凄みが無いのが残念なところです。



2. 実際に地獄極楽絵図を見てみた感想

 本物の掛け軸を見たり和尚さんの解説を聞くことで、地獄の絵本を見て疑問に思っていた点が解決したり、面白いなぁと思ったことがいくつかありましたので、ちょっと触れてみたいと思います。
 以下の写真は「絵で見る地獄と極楽」の中の画像をデジカメで撮ったものをトリミングしたものです。

(1) 針の山に落ちる鬼について


何故か人間と一緒に針の山地獄に落とされる鬼さん(左上)

 地獄の絵本の中にもあったシーンなのですが、針の山に突き落とされる人間に混じって、何故か人間を追い立てる方の鬼(緑色)までいます。
 「なんで鬼まで落ちとんのや」と思っていたのですが、掛け軸全体(上の部分)を見ることでその疑問が解消されました。



鬼を投げ落とす豪傑さん

 実は崖の上には豪傑さんがいて、鬼を投げ落としていたのでした。
 和尚さんの解説では、この豪傑のモデルは鬼退治で知られる源頼光(みなもとのよりみつ、“らいこう”とも)で、地獄絵図の作者の解釈(遊び心?)で取り入れられたものらしいです。


(2) 働く鬼さん

 地獄の中では人間を責め立てて苦痛を与える恐ろしい鬼がいます。ところがこの鬼さんたちがやけに表情豊かというか、妙に人間っぽくて思わずほくそ笑んでしまいました。(´∀`)


なたのようなもので人間を縦に真っ二つにしている鬼さん


地獄の釜で人間をぐつぐつ煮込んでいる鬼さん(重労働)。

 ところが地獄には年に2回のお休みの日があって、この日は地獄の釜の火も止められています。


休日を満喫する鬼さん(マッサージなう)

 そして鬼さんたちは、マッサージを受けたり、寝転がったり、煙草吸ったり、餅(饅頭?)を食ったり、一杯ひっかけたり、あやとりのようなもので遊んでいたりと、優しい表情でつかの間の休日をエンジョイしている様子です。


一杯ひっかけてる鬼さん

 なお、地獄がお休みの日は今でいう1月16日と8月16日(藪入り)で、延命寺で掛け軸を公開している日が8月16日となっているのはこの日に合わせているためだそうです。(へぇ~)


撤収モードの鬼さん

 そして百箇日にもなると地獄の仕事もほぼ終わりとなり、撤収モードになって地獄セットの片付けに入っています。鬼さんたちも心なしか仕事が終わって嬉しそうです。こうしてみると、鬼たちもなんだかんだいってうちらと変わらない社会人なんだな~と思いました(誤)。

 それはさておき、今回の延命寺の掛け軸の実物は間近で見ると迫力のあるものでした。また、帰りは県道88号(下道)を通ってのんびりと横浜まで戻ったのですが、ツーリングとしても気持ちよいところでした。機会があれば是非、また延命寺に行ってみたいと思います。


3. 働く鬼さん続き (2014/08/17追記)

 2014/08/16に2回目の訪問をしてきたのですが、今回は鬼さんを中心に掛け軸を見直してきました。
 そうしたところ、地獄絵ながらコミカルな面白いシーンがまだまだあったので、ちょっと追記したいと思います。(写真は上と同じく「絵で見る地獄と極楽」の中の画像をデジカメで撮ったものをトリミングしたものです)


誘導員として働く鬼さん

 コミケのスタッフ並にてきぱきと誘導しているようです。



鬼:梨汁ぶしゃー  人間:うへぇ~

 ふなっしーが誕生する200年以上前から、千葉県ではこのような行為が行われているようです(誤)。



逆に人間に襲われる鬼さん

 スタッフの仕事も楽ではありません。



スイカ売りの鬼さん

 手ぬぐいを頭に巻いた鬼さんが売り子をしています。きっちりお金を取った上で、金太郎スタイルの人間の子供にスライスしたスイカを渡しています。



 相撲見学中の鬼さん

 写真には出ていませんが、土俵で相撲をとっているのも鬼さんです。



サイコロ博打なう

 鬼さん達が熱中しています。あまりにも俗物っぽくて笑えました。


 こわーい地獄絵がベースながらも、結構コミカルで江戸時代の文化・風俗が伝わってくるここの掛け軸は本当に面白いです。
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