【最終改版日:2011/2/26】
以前、Cisco Catalystシリーズのバックアップ方法のエントリで、vlan.dat等の
バックアップ方法等を紹介しましたが、今回は実際に工場出荷状態のCatalystから
設定を元に戻す手順例を紹介します。
※ 本エントリの内容は、下手するとCatalystが起動できなくなる重大な
トラブルが発生する可能性があります。記載内容の保証はしませんし、
責任も持てませんので、あくまで参考情報レベルとして見てください。
やるんだったら自己責任で!
1. 全体的な手順・用意するもの
全体的な流れ
1. Catalystに一時用のIPアドレスを付与する
2. TFTPで作業用PCから必要なデータを取り込む
3. IOSのバージョンアップorダウン(必要に応じて)
4. startup-config と vlan.datを戻して再起動
事前に準備するもの
1. TeraTERMとTFTPサーバ(3CDaemon)の入った作業用PC
2. 作業用PCとCatalystを繋ぐLANケーブル+Cisco用シリアルケーブル
3. 事前にバックアップを取ったconfigとvlan.dat (とIOSのデータ)
4. 新しいCatalyst。追加モジュール類は予め搭載しておく
作業用PCで予め設定すること
1. 事前にバックアップしておいたconfigデータ と vlan.dat (と必要に応じて
IOSのデータ)のファイルを、TFTPサーバのドキュメントルートとなる
フォルダ(例: c:¥tftp等)に予めコピーしておく。
2. 端末に仮設定用のIPアドレスを付与する。(例:192.168.1.1/24)
3. TeraTERMでCatalystにシリアル経由でログインする。
4. Catalystと作業用PCをLANケーブルで繋ぐ。とりあえず1番ポートでOK。
2. Catalystの操作手順 (Catalyst3750Gの場合)
必要なIOS(とライセンス)はすでに入れられているものとして、
startup-configとvlan.datをTFTPで戻す手順を記載します。
1. シリアルログインして「Switch>」プロンプトを確認
2. enableでスーパーユーザへ(パスワード不要)。
「Switch#」プロンプトに変わる。
3. show version で現在立ち上がっているIOSのバージョンを確認
4. show running-config でデフォルトのコンフィグを確認。
この際、デフォルトVLANにIPが振られていないことを確認する。
5. config terminal で編集モードへ。「Switch(config)#」プロンプトに変更。
6. interface vlan1 でvlan1(デフォルトVLAN)の設定モードに入る。
「Switch(config-if)#」プロンプトに変更。
7. デフォルトVLANにアドレスを付与する。192.168.1.2/24で付与したい場合は、
「ip address 192.168.1.2 255.255.255.0」と入力。
8. 一応 no shutdown でデフォルトVLANを明示的に有効化しておく。
9. end で編集モードから抜ける。
10. この時点ですでにIPアドレスは生きているので、端末(TFTPサーバ)と
Catalyst間でpingが届くかどうか確認する。
enableからデフォルトVLANにIPアドレスを振るまでの実行例
11. startup-config と vlan.dat の保存場所を確認する。
Catalyst3000シリーズであれば、どちらも flash:/ 直下にある
config.text と vlan.dat になる。
【補足:vlan.datとstartup-configの場所について(多分)】
<vlan.dat>
Catalyst6000シリーズ = const_nvram:/vlan.dat
Catalyst4000シリーズ = cat4000_flash:/vlan.dat
Catalyst3000シリーズ = flash:/vlan.dat
Catalyst2000シリーズ = flash:/vlan.dat
<startup-config>
Catalyst6000シリーズ = nvram:/startup-config
Catalyst4000シリーズ = nvram:/startup-config
Catalyst3000シリーズ = flash:/config.text
Catalyst2000シリーズ = flash:/config.text
12. TFTPサーバからコンフィグとvlan.datを取り込んで、
flash上のファイルをそのまま上書きしてしまう。
copy tftp://[TFTPサーバのIP]/保存config [装置のstartup-configの場所]
copy tftp://[TFTPサーバのIP]/vlan.dat [装置のvlan.datの場所]
※ 下記の例では、端末(TFTPサーバ)のIPアドレスは192.168.1.1、
事前にバックアップしたコンフィグファイル名は「cat3750-conf」、
cat3750-confとvlan.datは、どちらもTFTPサーバのドキュメント
ルート直下に存在するものと仮定します。
【実行コマンド例】
copy tftp://192.168.1.1/cat3750-conf flash:config.text
copy tftp://192.168.1.1/vlan.dat flash:vlan.dat
この際「上書きしてええか?」という確認がされるが、そのまま実行。
13. reloadで再起動をかける。
この際「Saveするか?」と聞かれるが、noで回答すること。
問題がなければ、再起動後より設定済みのコンフィグで起動します。
これ以降の操作は、(元configでパスワードが設定されていれば)、
当然ながらパスワード入力が必要になります。
おまけ. IOSを変更する方法
上記での説明は省略しましたが、IOSを更新する場合は次のような手順に
なります。
(1) TFTPを使ってIOSのファイルをflashにコピー
(2) conf t で編集モードへ
(3) boot system flash:[IOSのファイル名] で次回起動するIOSを変更
(4) endで抜ける
(5) show boot で次回起動するIOSの情報を確認する
(6) reload
(7) 再起動後、show version でIOSのバージョンを確認
詳細はきちんとしたドキュメントを参照すること。
参考技術情報(Cisco社):
コマンドライン インターフェイスを使用した Catalyst 3550 シリーズ
スイッチでのソフトウェア イメージのアップグレード
以前、Cisco Catalystシリーズのバックアップ方法のエントリで、vlan.dat等の
バックアップ方法等を紹介しましたが、今回は実際に工場出荷状態のCatalystから
設定を元に戻す手順例を紹介します。
※ 本エントリの内容は、下手するとCatalystが起動できなくなる重大な
トラブルが発生する可能性があります。記載内容の保証はしませんし、
責任も持てませんので、あくまで参考情報レベルとして見てください。
やるんだったら自己責任で!
1. 全体的な手順・用意するもの
全体的な流れ
1. Catalystに一時用のIPアドレスを付与する
2. TFTPで作業用PCから必要なデータを取り込む
3. IOSのバージョンアップorダウン(必要に応じて)
4. startup-config と vlan.datを戻して再起動
事前に準備するもの
1. TeraTERMとTFTPサーバ(3CDaemon)の入った作業用PC
2. 作業用PCとCatalystを繋ぐLANケーブル+Cisco用シリアルケーブル
3. 事前にバックアップを取ったconfigとvlan.dat (とIOSのデータ)
4. 新しいCatalyst。追加モジュール類は予め搭載しておく
作業用PCで予め設定すること
1. 事前にバックアップしておいたconfigデータ と vlan.dat (と必要に応じて
IOSのデータ)のファイルを、TFTPサーバのドキュメントルートとなる
フォルダ(例: c:¥tftp等)に予めコピーしておく。
2. 端末に仮設定用のIPアドレスを付与する。(例:192.168.1.1/24)
3. TeraTERMでCatalystにシリアル経由でログインする。
4. Catalystと作業用PCをLANケーブルで繋ぐ。とりあえず1番ポートでOK。
2. Catalystの操作手順 (Catalyst3750Gの場合)
必要なIOS(とライセンス)はすでに入れられているものとして、
startup-configとvlan.datをTFTPで戻す手順を記載します。
1. シリアルログインして「Switch>」プロンプトを確認
2. enableでスーパーユーザへ(パスワード不要)。
「Switch#」プロンプトに変わる。
3. show version で現在立ち上がっているIOSのバージョンを確認
4. show running-config でデフォルトのコンフィグを確認。
この際、デフォルトVLANにIPが振られていないことを確認する。
interface Vlan1 no ip address ! |
---|
5. config terminal で編集モードへ。「Switch(config)#」プロンプトに変更。
6. interface vlan1 でvlan1(デフォルトVLAN)の設定モードに入る。
「Switch(config-if)#」プロンプトに変更。
7. デフォルトVLANにアドレスを付与する。192.168.1.2/24で付与したい場合は、
「ip address 192.168.1.2 255.255.255.0」と入力。
8. 一応 no shutdown でデフォルトVLANを明示的に有効化しておく。
9. end で編集モードから抜ける。
10. この時点ですでにIPアドレスは生きているので、端末(TFTPサーバ)と
Catalyst間でpingが届くかどうか確認する。
enableからデフォルトVLANにIPアドレスを振るまでの実行例
Switch>en Switch# Switch#conf t Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. Switch(config)# Switch(config)#interface vlan1 Switch(config-if)#ip address 192.168.1.1 255.255.255.0 Switch(config-if)#no shutdown Switch(config-if)#end Switch# 00:25:44: %SYS-5-CONFIG_I: Configured from console by console Switch# |
---|
11. startup-config と vlan.dat の保存場所を確認する。
Catalyst3000シリーズであれば、どちらも flash:/ 直下にある
config.text と vlan.dat になる。
Switch#show flash Directory of flash:/ 2 drwx 192 Mar 1 1993 00:08:49 +00:00 c3750-ipservices-mz.122-35.SE5 506 -rwx 108 Mar 1 1993 00:08:49 +00:00 info 507 -rwx 1426 Mar 1 1993 00:35:11 +00:00 config.text ←これ 508 -rwx 5 Mar 1 1993 00:35:11 +00:00 private-config.text 509 -rwx 616 Mar 1 1993 00:18:34 +00:00 vlan.dat ←これ 15998976 bytes total (5487616 bytes free) Switch# |
---|
【補足:vlan.datとstartup-configの場所について(多分)】
<vlan.dat>
Catalyst6000シリーズ = const_nvram:/vlan.dat
Catalyst4000シリーズ = cat4000_flash:/vlan.dat
Catalyst3000シリーズ = flash:/vlan.dat
Catalyst2000シリーズ = flash:/vlan.dat
<startup-config>
Catalyst6000シリーズ = nvram:/startup-config
Catalyst4000シリーズ = nvram:/startup-config
Catalyst3000シリーズ = flash:/config.text
Catalyst2000シリーズ = flash:/config.text
12. TFTPサーバからコンフィグとvlan.datを取り込んで、
flash上のファイルをそのまま上書きしてしまう。
copy tftp://[TFTPサーバのIP]/保存config [装置のstartup-configの場所]
copy tftp://[TFTPサーバのIP]/vlan.dat [装置のvlan.datの場所]
※ 下記の例では、端末(TFTPサーバ)のIPアドレスは192.168.1.1、
事前にバックアップしたコンフィグファイル名は「cat3750-conf」、
cat3750-confとvlan.datは、どちらもTFTPサーバのドキュメント
ルート直下に存在するものと仮定します。
【実行コマンド例】
copy tftp://192.168.1.1/cat3750-conf flash:config.text
copy tftp://192.168.1.1/vlan.dat flash:vlan.dat
この際「上書きしてええか?」という確認がされるが、そのまま実行。
Switch#copy tftp://192.168.1.1/cat3750-conf flash:config.text Destination filename [config.text]? ←そのままEnter %Warning:There is a file already existing with this name Do you want to over write? [confirm] ←そのままEnter Accessing tftp://192.168.1.1/cat3750-confg... Loading cat3750-confg from 192.168.1.1 (via Vlan1): !! [OK - 5343 bytes] 5343 bytes copied in 0.126 secs (42405 bytes/sec) Switch# Switch#copy tftp://192.168.1.1/vlan.dat flash:vlan.dat Destination filename [vlan.dat]? ←そのままEnter %Warning:There is a file already existing with this name Do you want to over write? [confirm] ←そのままEnter Accessing tftp://192.168.1.1/vlan.dat... Loading vlan.dat from 192.168.1.1 (via Vlan1): ! [OK - 676 bytes] 676 bytes copied in 0.059 secs (11458 bytes/sec) Switch# |
---|
13. reloadで再起動をかける。
この際「Saveするか?」と聞かれるが、noで回答すること。
Switch#reload System configuration has been modified. Save? [yes/no]: no Proceed with reload? [confirm] ←そのままEnter : 以下再起動プロセス |
---|
問題がなければ、再起動後より設定済みのコンフィグで起動します。
これ以降の操作は、(元configでパスワードが設定されていれば)、
当然ながらパスワード入力が必要になります。
おまけ. IOSを変更する方法
上記での説明は省略しましたが、IOSを更新する場合は次のような手順に
なります。
(1) TFTPを使ってIOSのファイルをflashにコピー
(2) conf t で編集モードへ
(3) boot system flash:[IOSのファイル名] で次回起動するIOSを変更
(4) endで抜ける
(5) show boot で次回起動するIOSの情報を確認する
(6) reload
(7) 再起動後、show version でIOSのバージョンを確認
詳細はきちんとしたドキュメントを参照すること。
参考技術情報(Cisco社):
コマンドライン インターフェイスを使用した Catalyst 3550 シリーズ
スイッチでのソフトウェア イメージのアップグレード
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