#photobybozzo

沖縄→東京→竹野と流転する、bozzoの日々。

花木豪との再会

2007-10-03 | Photo-diary
花木豪。
芸名みたいな名前だが、本名だ。

沖縄のデザイン事務所で7年前、出会った。

実を言うと
沖縄に来て初めて制作したTVCMで
彼とは出会っていた。

それは、アルバイト情報誌のTVCMだった。

その会社の新人社員だった彼は、
社長推薦で出演を任された。

出演内容は…夜間工事のガードマン。

おそらく当時、彼は20歳を過ぎたばかり。
黄色いヘルメットに上下のつなぎを着て、
それなりにサマになっていた。
その時から「変わった奴だなあ」と思っていた。

そんな彼が、
取引していたデザイン事務所に、
ひょっこりやってきた。
…不思議な縁だと、笑ってしまった。

あれから7年。

彼は東京神宮前のデザイン事務所で
日々奮闘している。
体格も立派になったが、
人間としても立派になった。
出てくる話がおもしろかった。
考えていることが、まともだった。

山之口貘じゃないが、
こんな縁も、沖縄ならでは…と
こころが温かくなる。

今日も女性下着のカタログ制作で
夜もない生活を送っているのだろう。

がんばれ、花木豪。

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告別式/山之口貘

2007-10-03 | MUSIC
金ばかりを借りて
歩き廻っているうちに
ボクはある日
死んでしまったのだ
奴もとうとう死んでしまったのかと
人々はそう言いながら
煙を立てに来て
次々に合掌してはボクの前を立ち去った
こうしてあの世に来てみると
そこにはボクの長男がいて
むくれた顔して待っているのだ
なにをそんなにむっとしているのだときくと
お盆になっても家からの
ごちそうがなかったとすねているのだ
ボクはボクのこの長男の
頭をなでてやったのだが
仏になったものまでも
金のかかることを欲しがるのかとおもうと
地球の上で生きるのと同じみたいで
あの世も
  この世もないみたいなのだ


     ●


この達観!
真実ってなんだろう…と訝しんでしまう。
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生活の柄/山之口貘

2007-10-03 | MUSIC
歩き疲れては
夜空と陸との隙間にもぐり込んで寝たのです
草に埋もれては寝たのです
ところ構わず寝たのです

歩き 疲れては
草に埋もれて寝たのです
歩き疲れ 寝たのですが
眠れないのです

近ごろは眠れない
陸を敷いては眠れない
夜空の下では眠れない
揺り起こされては眠れない
歩き 疲れては
草に埋もれて 寝たのです
歩き疲れ 寝たのですが
眠れないのです

そんなボクの生活の柄が
夏向きなのでしょうか?

寝たかとおもうと
またも冷気にからかわれて
秋は 秋は
浮浪者のままでは眠れない
秋は 秋からは
浮浪者のままでは眠れない

歩き疲れては
夜空と陸の隙間にもぐり込んで
草に埋もれて寝たのです
ところ構わず寝たのです

    ●

大工哲弘がろうろうと歌う
この「生活の柄」を聴いて

この歌を聴きながら…なら、ボクは死ねる…と思った。

まさにこの曲は、すべてをリリースしてくれる
鎮魂歌…だと、心底思った。

山之口貘。

こんな詩人が沖縄から出生していたことに
ボクは今、ものすごく感動している。

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石/山之口貘

2007-10-03 | MUSIC
季節季節が素通りする
来るかもとおもって見ていると
来るかのようにみせかけながら

僕がいるかわりにというように
街角には誰もいない

徒労にまみれて坐っていると
これでも生きているのかとおもうんだが
季節季節が素通りする
まるで生き過ぎるんだというかのように

いつみてもここにいるのは僕なのか
着ている現実
見返れば
僕はあの頃から浮浪人

    ●

徒労にまみれて坐っている…
まさに今のボクはその状態。

いつみてもここにいるのはボクなのか…
見返ればボクはあの頃から浮浪人

いつまでたってもモラトリアム。

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