#photobybozzo

沖縄→東京→竹野と流転する、bozzoの日々。

【今野英明】ぼくにできること

2009-02-28 | TAIWAN
ぼくにできること まだなにかあるかな
すべては終わってしまった そんな気がする夜

これからどうすれば どこへ行けばいいんだろう
君が恋しいよ 月さえ見えない夜

君は笑ってくれた いまにきっとうまくゆく
君は笑ってくれたよ いまにうまくいくからって

あと一歩 あと一歩だけ 前に足を出すんだよ
あと一歩 あと一歩だけ 夜はもう明けるころ

君を幸せにするものは いったいなんだろう
君を幸せにするものは いったいどこにある

ぼくはひとりでも 歩いていかなくちゃ
もうじき夜が明ける 今日は今日だけの今日

あと一歩 あと一歩だけ 前に足を出すんだよ
あと一歩 あと一歩だけ 夜はもう明けるころ

      ●

今ちゃんの新譜。
去年の11月に出た。

今野英明official web

最近はcanon EOSのTVCMにまで出演してるみたいだけど、

 歌心がセンター位置にぐっさりあるアーティストは強いのだ。
 ひさびさにがっつりバンドサウンドに乗って歌う全10曲。
 日本のポップス史のマイルストーンとなる傑作だ!

と謳われているとおり、彼の歌心はストレートで骨太で
すうっと心に入ってくる。

41才になって、バカボンのパパと同じになっても
彼のスタンスはブレることなく、まっすぐだ。

そんなSteadyな姿勢って、
やっぱワンドロップのReggaeに通じるところあるよね。

 しつこくマイペース。

ボクも見倣って、しつこく四角いフレームにこだわって
マイペースな距離感で、世界と対峙できたらって思う。

でも今回のアルバムで今ちゃんは
「拉致問題」を題材にした歌も歌ってる。

世界と付かず離れずじゃなくて、コミットすることも大事。
それがまた、イイ曲だから、是非聞いてみて。

      ●

写真は台湾の八里(パーリ)という北部の港町で。
週末の土曜日ってこともあって、
川岸の散歩道には、たくさんの人たち。

そんな中でカラオケ(台湾ではKTVっていうんだ)セットを持ち込んで
ひとり気持ちよく台湾調の演歌を歌っている。
当然、まわりも巻き込まれてしまう大音量なんだけど。

のどかな週末の光景。
⇒でも、背広着ちゃうところが、見られる気バリバリなんだな。







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【三島由紀夫】天人五衰

2009-02-24 | TAIWAN
急ぐには当たらない!
本多の軌道がどこへ本多を導くのか、
彼自身知らないのであるから、
急いだとて何になろう、
と決して死を急いだことのない男は考えた。

ベナレスで本多が見たものは、
いわば宇宙の元素としての人間の不滅であった。
来世は、時間の彼方に揺曳するものでもなく、
空間の彼方に燦然と存在するものでもなかった。

死んで四大に還って、
集合的な存在に一旦融解するとすれば、
輪廻転生を繰り返す場所も、
この世のここでなければならぬ法はなかった。

清顕や勲やジン・ジャンが相次いで
本多の身辺に顕れたのは、
偶然というもおろかな偶然だったのであろう。

もし本多の中の一個の元素が、
宇宙の果ての一個の元素と等質のものであったとしたら、
一旦個性を失ったのちは、わざわざ空間と時間をくぐって
交換の手続きを踏むにも及ばない。

それはここにあるのと、かしこにあるのと、
全く同じことを意味するからである。

来世の本多は、
宇宙の別の極にある本多であっても、
なんら妨げがない。

糸を切って一旦卓上に散らばった夥しい多彩なビーズを、
又別の順序で糸につなぐときに、
もし卓の下へ落ちたビーズがない限り、
卓上のビーズは不変であり、
それこそは不滅の唯一の定義だった。

                (1970年11月「天人五衰」三島由紀夫著)


       ●

生命という名の動的な平衡は、
それ自体、いずれの瞬間でも危ういまでのバランスをとりつつ、
同時に時間軸の上を一方向にたどりながら折りたたまれている。
それが動的な平衡の謂いである。
それは決して逆戻りできない営みであり、同時に
どの瞬間でもすでに完成された仕組みなのである。

                (2007年5月「生物と無生物のあいだ」福岡伸一著)


これを読んだ時、ボクは三島由紀夫の「天人五衰」を思い出した。

DNAの二重らせん構造が発表されたのが1953年だから、
三島由紀夫もDNAの存在は承知していただろう。

生命体を元素の集合体とみなし、
その崩壊と再構築を「卓上のビーズ」にたとえた。

そして、その崩壊(死)と再構築(生)は
時間と場所を問わない不滅の定義へと導いた。

ボクはこの一節を読んだとき、戦慄をおぼえた。

あらゆる生命体(宇宙も含めた)が崩壊と再構築を繰り返し、
絶えず入れ替わっている状態。
大きなうねりのただ中に、自分は今、仮りに存在しているのだ…と
認識することの安堵と絶望のアンビバレントな感慨は、
ボクを漆黒の宇宙へ放擲した。

そして、その認識が
あながち間違っていなかったことを
この「動的平衡」は語っている。

ボクはふたたび、大きな戦慄を感じた。

ボクを形成するあらゆる細胞は、
DNAレベルで崩壊と再構築を繰り返し、
常に新たな構成要素で一方向に営まれている。

ツメや髪の毛が絶えず伸びるように、
体内のあらゆる細胞は死と再生を繰り返し、
「ボク」という生命体を「維持」している。

それはあたかも巨大な都市が
人間の意識を超えて、地下へ天空へと増殖を繰り返し、
絶えずエネルギーを放出している様に似ている。

うごめいている。
ダイナミックにうごめき、
崩壊しながら、その存在を保とうとしている。

「もののけ姫」のシシガミ様が
よろめきながらも自身のこうべを求めて
彷徨うような、危うい均衡状態。

あらゆる生命体が、
数珠繋ぎのビーズのように
連綿と連なっていること

それは地球の外の、太陽系のさらに外の、
銀河系のさらにさらに外まで、つながっているのではないか。

そして、そこにはまた
巨大な生命体が明滅を繰り返しているのではないか。
そんな入れ子構造のだまし絵のような円環が
「世界」そのものではないか。

そんな気がして、ならないのだ。




「生物と無生物のあいだ」
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【TOKU】Home To You

2009-02-23 | JAMAICA
How the moon's enchanting
やさしい つかの間のひとときを
Light illuminates
月の魅惑的な
A tender,fleeting moment
光が照らすさま
Once upon a time...
ずっとむかし…
When you and I together
君とボクがふたりで
Climbed a rainbow to forever
永遠への虹をのぼったときのことだった

And how I still remember
そしてボクは 今でもよくおぼえている
The smile upon your lips
君のくちびるに浮かぶ笑みを
So pure and so inviting
その純粋で 惹かれてしまうさまは
Full of promises of dreams that only dreamers
おろかな夢見る者たちだけが
Fool enough would ever dare
見るような夢の確信に満ちて…

Like two innocent children we dared to dive
無邪気な子供たちのように ボクたちは大胆に
Into the blue of love's embrace
蒼い愛の包容に 飛び込んでいった
How little were we to know
小さすぎて 知らなかったよ
The same dream holding us close
ボクたちを結びつける まさにその夢が
Would someday tear us apart
いつかはボクたちを 引き裂いてしまうとは…

And so the story goes...
そして物語は続き…
Like Romeo and Juliet
ロミオとジュリエットのような物語になってしまったけど
But with a different ending
結末は違う
A brand-new beginning
それは まったく新しいことの始まり
May the star's guiding light take me home
星たちのまたたきに導かれて 帰れますように
To where my heart belongs
ボクの心が宿るところへ
May the star's guiding light take me home to you
星たちのまたたきに導かれて 君のところへ帰れますように

Playful as the dolphins
イルカのように戯れながら
We tried to catch the sparkles
ボクたちは 水面に浮かぶ
Floating on the water
輝きを捉えようとした
Like so many stars...
数々の星のような…
The summer breeze the scattered
ボクたちが笑ったり 驚きの声を上げたりしている間
As we laughed and cried in wonder
夏の風は ところどころに吹いていた

And do you still remember
そして 君は 今でも憶えているかい
The secret vow we made
ボクたちがした 秘密の誓いを
Upon a bed of roses
バラのベッドの上
In our paradise....
ボクたちの楽園で…
The night was sweet and gentle
あのとき 夜はやさしく穏やかに
Dancing to eternity
永遠に踊り続けていた…

      ●

湿った空気の中を
湿った心で北上したら
歌が胸に沁みた。

今年に入ってから、
トランペットを
吹いていないことに気づいた。

TOKU official HP
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【March】東京へ!

2009-02-20 | JAMAICA
40歳を迎える3月半ばに
東京を巡ることになった。

作品を詰め込んだ
ポートフォリオを抱え、
写真重視の雑誌編集部へ。

すでにアポ獲得済み。

あらためて
それらの雑誌に目を通す。

写真のクオリティに圧倒される。
自分の写真と比較し
贔屓目に見ても力不足を実感する。

「ピント来てないね」
「雰囲気で処理しようとしてない?」
「来るとこ間違えてない?」

様々なセリフが
アタマの中でぐるぐる…と
浮かび上がっては消え、
浮かび上がっては消え、を繰り返す。

あと2週間、
身の引き締まる思いだ。

過去の写真を
片っ端しから見直し、
レベルアップを図るか、
新規に撮影し、
新たな境地を見出だすか。

とにかく一度のチャンスを
シカと獲得したい。
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【KINGSTON】STINGの夜 その6

2009-02-16 | JAMAICA
すっかりblog更新から
ご無沙汰してしまった。

その間に台湾へ行ってきた。
城直樹さんとのステキな時間もあった。

inputばかりじゃない。
しっかり写真も収めた。
これから徐々にoutputしていきたい。

      ●

STINGで失ったカメラは
ナイト彩子さんのご尽力のおかげで
1月の半ばに無事手元に戻ってきた。

コトの経緯は
口伝てに聞いているので
その真意はわからないが、

彩さんの知り合いが地元のギャングに通じていて
⇒ジャマイカでは土地土地を牛耳るギャングがいる。

  キングストンの一部や、他の都市のいくつかのスラム街は、
  「ドン」と呼ばれるギャングのリーダーが支配している。
  彼らギャングは、政党の指導者とのつながりから力を持つようになり、
  さらに1980年代と1990年代には、南米から北米、ヨーロッパに輸出される
  コカインの積み替え、ジャマイカ産のマリファナの輸出を行うことで力をつけた。
  多くのギャングが、国の一機関と、そして、コカインとマリファナの流れを
  当然ながら減少させたがっているアメリカ合衆国政府からの保護を得るために、
  現在でも政党とのつながりを維持し続けている。
                  (Wikipediaー「ジャマイカの政治」抜粋)

どのような流れでどうなっているのか
ジャマイカに住んでいる人間にしかわからないが、
そのギャングの「ドン」が警察側にアプローチをかけ、
「日本人ツーリストのカメラ」を取り戻してくれたらしい。

まったくもって奇蹟と言っていい所業だ。

…ギャングが警察からツーリストのカメラを取り戻す?

力関係が日本人の常識を逸している。
いやいや、常識ってなんだ?
そんな凝り固まった視点では世界を受け止めることはできない。

フィリピンの刑務所では
囚人が看守にタバコ代を払ったりしているのだ。
正義も悪もあったもんじゃない。

まさに【Bob Marley】Rat Raceな世の中だ。
サバイバルな機転の良さと
絶対的な身体能力が必要だ。

それが本来の人間の姿なのかもしれない。


Comments (4)
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【城直樹】fantasista!

2009-02-06 | JAMAICA
城直樹が、2年ぶりに来沖中だ。
[youtube]naoki-jo-fantasista!

2年前のブログでは、城直樹の音楽世界を書いた。
深海 by 城直樹
Perfect World by 城直樹

この2年間で、カラダもココロも演奏も、
一回りも二回りも大きくなって、
また独特なスタンスで【Perfect World】を奏でてくれることだろう。

      ●

■2009年2月6日(金)沖縄MOD'S

開場 19:00 開演20:00~
料金 前売り¥1,000-当日¥1,300
会場 沖縄県中頭郡北谷町美浜9-12(アメリカンデポ)
出演 城直樹 梅田潤 他数組 
予約 098-936-5708(MOD'S)
   mail@naoki-jo.com

■2009年2月12日(木)沖縄LIVE BAR MUSIC SPACE WING

開場 20:00 開演21:00~ 
料金 前売¥1,500(+1ドリンクオーダー)当日¥1,800(+1ドリンクオーダー)
会場 那覇市久米1-1-21-6F
出演 城直樹
予約 098-861-2855 (WING)
   mail@naoki-jo.com

      ●

最近は台湾のギターメーカー「naga guitars」の
デモプレーヤーとして、フランクフルトや上海・北京などに赴く仕事もしているようだ。

Shanghai Music Messe Report by Naoki Jo

何しろ、彼の経歴がおもしろい。

 千葉大学工学部デザイン工学科卒業。
 
 九州芸術工科大学大学院(現、九州大学)入学。
 楽器音響学を専攻。
 特にアコースティックギターの音色の
 物理的要素と心理的評価の関係について研究を開始する。

音に対して、ものすごくアカデミックでかつ真剣なのだ。
そんな繊細な耳の持ち主だからこそ、
あのような大胆なプレイも際立つのだと思う。

海外にもギター1本で路上ライヴ!…が当たり前だからか、
日本の演奏環境にもイチモツ持っていて、
2006年からは「openmic」といって
無料で飛び入りプレイができる環境を福岡でスタートさせている。

フリーペーパーも年4回発行していて
自らデザイン・撮影・編集を行っている…というから、驚きだ。

何事にも情熱的な「城直樹」のステージを、是非とも観てほしい!


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【風の旅人】編集長の言葉に思うこと

2009-02-03 | JAMAICA
「風の旅人」が届いた。

編集長の言葉には毎回、ハッとさせられている。
今回の「時と転」の巻末の言葉には2度ハッとさせられた。

まず、「風の旅人」がこの不景気風の折で、
3ヶ月に一度の発行から4ヵ月に一度となってしまうこと。

そして、マスコミの付和雷同な状況を
ロールシャッハテストの「顔」と「壺」に置き換え
わかりやすく説明されていること。

今回、ジャマイカに行って思ったことも
まさしく、そんな視点の転化だった。

      ●

STINGの一件で
「POLICE」が「GANG」になったことでもわかるように
ジャマイカの治安は日本国家から比較すると
相当な状況だということは、わかってもらえるだろう。

ボク自身、ひとりでトレンチタウンを歩く勇気もなく、
ほとんどの時間をホテルで過ごした日本人でしかないのだが、

街中のジャマイカ人を撮影して感じたのは
とても単純なことだった。

「人間の幸せって、すごくシンプルなことなんだ」

日々の生活が劣悪で、治安状況が最悪でも、
ジャマイカにはBob Marleyが居て、Reggaeがあって、
STINGのDJ合戦で熱狂的になれて、Jark Chickinは死ぬほど旨くて、
巷には笑顔が絶えることもなく、子供たちも素直だ。

生活がシンプルだから、喜びもシンプルだ…と
言ってしまえば、それまで。

ボクはジャマイカの生活に幸福感を感じた。

かつての沖縄に近いものがあった。

       ●

情報過多な現代社会。

中国のように情報操作されて
時給7円で休みなしな生活を余儀なくされてる17歳も考え物だけど、
「女工哀歌」

大好きな音楽と豊かな自然と気の置けない仲間たちが居れば、
けっこう毎日、豊かに過ごせるんじゃないか。

それって、ちょっと視点を変えれば済むことなんじゃないの?…と。

広告代理店からカメラマンへと転身と遂げたボクにしてみれば
普段のレールをはずすのくらい、訳ない話だと、言いたいんだけれど。

地球には、実にさまざまな人々が、
自分たちのルールにのっとって、幸せを求め、生活している。

…それも、千差万別なやり方で。

今の生活は、その中のひとつでしかない…ってことを意識するだけでも
生きていくことに、肩の力を抜いて向かえるんじゃないか。

もっと外に目を向けようよ。
もっと世界を知ろうよ。

今の日本を見てると
そんな気持ちが沸々として、たまらない。


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【風の旅人】時と転

2009-02-03 | JAMAICA
「時と転」 雑誌『風の旅人』編集長 佐伯 剛

ロールシャハテストでは、
その時の心理状態や、様々な要因によって、
二人の人間が向き合っているように見えたり、
壺に見えたりします。

どちらにも見える可能性があるのですが、
黒の部分を強く見る意識が強化されると、
そのような見え方しかできなくなり、
他の見え方が、この世に存在しないものになってしまいます。
 
現代の日本社会は、メディアなどを通じて、
物の見方を一方に揃えさせていく圧力がとても強いです。

ロールシャハテストに喩えると、
最初のうち何となく「顔」に見えていたイメージ画において、
この部分が鼻だとか耳だとか、
大きな声で主張したり理由説明を行う人の声を聞いていると、
次第に顔にしか見えなくなっていきます。

説明する人が、世間で立派だと評価されている場合は、なおさらのことです。
立派な人は、自分の評価を確固たるものにするため、
顔だという証拠を周到に集め、自分を支持する人を増やそうともします。

教育もまた、イメージ画を「顔」とみなす権威のお墨付きを前提に、
なぜそれが顔なのかという分析結果を、
できるだけたくさん身につけることが重視されます。
 
なかには、イメージ画が「壺」に見えて、
大勢の人が「顔」だと言っていることに疑問を感じる人もいます。
疑問を感じながら自分の意識世界のなかに閉じこもっていくと、
今度は「壺」にしか見えなくなってきます。

そうした状況のなか、
自分の目え方を否定して周りに合わせて生きていける人もいますが、
自分に正直な人は、様々な軋轢を抱え込むことになるでしょう。

イメージ画が「顔」に見えることもあれば、
「壺」に見えることもある。
いろいろと可能性があるなかで、その都度、
最善の判断をしなければ生きていけないとしたら、
私たちは常に緊張状態でいなければなりません。

あらかじめ「顔」だと決定しておくと、
それに対応する準備ができます。

そして、「顔」である理由を大勢が共有し、
そのことに素直に適応しさえすれば生きていけるようにする。
それが平和時の人間社会であり、
決まり事への適応を上手に行える人ほど社会的に優位になります。

その状態が長く続くと、人間は、イメージ画を「顔」だと定めたのは、
その時の事情にすぎなかったことを忘れてしまいます。
 
現代社会では、物が豊富で、便利で、楽なことが、
一般的に豊かさの基準となり、
その線引きで多くの物事が決められていき、
社会全体として益々その傾向を強めていきます。

しかし、豊かさの基準をはじめ、世界の意味は、
完全に決定できるものではなく、
常に他の可能性に開かれています。

たとえば、物を持たず、
不便ではあるけれど自分の足で歩き、
様々な困難と出会いながら旅したことが、
このうえなく豊かに感じられることもあるのです。

人間は、一つの体験によって、
それまでの認識ががらりと変わることもあります。

ある日突然、自分が拠り所にしていた
「意味」が無意味になる時、
それまでの基準に添って蓄えてきた物を失うことを恐れ、
従来の「意味」に執着し、
力づくでそれを正当化する人もいるでしょうが、

新しい「意味」によって、行き詰まりから脱出できる人もいるでしょう。

「転」というのは、つきつめて言えば、意味が変化することです。
「顔」にしか見えなかったものが、「壺」に見え出すことです。

世界そのものの本質は何も変わらず、
人間は世界を見たいように見て、
解釈したいように解釈し、意味づけています。

 しかしながら、何かをきっかけにして、
自分が拠り所にしていた意味が揺らぎ、視点が変わり、
それまでとまったく違う世界が見えてくることがあります。

そうしたことは、人生のなかでも何度も起こりますし、
人間の歴史のなかでも、何度も繰り返されていることなのでしょう。  

「風の旅人」36号…Find the Root永遠の現在…時と転
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【Bob Marley】Wainting in Vain

2009-02-03 | JAMAICA
I don't wanna wait in vain for your love;
いつまで待てばいいんだ?
I don't wanna wait in vain for your love.
いつまで待てばいいんだ?

From the very first time I blessed my eyes on you, girl,
初めて君に会ったその時
My heart says follow t'rough.
心に決めたんだ
But I know, now, that I'm way down on your line,
知ってるよ いまだにボクはただの人
But the waitin' feel is fine:
でも待つ身も悪くない

So don't treat me like a puppet on a string,
ボクをもてあそぶのはよしてくれ
'Cause I know I have to do my thing.
ボクにもやることはある
Don't talk to me as if you think I'm dumb;
そんな口の利き方 やめてくれ アタマはイカれてないんだ
I wanna know when you're gonna come - soon.
ボクは知りたいだけ いつになったら振り向いてくれるか

I don't wanna wait in vain for your love;
恋のまちぼうけはしたくない
I don't wanna wait in vain for your love;
恋のまちぼうけはしたくない
I don't wanna wait in vain for your love,
恋のまちぼうけはしたくない

'Cause if summer is here,
夏が来ても 
I'm still waiting there;
ボクはまだ待ってるよ
Winter is here,
冬になっても
And I'm still waiting there.
同じ場所で待ってる
---
/Guitar solo/
---
Like I said:
もう一回言うよ
It's been three years since I'm knockin' on your door,
もう3年になるんだ キミの心をノックし始めてから
And I still can knock some more:
でもまだ諦めたくない
Ooh girl, ooh girl, is it feasible?
ああ一体、ボクにチャンスはあるのかい?
I wanna know now, for I to knock some more.
教えてくれ ノックし続けるべきなのか
Ya see, in life I know there's lots of grief,
わかってるよ 人生は辛いことばかり
But your love is my relief:
でもキミの愛されあれば大丈夫

Tears in my eyes burn - tears in my eyes burn
熱い涙が目をこがす 熱い涙が目をこがす
While I'm waiting - while I'm waiting for my turn,
順番が…ボクの順番が来る日まで
See!

I don't wanna wait in vain for your love;
もうこれ以上、キミの愛を待てないよ!


      ●

新宿2丁目にJAH K.S.Kさんが経営するBar「69」があった。

高校の同級生に連れられて、
初めて行ったその場所は
ボクにとってのBob Marleyだった。

あの原体験が、ボクを作った。

黒人の体臭とガンジャ、RedStripe、ジャマイカ。
赤い照明に様々な男女がカラダをくねらす。

12時が過ぎると必ずBob Marleyがかかった。
この「Waiting in Vain」もカラダの記憶として、残っている。

キーボードのイントロとカッティング…

「I don't wanna wait in vain for your love」
   むやみに(in vain)キミの愛を待てない…

後半の「I don't wanna,I don't wanna,I don't wanna…」のあたりで
みんなは大合唱だった。文字通り「ひとつに」なった。

18歳には神秘的な体験だった。

黒人も白人も男も女も若いのも年寄りも、
Bob Marleyで「ひとつに」なった。

心がBobの歌声で満たされた瞬間だった。

だから、この曲を聴くと、
自然とあの地下の空間が思い起こされ、
あの恍惚感がカラダの隅々に沁み渡る。

今回、ジャマイカへ行って
その恍惚感をあらためて
カラダの芯から感じることが出来た。

Jah Rastafariだ。
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