#photobybozzo

沖縄→東京→竹野と流転する、bozzoの日々。

【bozzo】東京で一年

2010-09-30 | CHINA
09月30日。木曜日。
冷え冷えとするグレイッシュな空。雨。
一年前の今日、この家に越してきた。
その日は、晴れ渡る秋空だった。

Bob Marley/One Drop

  感じておくれ、このOne Dropに
  まだ時間はあるんだから 
  終わりにしよう ジェネレーションギャップは
  だから感じておくれ この太鼓の音に
  リズムの中からビートが弾けとぶような
  システムへの抵抗さ

昨日は一日、写真を全紙大に引き伸ばす作業を
東新宿のWork'sというレンタル暗室で行っていた。

写真家の大沼ショージさんオススメの場所。
偶然にも現場で本人にも会った。

初めてレンタルの暗室を使ってみたのだけど、
自宅暗室では経験できない交流があって、楽しめた。

「いまだにこれだけの人が、写真をネガの紙焼きで試みてる」

そんな事実を肌で感じることができたし、
人の行う紙焼き作業を間近で見るなんて学生以来のことで、
どことなく秘所を見せ合うような気恥ずかしさがあったけど、
「こんなに硬く焼くのか…」などと妙に感心したりして、
純粋に写真表現の真髄を実践している高揚感があった。

なにより全自動の引伸機(驚愕)!

当たり前なんだろうけど、
こんなにシステマチックに作業が出来ちゃうのね。
自宅作業のなんとアナログな…と卑小な気持ちになりつつ、
全紙でもこれだけのピントとメリハリで表現できるのか…と、
自身の写真に対する創造意欲まで高まり…、充実の時間。

ああ、やはりボクは写真が好きなのね。

Bob Marley/One Drop

  奴らはこんなに世界を厳しくした
  毎日 俺たちは闘うんだ
  奴らはこんなに世界を辛くした
  毎日 人々が倒れていく
  
  神の教えを授けておくれ
  悪魔のやり口なんかじゃなく 
  だから 感じておくれ このOne Dropに

原点に戻るときは、Reggaeを聴く。
昨日も、紙焼きのあいだ、One Dropを感じていた。

One Dropとは、Reggae独特の2ビートを刻むギターの音。
1拍おいてチャカッ、1拍おいてチャカッ、と
カラダを揺らしたくなるあの後乗りのビートだ。

このOne Dropが収録されている「Survival」は
1979年、Bob34歳の時の作品。

翌年の9月に彼は脳腫瘍で倒れ、
1981年5月11日、36歳の若さで召されるのだけど、
この「Survival」は全曲がFightinngに溢れていて、勇ましい。

その中で唯一、Bobらしい素直さで
音楽主体の詞を歌っているのが、このOne Drop。
だから、聴いていると自然とカラダが揺れる。

それでも感じるのは、
彼が自分の立場を理解し、自らを社会にコミットしようと
声高にFightingしていた…ということ。

為すべきことを、ひたすら為す。Workとは、そういうこと。
必要にされている…ではなく、必要とされる。
その働きかけが素晴らしい…と、いつ聴いても胸が熱くなる。

来週(10/4-9)行われる山田圭一展は、
銀座ギャルリー志門で11時から19時まで(最終日は17時まで)。

ボクの撮った作家「山田圭一」全紙大ポートレイトと、
100×100の大伸ばしにされた写真も展示されるので、ぜひ。




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【DANCER】井田亜彩実

2010-09-27 | ACT!
もうひとりは、井田亜彩実さん。

彼女は「いだくろ」のユニットとして、
何度か舞台上では撮影させてもらっていた。

しかし、今回は昼の光。

舞台上の演出された光の中では
もちろん素晴らしい存在感を発するが、
果たして昼の光では?

いやいや。

ハッとした。

こちらが完全に飲み込まれるほど、
彼女は昼の光の中で、豹変した。

富山で生まれ、自然の中で自由に育ったと…
本人のプロフィールにもあったけど、
カラダが勝手に動き出すほどに、彼女は肉体を研ぎ澄ましている。

9月20日に行われた神楽坂セッションハウス
ダンス花」も素晴らしかった。

女性デュオばかり5組。

その中でトリを務めた彼女のダンスは、
他を圧倒する際立った異彩さがあった。

自然発生的にカラダを動かすからその動きに無駄がないし、
虫けらか何かの生き物のように動きで訴えかけるから、目が離せない。

ひとりの女性としてじゃなく、
四肢を動かす生命体として、目を見張る。

妖艶さ、獰猛さ、狡猾さ、俊敏さ、すべて併せ持つ。

この写真も、そんな彼女の内から出てくる
不可解な言葉にならない動きを、ぱちりと収めた一枚。

見るほどに魅力的な、彼女の存在。

もう少し、追いかけてみようと思う。
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【DANCER】竹森徳芳

2010-09-27 | ACT!
09月26日。日曜日。
もうすでに9月も終わり。
来週からは10月だ。

しとしとと降る秋雨が、
夜長を演出している。

昼間はあんなに晴れていたのに、
なんだか風が冷たく、夏の面影はすでにない。

いきなり家を飛び出して
余韻すら残さないなんて、
“夏女”らしい潔さ。

後ろ髪を引かれる思いだ。

      ●

その夏の思い出じゃないが、
8月の終わり、廃校になった小学校「四谷ひろば」で
男女二人のダンサーを撮影した。

神楽坂セッションハウスのイベントで
惚れ込んだダンサーのふたり。

「ぜひとも昼の光で撮影させて」

…とお願いしてみて、半信半疑のふたりを3時間。
場所を変えては、自由に舞ってもらって、ひたすら撮った。

夏の小学校は冷房も効かず、ただただ暑い。

汗がどんどん滴り、廊下に落ちる。
ダンサーも相当な汗をかいただろう。

この労力に勝る写真を撮らなければ…と躍起になって
被写体の動きにカメラを合わせる。

しかし、しかし。

動きに合わそうとすると、なんだか意味のわからない写真に。

ここはカラダの反応を予知して、
先回りしたフレーミングがベター…と、
心の窓を全開に、相手の動きをすべてキャッチすべく、
無心になる。

最終的には、その思いが通じたような、
なんだか不思議な感覚の写真になった。

竹森徳芳さん

ホントに繊細な動きをするダンサーだ。
見ていて惚れ惚れする。
静かな表情の中に、ダンスへの熱い思いが滾っている。

      ●

彼が主宰する発電NOTEが10月のイベントに参加する。

■劇団劇場~Act In Rule~vol.3

なにやら変わったスタイルの演劇?なのか?

★地獄の対バン式演劇フェス★
6つのルールに縛られた緊張度MAXイベント!!!!!
注目の4劇団が挑む新型エンタメ!
ぶっとばせAct In Rule!!!!

★今回の指令★
 ①制限時間15分
 ②開始5分で照明が薄暗くなる
 ③開始10分で『鐘の音』が鳴る
 ④開始14分で各団体が用意したBGMが鳴る
 ⑤キスシーンを入れる
 ⑥固定台詞「ぜんぶうそ」
 ※以上を遵守すればどんな舞台作品でも可。

●2010年10月24日(日)
 昼の部 OPEN/START 14:00/14:30
 夜の部 OPEN/START 18:00/18:30

●会場 六本木morph-tokyo
 日比谷線「六本木駅」4a/6/3番出口
 大江戸線「六本木駅」7番出口 徒歩1分

●チケット
 前売/2400円(+1D 600円)
 当日/2900円(+1D 600円)
 ★全席オールスタンディングのイベントとなります。
  ご注意ください。再入場可。

なんだか面白そうだ。
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【山田圭一】RUDOLF STEINER and ART 2010

2010-09-24 | works
9月24日。一日雨。どんよりとした空。
“暑さ寒さも彼岸まで”を地で行く寒さ。
短パン王子も、いきなりの寒さに喉を痛める。

今日は一日、紙焼き作業。
恐ろしいくらい久々に手焼きをする。
しかし、何度やっても写真は紙焼きに限る…と実感。
思い通りに上がった時の恍惚の感覚は、
何事にも代え難い。

      ●

6月に青山clementsalonで個展を行った山田圭一が、
今度は銀座のギャルリー志門にて再度個展を行う。

<画廊企画/連続個展>
第2回『天の果実』―新たな共生の芸術をもとめて―
    RUDOLF STEINER and ART 2010
前期:
  9月27日(月)~10月2日(土) 笠原由起子展
  10月4日(月)~10月9日(土) 山田圭一展
  10月11日(月)~10月16日(土) 秋本康子展

後期:
 10月18日(月)~10月23日(土) 佐々順子展
 10月25日(月)~10月30日(土) 田辺修展
 11月1日(月)~11月6日(土) 阿津美知子展

【関連企画】10月2日(土)17:00~19:00

・シンポジウム/小泉晋弥(茨城大学教授、美術評論家)
 笠原由起子(美術家) 山田圭一(造形作家)
 司会進行/西松典宏(元NKH日曜美術館エグゼクティブプロデューサー)
  <テーマ>21世紀の芸術をシュタイナーと考える

・懇親会:10月2日(土)
  ビオディナミ・ワインパーティー19:00~20:30
  ※ビオディナミ=シュタイナーが提唱した農法
  ワイン選定:
     (社)日本ソムリエ協会認定ソムリエール谷田部美子
 ◎要予約

雲南で撮影している間に日が迫ってきていて、
今頃焦って紙焼きをしている次第。

10月3日の搬入時に
ボクの写真も展示しようという企み。

来週月曜日に今一度、山田氏と打ち合わせ。
ギャルリー自体が非常に温和な雰囲気なので、
どのような演出で硬質感を提示できるか…が、課題。

写真も巨大に出力して無造作に貼り付けるぐらいが、
いいかもしれない。

しかし、山田圭一とシュタイナー。
キュレーターは彼のどこにシュタイナー性を認めたのだろう。
無骨なところか。幻惑なところか。霊的なところか。

雲南にいるあいだ、デザイナーのヒラクくんに
シュタイナーの話をいろいろ伺ったばかり。

たしかに「梵我一如」な思想…自身は宇宙と一体であり、
エネルギーは円環している…といった考えは、
「環境に思考は育まれる」指向と合致する。

笠井叡のオイリュトミーもシュタイナーだ。

これまで培ってきたさまざまな思想が
雲南を契機として、ひとつところに収斂していく。
なにかをカタチにできる大きな期待が
自分の中に徐々に高まってきている。

この導きは何を物語っているのだろう。
武者震いがする…といったら、大げさか。
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【bozzo】雲南省で見えたもの

2010-09-21 | CHINA
9月21日。火曜日。
朝からゴミ出しをし、
朝食用にタマネギを千切りし、
いつものアイスコーヒーをドリップする。

10日前と変わらぬ朝の風景。

しかし、ボクの思考は
10日前とは明らかに違っている。

すべてがとても明瞭になった。
そんな気概をもって、今を受け止めている。

      ●

雲南省昆明からはじまった「少数民族を巡る旅」で、
ボクは2つの楽曲を心に留めた。

美輪明宏の「ヨイトマケの唄」と、
U2の「Where the streets have no name」。

ひとつはハニ族の楽曲を聴いて思い出したのと、
ひとつは昆明を離れる際、帰りの機上で耳にしたのと。

まったく性格を異にする二つの楽曲。
でも、その歌詞をひもとくと今回の旅で得たものが
象徴的に導かれるような気がする。

      ●

U2のBONOはエチオピアの難民キャンプでこの楽曲を書いた。

 街は洪水に襲われ、僕等の愛は輝きを失う
 僕等は打ちのめされ、風に吹き飛ばされ
 埃の中で踏みつけられる

厳しい現実の中の、通りに名もないこの土地で、
「愛」を大きく掲げ、自然に対峙する人間を歌っている。

その土地では、自然は人間を脅かす「敵」だ。
自然を凌駕してこそ、人間は生活を営むことができる。
だから人間は自然をシャットアウトする堅牢な家に住んだ。

そこから西洋独特の人間至上主義が生まれた。
「我思う故に我あり」という哲学が中心になった。

愛こそがすべて…とする人間賛歌が、この歌を生んだ。

      ●

ボクらは「少数民族を巡る旅」を始めるにあたって
ある程度の結論を仮定していた。

文明に閉ざされた盆地で、原初な生活を余儀なくされた民族の、
それでも気概をもって生きているたくましさに、
人間の求めるべく「生き様」があるのではないか…と。

それはある意味では、当たっていたし、
ある意味では大きく的を外していた。

旅中携えていた本がある。
佐々木高明著の「照葉樹林文化論とは何か」。

国を違えど、民族を違えど、
「種から胃袋まで」が人間の思考を形成する。
…そのような内容の本である。

現地に降り立ち、ボクらはその理屈を
カラダでもって体得する。

      ●

風が気持ちよかった。
夕方に降りそぐスコールが心地よかった。
この土地は、雄大なる自然と共に生きていた。

つまりは、こういうことだ。

標高2000mの山々に囲まれ、
風・水以外の生活エネルギーに乏しい土地で、
民族は山を畏怖し、山の恩恵の許で生活している。

そのスタイルは決してプリミティブではなく、
2000年以上の歴史の中で培われた、彼らなりの生き方だ。

生活の場に間借りして、ボクらはその思いを強くした。

「ヨイトマケの唄」が、ハニ族の歌から想起されたことは
偶然なんかではなく、必然だとボクらは解釈した。

これが亜細亜だ。これが照葉樹林だ。

自然と対峙するのではなく、取り込むことで「生きる」
その生活環境から生まれる思考がある。

ボクらが目指すべきは、西洋的人間至上主義ではなく、
亜細亜的共生ではなかったか。

自然をシャットアウトするのではなく、
風を取り込み、雨を喜び、山々を祈る思想ではなかったか。

慎み敬う敬虔な態度ではなかったか。

なぜこの土地で「仏教」が生まれ、
彼の地で「キリスト教」が生まれたかを、
今一度立ち返って考えるべきではないか。

      ●

青々と輝く葉、山から溢れる水、
その自然を共有するかのように、棚田が広がる。

畦には大豆が植えられ、
マーケットでは豆腐やもやしが売られている。

“父ちゃんのためならエンヤコラ”

その健気な生き様にこそ、ボクらは立ち戻らなければならない。






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【BONO】Where the Streets Have No Name

2010-09-21 | CHINA
U2 / Where the Streets Have No Name

I wanna run, I want to hide
僕は走りたい、僕は隠れたい
I wanna tear down the walls
僕は壁をぶち壊したい
That hold me inside.
僕を閉じ込めている壁を
I wanna reach out
手を伸ばして
And touch the flame
炎に触れたい
Where the streets have no name.
通りにまだ名前のついてない土地で

I wanna feel sunlight on my face.
僕は太陽の光が顔に降りそそぐのを感じたい
I see the dust-cloud
僕は砂塵の群れを目にする
Disappear without a trace.
跡形もなく消え去ってしまえ
I wanna take shelter
僕はこの身を守りたい
From the poison rain
降り続ける有害な雨から
Where the streets have no name
通りにまだ名前のついてない土地で
Where the streets have no name
通りにまだ名前のついてない土地で
Where the streets have no name.
通りにまだ名前のついてない土地で

We're still building and burning down love
僕達は愛を築き続け、そして強く愛し続けている
Burning down love.
僕達は強く愛し続けている
And when I go there
僕がその場所へ行く時は
I go there with you
君と一緒に行くよ
(It's all I can do).
(それが僕にできるすべてだから)

The city's a flood, and our love turns to rust.
街は洪水に襲われ、僕等の愛は輝きを失う
We're beaten and blown by the wind
僕等は打ちのめされ、風に吹き飛ばされ
Trampled in dust.
埃の中で踏みつけられる
I'll show you a place
僕は君に素敵な場所を教えてあげよう
High on a desert plain
荒れ果てた平原に高くそびえ立つ場所を
Where the streets have no name
そこは通りにまだ名前のついてない土地なんだよ
Where the streets have no name
通りにまだ名前のついてない土地なんだ
Where the streets have no name.
通りにまだ名前のついてない土地なんだ

We're still building and burning down love
僕達は愛を築き続け、そして強く愛し続けている
Burning down love.
僕達は強く愛し続けている
And when I go there
僕がその場所へ行く時は
I go there with you
君と一緒に行くよ
(It's all I can do).
(それが僕にできるすべてだから)
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【bozzo】本日より雲南省元陽

2010-09-08 | Photo-diary
9月8日(水)。
おそらく台風の影響で曇りのち雨。

朝から成田空港へ赴き、
ベトナム航空という聞き慣れないエアラインで
ハノイ経由で「昆明」へ。

昆明は雲南省の省都。
400万人以上が暮らす少数民族たちの街だ。
おそらく。

明日行ってみたら、いろいろ見えてくるとは思うけど。

昆明からさらにベトナム方面へ南下。
棚田で有名な「元陽」へ。

これも仮定であって、
実際に元陽へ行くかどうかはわからないが、
南下することは確か。

ひょんなことで依頼のあった広告企画
その根源にあったのが、イメージとしての少数民族。
じゃあ、「すっぴん族」としてカタチにしちゃおう…と
雲南の写真と合成して提案したのが、そもそもの発端。

漠としたイメージで作り上げた企画であったけれど、
カタチになったらいよいよそのイメージに確証が生まれ、
「これは行かなきゃ始まらないんじゃない?」と
居ても立っても居られなくなった。

デザイナーさんとふたりで強行にプランし、
ついに明日から現地へ飛ぶ。
なんとも、非現実的な話みたいだが、事実。

この2週間、雲南の系譜を読み漁っているのだが、
ついに探り当てたかのような衝撃が「照葉樹林文化論」。

 太古の昔、照葉樹林帯は中央アジアのヒマラヤ山脈麓を起点として
 中国南西部を経て日本に至るまで、ベルト状に分布していた。
 照葉樹林帯の各地周辺では、よく似た食文化、農業、風習、宗教、伝説が
 今に伝えられている。同根の文化圏が時空と場所を越えて発生していた。

 たとえば、ヤムイモやタロイモ、アワ・ヒエ・イネなどのモチ種、
 そしてナットウなど、数多くのネバネバした食品を好む性質、
 茶やシソの栽培、麹から作る酒、養蚕、漆器文化などである。

 これらは元来、照葉樹林帯独自の文化であり、
 これより北にも南にも存在しなかった。
 海路も陸路もおぼつかない太古の昔、民族も国家も違い、
 交流も薄かった筈の地帯に見られる驚くべき共通点―、
 これを「照葉樹林文化」と名付けて体系化し、
 提唱したのが栽培植物学者の中尾佐助氏である。

我が意を得たり_。とはこのこと。

旅立つ前に出会えたことが、非常にうれしい。
あとはこの「照葉樹林文化論」を携えて、現地の文化を探る。
そうすることで、我々の構築した広告意図が、
突拍子もない感覚だけで生まれたものではないこと、
漠としたイメージにアカデミックな後ろ盾が生まれる。

台湾を旅した時、高山族に哀愁にも似た共感を覚えた。
それはなんだったのだろう…と、あのときは思ったけれど、
今にして思えば、同根の文化圏として、郷愁を誘った
…ということになるのかもしれない。

なにはともあれ、現地での感慨がすべて。

フィールドワークに発展するやもしれない、
この少数民族との邂逅を、素直に喜びたい。

では、10日間の留守をよろしく。


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【Bob Dylan】Like a Roiing Stone

2010-09-07 | MUSIC
  きれいに着飾ってたときもあった
  宿無しに銭をくれてやったこともあった そうだね
  みんなはいった お嬢さんそんなことするもんじゃない
  だけど君は相手にしなかったね
  君は高笑いをしながら
  周りのものを笑い飛ばした
  だけど今は違う
  君は誇りを忘れたように
  食べ物の算段をしながら暮らしてる

  どんな気持ちだい
  どんな気持ちだい
  宿無しの境遇は
  誰にも相手にされず
  ライク・ア・ローリング・ストーン

  ちゃんとしたハイスクールを出たんだ そうだね
  でもそこでは何も学ぶことがなかった
  誰も路上生活のこつなど教えてくれなかった
  いまじゃ自分でそのこつをつかまなけりゃ
  君は言ったね 変な男なんかは
  絶対相手にしないって だけど
  男は君に近づいてくる
  君は男のうつろな目を覗き込みながら
  あたしとやりたいのって聞くはめになるんだ

  どんな感じだい
  どんな感じだい
  一人で生きるって
  帰る家もなく
  誰にも相手にされず
  ライク・ア・ローリング・ストーン

  周りを見渡してみろよ 男たちはみな不機嫌な顔だ
  あいつらが君のところに近づいてくるとき
  そんなときにあいつらを足蹴にしてはいけない
  そんなことをしては生きてはいけない
  君はこぎれいな男と馬に乗ったこともあった
  その男は背中にシャムネコをかついでいた
  君にとってはつらいかもしれない
  そんな男とはもう縁がないのだから

  どんな感じだい
  どんな感じだい
  一人で生きるって
  帰る家もなく
  誰にも相手にされず
  ライク・ア・ローリング・ストーン

  塔の上のプリンセスも世間の人々も
  みなそれぞれ満ち足りた暮らしをしてる
  互いにすてきな贈り物を贈りあったり
  でも君にはほかに何もないから 指輪を質屋に入れろよ
  君は仲良くしてたじゃないか
  ぼろをまとったナポレオンというやつと
  あいつのところへ行けよ 呼んでるぞ
  君は何も持ってないから 失うものもない
  君は誰にも見えない 隠すような秘密もない

  どんな感じだい
  どんな感じだい
  一人で生きるって
  帰る家もなく
  誰にも相手にされず
  ライク・ア・ローリング・ストーン

Like a Rolling Stone/Jimi Hendrix
ライクアローリングストーン/和訳
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【ヌルマユ永井】青い空でもアルマーニ

2010-09-04 | ACT!
大人にならなきゃダメなのさ
真綿で首を吊すんだ
ひと山なんぼのプライドだ
小銭で笑顔は売れるんだ

雲がさみしい真夜中よ
町に呑まれた遠吠えよ
汚れた爪の肉片よ
目もあけられず血を流せ

空がこんなに青いのは
そこに何にも無いからだ
空がこんなに青いのは
そこに何にも無いからだ

賢くやらなきゃダメなのさ
メバリできっちりイケるんだ
足した引いたのモザイクは
まるで抽象的なゲージュツだ

欲しがりませんよ勝つまでは
目醒めませんよ死ぬまでは
気付きません殺すまでは
草葉の陰に血を流せ

空がこんなに青いのは
そこに何にも無いからだ
空がこんなに青いのは
そこに何にも無いからだ

捨てた女は夢の中で犯せ
呪われた血は墓場で恨め
生きるためならテメエなんか殺しちまえ
噛み砕きゆるいケツから血を流せ血を流せ血を流せ

それでも生きなきゃだめなのさ
死ねば誰でも神様だ

空がこんなに青いのは
そこに何にも無いからだ
空がこんなに青いのは
そこに何にも無いからだ

青い空でもアルマーニ
青い空でもアルマーニ
青い空でもアルマーニ

青い空でもアルマーニ/ヌルマユ永井

      ●

タテタカコさんの後に出てきたのが
この「ヌルマユ永井」さん。

1曲目の「人間に会いました」から
寺山修司の「血は立ったまま眠っている」の
遠藤ミチロウを彷彿とさせる言霊。

なんとなく狡猾な存在が
「滑稽新聞」の宮武外骨につながるような気がして
ステージに釘付け。

詩人。それも叫ぶ詩人

さまざまなイメージがステージ上の男と
重なり合っては消え、重なり合っては消え、を繰り返す。

それだけ未分化な要素が、
生のまま
ダイレクトに伝わってくる。

噛めば噛むほど味が出るスルメのようだ。

札幌で活動するアーティスト。
今夜は横浜でライブをし、
明日の朝帰って昼から働くらしい。

iMPULSE!

こういう出会いが、うれしい。
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【吉祥寺OnGoing】タテタカコLIVE!

2010-09-04 | ACT!
09月03日、金曜日。
吉祥寺Ongoingにて、タテタカコさんのLIVE。

2階ギャラリーにて40名限定。
マイクレスに電子ピアノ。
アーティストとは目と鼻の先。
生声が空気を伝って鼓膜に届く。

「口に手つっこんで奥歯ガタガタ言わしたろか!」
の罵詈雑言じゃないけど、
「耳の穴に手つっこんで琴線ぶるぶる顫わせたろか!」
のノリ。

生声で「遠い日」を聴くと、居ても立っても居られなくなる。

タテさんの鼓動まで聞こえてきそうな、
そんな気恥ずかしい距離で、
澄んだ高音が電気を通さずそのまま耳に入る。

どろっとした生血を
手渡しされたような、戦慄。

「みんなの笑顔が続きますように」との言葉で
最後に歌われた「頬杖」。(「イキモノタチ」収録)

      ●

  自由を掴んだ君を背に
  ボクはいかに逃げようか?
  雨雲から黒い光が差し込んで
  道路に散った

  突然降り出した雨は
  ボクを叩きつけた

  弁解できない
  君が示したように
  ボクも行くだけ
  頬杖ついて

  様々な思惑がボクの視界を遮る
  時々君の白さで
  ボクを責め立てて欲しい

  怖がらず無知のまま
  いざゆかん何もない場所へ

  歩まねば進まないことを
  飛び出せば知ることを
  ギラついた眼で訴える
  頬杖ついて

  受けて立とう
  受けて立て

  9メートルの果てに
  掴めるはずだ
  君が示した 雨雲へ

      ●

様々な思惑がボクの視界を遮る
時々君の白さでボクを責め立てて欲しい
怖がらず無知のままいざゆかん何もない場所へ
歩まねば進まないことを飛び出せば知ることを

背中を後押しするような歌詞に、
我が耳を疑った。

「なにゆえ?ここまで?直截的な?」

自分を信じて毎日を生きていても
さまざまな雑念、思惑が視界を遮る。

「ホントにコレがしたかったのか?」

そんな自問が付きまとうのが、常だ。
特に表現の世界では。

無知のままいざゆかん何もない場所へ。
…歩まねば進まない。

なんと勇気の出る歌だろう?

こんな台詞をタテタカコから受け取るとは。
しかも生声で、ダイレクトに。

「耳の穴に手つっこんで琴線ぶるぶる顫わせたろか!」

…見事に心臓わしづかみにされた。
これは壮行歌だ。そう、感じた。

来週水曜から十日間、中国は雲南省へ。
…自分の感性を信じての旅。
何もない場所へ、雨雲を掴みに。

Make you Happy…みんなの笑顔がつづくように。
すべてが収斂されて、今ここに旅立つ。

そんな確信を得た。



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【JZ Brat】川崎太一朗LIVE!

2010-09-02 | Photo-diary
09月01日、水曜日。
東京は相変わらずの熱気、熱気、熱気。
うだるような暑さ。
それはそれで、ボクはうれしいのだけど。

先週末は新幹線で、本州の西の果て、
山口県岩国市南河内の農作業を手伝いに。

のぞみで揺られること、4時間半。

夕方すり抜ける
あの爽やかな風は
幻だったのか…。

両足は虻や蚋や蜂に刺された跡で、
斑点のようにところどころが腫れ上がって、
まあ見るも無惨な短パン姿ではあるのだけれど。

      ●

今夜は、
渋谷セルリアンタワー2Fにある
JAZZ CLUB「JZ Brat」にて
川崎太一朗さんのLIVEを撮影。

前回5月13日のMOTION BLUEから
実に約4ヶ月ぶりのLIVE。

しかしメンバーはまったく同じなので
リハーサルからバリバリ撮影させてもらう。

しかし、強力な布陣だ。

drums/みどりん
bass/秋田ゴールドマン
piano/石田衛
keyboard/佐久間淳
alto sax/石崎忍
tenor sax/武嶋聡

すべてのメンバーが
アルバム「HIT THE ROAD」に参加してる。

この7人が揃うのは
横浜MOTION BLUE以来だと言うから
こちらとしてもラッキーな話。

それにしてもリハから音がイイ。
箱も良いのだろうけど
メンバーのハジケ度合いも
絶妙なんだろう。

…でもリハは、リハでしかなかった。

20時10分。1st Stageが始まった。

暗闇の中、SEのOne by Oneが流れ、
いつのまにかステージ上の演奏に音が入れ替わる演出でスタート。

ブレイクのあと、覆い被さるように1曲目“IMPULSE”が始まると、
照明オンで、会場全体のボルテージが一気に上がる。

乗っけから、トランペットソロが全開。

ものすごいパフォーマンス…。
緊張溶けやぬ中、観客を蹴倒す音圧。
自らの呪縛を解き放つようなハイトーン!
まさに「Impulse!」

これぞ花形トランペッター。
Lee Morganばりのアトラクティブで
女性の目を釘付けにしていた。

ちなみに9割がたが女性客。
なぜこれだけのアーティストに
男性が興味を持たないのか。
おのれの性的魅力を増すためにも一見すべき。

LIVEとは、こういうのを云うんだな。

23時。2ステージ分けて約3時間のプレイも大団円。
最後はバラードKumo no Ueで、トドメを刺す。

Flügelhornが雲の上の雄大な情景を映し出す。
徐々に橙…藍…と染まる雲海。壮大なグラデーション。
そこに突き抜けるような昇天のtrumpetソロ。

理屈じゃなく、下半身にグサリと一撃する情念。
“ずぶずぶに貪られはいあがれませんもう戻れません”
と表現したのはego-wrappinの中納良恵さんだが、
太一朗さんの音楽は振り幅が広い。

instrumentalで表現することの難しさ。
しかし、今夜のLIVEはそのことを気付かせる
オリジナリティ溢れるものだった。








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