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沖縄から東京へ!流転の写真日記

【works】ただいま思案中

2008-09-27 | works
狭い島の中じゃ、
選択肢も限られてくるのか、
クライアントも
プロダクションも
上司も部下も
頭打ち。

愚痴ばかり
口に上るが、

いっそのこと
逸脱するか。

そんなことも思案中。


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【E.Yazawa】時計をはずして

2008-09-25 | works

  優しい 気持ちなんて
  どこに 忘れたろう?
  きみとふたりで歩いた
  この道のどこかで

  こんなに ときめくなんて
  あれから なかったね
  あふれ出す この想い
  今すぐ 抱きしめて
 
  時間など気にしない 子供が
  遊ぶように 歩いてみようか?
  WITH ONLY YOU あの日のように

  愛も 夢も 命も
  きみに口づけさ

  答えなど求めない 子供が
  遊ぶように 生きてゆこうか?
  WITH ONLY YOU 時計をはずして
  
  頬杖ついて待っていた
  きみを感じて
  
  愛も 夢も 命も
  このまま抱きしめて

  明日など気にしない 子供が
  走るように 生きてみようか?


      ●

仕事が3つも4つも折り重なるように
襲いかかってきて、ニッチもサッチモ(ぷー)行かない状態で、

ひたすらパソコンとにらめっこの毎日。
その間、ココロの平静を保つ弛緩剤となってくれたのが、
「E.Yazawa」だった。

なんでだろう。60歳を生きてなお、
そのスタイルを貫いている強さだろうか?

広島から成り上がって頂点に昇り詰めてもなお、
自分を振り返る余裕にシビレルからだろうか?

いや、もっと生理的なものだ。

    「オレは矢沢を演じているんだ」

借金を抱えてどん底に落ちたとき、
彼はこんなセリフを吐いた。

これはゲームだ。

オレは矢沢を演じている。
だったら、この不遇を楽しんじゃえよ。
とことん矢沢に成り切れよ。

そんなスタンスに、
彼の強さを感じた。

そして、その強さ…孤独感とでも呼ぼうか…
荒波に屹立した剥き出しの岩のように
戦ってきたから出せる…懐の深さが、
声そのものとなって、魂にダイレクトに届く。

また、その孤独感からくる切なさが
自分の孤独感と共鳴して、心地いいのだ。


     ナルシスト。
 
     まさに。

     その一点に尽きるかもしれない。


しかし、そのナルシシズムを極めているから、心地いいのだろう。


忙しい合間を縫って、ひとりカラオケに行き、
2時間、矢沢を熱唱する。

お気に入りのチューンを繰り返し繰り返し、
矢沢に成り切ろう…とする。

しかしその完成度には、とうに及ばない。
  「成り上がり」…半端じゃない。

ますます惚れてしまった。





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【訃報】市川準監督、逝去。

2008-09-21 | BOOKS&MOVIES
9月21日。晴れ渡る空、日曜日。

昨日は鬱血したブヨブヨのアタマで寝てしまったためか、
うまく寝付かれず、朝の7時には目を醒ましてしまった。

「そういや、土曜日の朝刊を読んでなかった」

…と、寝不足で肥大化したアタマをもたげながら、
新聞をめくっていると、その訃報があった。

市川準監督、急死。享年59歳。

       「えっ」

市川昆の間違いじゃないのか?
まだまだこれからでしょ、この人は。

CM界から映画監督になった魁の人で、
常に映像インパクトを与えてくれた、好きな監督だった。

「トニー滝谷」のメイキングを見直してみる。
監督が、ぼそぼそと語っていた。

 「この作品で、大監督になるからさ」
                  「オレの映画、低予算だからねえ」

2003年8月の映像だ。
ちょうど5年前。

そのまま本編も見直してみた。
                …涙があふれた。

坂本龍一のピアノが、じんじん胸に迫った。

孤独を抱え、その孤独を前に呆然と立ちつくす出演者たちの
心の揺れや葛藤が、ものすごく…堪えた。

そんな葛藤を映画というカタチで提示してくれた
…市川準監督の死を悼んだ。

現代に孕む、コントロールが効かなくなった様々な歪みや軋みを
これからも見つめ、カタチにしていって欲しかった。

こうやって突きつけられるからこそ、癒される部分もあるんだ。



「なんか、洋服って、自分の中の足りないものを埋めてくれるような気がして…」


                         …A子のセリフ。



晴れ渡る日曜日、
寝不足のアタマで、
哀しみにとことん浸った。


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【E.Yazawa】黒く塗りつぶせ

2008-09-21 | works
 俺のハートは Get No Satisfied
 いつも Get No Satisfied
 とばすハイウェイ ハートはOver Heat
 いつも Get No Satisfied
 シャクな この世界だぜ
 みんな黒く塗りつぶせ

 ホレたあの娘に言ったぜ I Love You
 君に捧げる All My Love
 だけどスマシたあの娘さ Bye-Bye-Boy
 しけたオイラに Bye-Bye-Boy
 シャクな恋の夢など
 みんな黒く塗りつぶせ

 そうさ朝から晩までNight & Day
 いつも働きっぱなし
 まるで犬ころみたいさNight & Day
 なのにもんなしNight & Day
 シャクな金持ちどもを
 みんな黒く塗りつぶせ

 いつかおいらのハートはHurricane
 闇を引き裂くハリケーン
 荒れる龍巻き 光る稲妻
 闇を引き裂くハリケーン
 古い夢見る奴ら
 みんな黒く塗りつぶせ

    ●

土曜だっていうのに
14時間も働きっぱなし

休日だからどこにも行かず
ひたすらMacとにらめっこ

ipodの矢沢永吉コレクションが135曲
14時間もロングプレイしたら、
同じ楽曲2回ほど聴いてたよ

アタマは使いすぎてブヨブヨ
カラダの血液が溜まってかなり重たいよ

メンタマはパソコン画面の電磁波浴びて
奥のほうから火花が散って、視界が華やかだよ

なにもこんなに根詰めなくたって…
明日に割り振れば、少しはラクに生きれるのに

自分をいぢめて なにが面白いの?
まるで犬ころみたいだ…って言ったら、犬ころに失礼だけど

みんな黒く塗りつぶせたら、
少しは気が休まるのかな?


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【OKINAWA】台風一過

2008-09-19 | works
09月19日
ひさびさに晴れ渡る。

沖縄らしい天気。
背中に一筋の汗。

通り過ぎる風が心地良い。

6ヵ月かけて臨んでいた
TVCMが本日校了。

長い年月をかけて熟成した
味のある仕上がりとなった。

楽曲で起用した
Shaolong to the Sky
関西で喜んでいることだろう。
⇒ただいまツアー中。

クライアントOKをもらった帰り、
車中でHanoi Rocks
大音量でかけた。
⇒フィンランドが誇るロックバンドだ。

2008年に巡ったフィンランドの
凍てつき張りつめた空気が甦ってくる。

今年の絶頂期に思いを馳せ、
先ゆかない現状を払拭する。

「ふう」

溜め息は、長いトンネルだ。

台風も行ったことだし、
そろそろ解放されてもいいんじゃないの?

デザイン事務所では
「野田凪さん」のニュースで
憶測が飛び交う。

⇒死んだら、終わりだよ。
⇒才能は置いていって欲しかったな。

勝手なことを口にしながら、
目の前の業務をこなしてゆくメンバー。

東京の友だちが感嘆した
沖縄の青空を見上げて、
朝イチに送られてきたメールを思い出す。

⇒「うひょー、生きててよかったねえ。」

さあて、まだまだ仕事はあるぞ。




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【訃報】野田凪さん、逝去。

2008-09-18 | Photo-diary
野田凪さん、逝去。

驚いた。
まだ34歳の若さだ。

順風満帆のアートディレクター。
誰もがうらやむ才能。
そんな人でも、死んでしまっちゃあ、おしまいだ。

忙しいだの、
ストレスだの、
眠れない…だの、
言ったところで、

死んでしまっちゃあ、おしまいなのだ。

謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
微力ですが、貴女の分まで頑張ります。

合掌。


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【高田渡】トンネルの唄 by 朝比奈逸人

2008-09-18 | Photo-diary
こんな長いトンネルってあるだろうか
もう前にも後ろにも行かないよ
最後の汽車から降ろされて
もう あの娘にも会えないな

オイラもそうだよ 本当はさ
誰でも家に帰りたがっている
都会は花盛りですって 便りを出した
ああ そんなの嘘だけどな

むかしプラットホームの上 灰色の
煙りの天使が浮かんでた
でも今になって思うんだ
あいつら流されてきたんだ

朝は 明日の後ろ姿
夜は夜で思い出を繕う
ねえ トンネルって溜め息なのかい
ねえ トンネルって溜め息なんだろう

空も地面もなにもなくて
長い長いトンネルの中
呼びあう声だけが聞こえるよ
誰も姿はもってないからさ

こんな長いトンネルってあるだろうか
もう前も後ろもなくなった
最後の汽車から降ろされて
もうあの娘に会えないな

最後の汽車から降ろされて
もうあの娘に会えないな


     ●


忙しいんじゃないな。
流されてる自分が イヤなんだな。

バランスじゃないな。
閉口する注文の多さに、ストレスなんだな。


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【OKINAWA】多忙で不景気

2008-09-17 | Photo-diary
09月17日。

高田渡なら、こんな状況
どのような唄にしてくれるんだろう。

バランスを失って
鬱病になる人もいるけど、

なんだかんだと
バランス取って生きてる。

恋に溺れて、恋人の背中を一刺し。
むしゃくしゃして近所を放火。
腹の虫が治まらないから、トラックで暴走。
ノイローゼになって他人をホームから突き落とし。

己自身に矛先を向けると、自殺ってことになるんだろう。

それにしたって、
バランス、バランスと反芻しなきゃ、
どうにかなってしまいそうだ。

酒をあおって朝まで飲んだり、
陶酔する音楽でトリップしたり、
高速道路をお気に入りの音楽でドライブしたり、
カラオケで咽が嗄れるまで熱唱したり。

平均的なバランスの取り方。

こうやって、言葉にすることも
ひとつのバランスの取り方。

内省に向かってしまうと、
とことん落ちていきそうだ。

この多忙のトンネル、
暗闇のトンネル…出口なし。
光はどこに行ったんだ。








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【NY】Lehman Brothers

2008-09-17 | New York
2006年11月に訪れたNY。

今話題のLehman Brothers本社前のStarbucksで
ボクは昼休みのマンハッタンを眺めていた。

行き交う人々にシャッターを押しながら、
その背景がLehman Brothers本社だと
当然のことながら、意識していなかった。

ニュースで映し出される
Lehman付近の光景に、

古い記憶の襞が反応する。

「ここは、見たことがある…」

探ってみると、確かにあった。
Lehman Brothersだ。

11月の昼下がり、
マンハッタンのOLたちは
煙草をバカバカ吸っていた。


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【是枝裕和】歩いても歩いても

2008-09-13 | BOOKS&MOVIES
「ブルー・ライト・ヨコハマ」
  作詞:橋本淳/作曲:筒美京平/編曲:筒美京平 

 街の灯りが とてもきれいね
 ヨコハマ ブルーライト・ヨコハマ
 あなたとふたり 幸せよ
 いつものように 愛の言葉を
 ヨコハマ ブルーライト・ヨコハマ
 私にください あなたから

 歩いても歩いても 小舟のように
 私はゆれて ゆれてあなたの胸の中
 足音だけが ついて来るのよ
 ヨコハマ ブルーライト・ヨコハマ
 やさしいくちづけ もう一度

 歩いても歩いても 小舟のように
 私はゆれて ゆれてあなたの胸の中
 あなたの好きな タバコの香り
 ヨコハマ ブルーライト・ヨコハマ
 二人の世界 いつまでも

「歩いても歩いても」公式サイト

 是枝監督の最新作「歩いても歩いても」を観に行く。
 上映後、監督のトークショーがある…とのことで、
 前から予定しておいた。

 「厄介だけど、かけがえのないもの」

 「家族」という好き嫌いの感情を超えたところでつながる人間模様を、
 微に入り細に入り表現することで、普遍的な感動へつなげた作品。

 トークショーによると、
 監督の母親の死が、作品制作のきっかけだった。
 
 「人生は、いつもちょっとだけ間に合わない」

 何もしてあげられなかった母親の姿を
 スクリーンの中に焼き付けたい…との思いで
 脚本を書き上げ、出来上がったものだという。

 題名の「歩いても歩いても」は
 いしだあゆみのヒット曲「ブルー・ライト・ヨコハマ」が
 母親の大好きな曲だったから。

  ♪歩いても歩いても 小舟のように
  ♪私はゆれて ゆれてあなたの胸の中

「ブルー・ライト・ヨコハマ」いしだあゆみ

 1968年にリリースされ、
 69年の紅白歌合戦で初出場を果たしている。
 いしだあゆみの出世曲だ。 
 
 21歳にして、揺れ動く愛人…影の女の心の動きを
 切なく歌い上げている。 見事な時代背景。
 よく考えたら、自分の生まれ年だ。
 
 宮崎駿といい、是枝裕和といい、
 スタートは自身の心の揺れ動きだったり…する。
 
 トークショー終了後、
 パンフレットを購入し、
 監督のサイン欲しさに列に並んだ。

 間近で見る監督の目ヂカラ。

 「歩いても歩いても」ってタイトルは
 なんで付けたんですか?

 そんな質問を投げたら、上記のような回答が来た。

 「前々からどこかで使いたいと思ってたんだよ」
 とてもフレンドリーに答えてくれた。

 作品って、そういうもんだよな。
 あらためて、思った。


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【高田渡】夕焼け by 吉野弘

2008-09-11 | MUSIC
「夕焼け」       原詩=吉野弘 曲=高田渡

  いつものこと
  電車は満員
  そして いつものこと
  若者が坐り
  年寄りが 立っていた

  うつむいていた娘
  年寄りに席をゆずる
  礼もいわずに 年寄りは
  次の駅で降りた

  娘は坐った が
  また 別の年寄りが
  娘の前に 娘の前に
  娘はうつむいた が また
  年寄りに席をゆずる
  年寄りは礼をいって
  次の駅で降りた
  
  娘は坐った
  二度あることは三度という通り別の年寄りが
  娘の前に
  娘の前に

  かわいそうに娘
  うつむいて うつむいたまま
  席をゆずらず
  次の駅も
  次の駅も
  口唇をかみしめ
  つらい気持ちで
  娘はどこまで
  どこまで行くのだろう
  口唇をかみしめ
  つらい気持ちで

  やさしい心に責められながら
  美しい夕焼けもみないで

  口唇をかみしめ
  つらい気持ちで
  美しい夕焼けもみないで

    ●

きっと、夕焼けはいつのまにか
深い青へと入れ替わり、

車内の明かりがガラスに反射して、
さびしげな送電塔がシルエットで浮かんでたり

…したのだろう。

ボクもこんな心象風景を
心に刻んでいる。

列車の規則的なリズムと、
行き場のない制止した空間。

巡る思い。

過ぎ去る風景。

「ボクらは、どこに行くのだろう」
…そんなことをボーッと考えていた。



くく。
おかしな事に、
今もそんな夢想ばかりしている。



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【高田渡】夕暮れ by 黒田三郎

2008-09-10 | MUSIC
「夕暮れ」 曲 高田渡  詩 黒田三郎

  夕暮れの町で
  僕は見る
  自分の場所からはみ出してしまった
  多くのひとびとを

  夕暮れのビヤホールで
  (彼は)ひとり
  一杯のジョッキをまえに
  斜めに座る

  その目が
  この世の誰とも交わらないところを
  (彼は自分で)えらぶ
  そうやってたかだか三十分か一時間

  雪の降りしきる夕暮れ
  ひとりパチンコ屋で
  流行歌(と騒音)のなかで
  遠い昔の中と

  その目は
  厚板ガラスの向こうの
  銀の月を追いかける
  そうやってたかだか三十分か一時間

  黄昏が
  その日の夕暮れと
  折りかさなるほんのひととき
  そうやってたかだか三十分か一時間

  夕暮れの町で僕は見る
  自分の場所からはみ出してしまった
  多くのひとびとを

    ●
  
  サラリーマンには沁み入るねえ、
  こんな唄。

  でも、高校時代から、
  こんな居心地の悪さを感じてた。

  はみ出してしまった…。

  そのまま、もうすぐ不惑。
  どんどん、脱線道まっしぐら…なんだろうな。

  高田渡を携えていけば、いいっか。




  黒田三郎「夕暮れ」
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【高田渡】ブラザー軒 by 菅原克己

2008-09-07 | MUSIC
東一番丁、
ブラザー軒。
硝子簾がキラキラ波うち、
あたりいちめん氷を噛む音。
死んだおやじが入って来る。
死んだ妹をつれて
氷水喰べに、
ぼくのわきへ。
色あせたメリンスの着物。
おできいっぱいつけた妹。
ミルクセーキの音に、
びっくりしながら
細い脛だして
椅子にずり上がる。
外は濃藍色のたなばたの夜。
肥ったおやじは
小さい妹をながめ、
満足気に氷を噛み、
ひげを拭く。
妹は匙ですくう
白い氷のかけら。
ぼくも噛む
白い氷のかけら。
ふたりには声がない。
ふたりにはぼくが見えない。
おやじはひげを拭く。
妹は氷をこぼす。
簾はキラキラ、
風鈴の音、
あたりいちめん氷を噛む音。
死者ふたり、
つれだって帰る、
ぼくの前を。
小さい妹がさきに立ち、
おやじはゆったりと。
東一番丁、
ブラザー軒。
たなばたの夜。
キラキラ波うつ
硝子簾の向うの闇に。

    ●

高田渡を追跡。
YouTubeをチェックしまくる。

「坂崎幸之助商店」では、坂崎と電車の旅を、
「ニュース23」では、筑紫さんと「いせや」で語り…と
今頃になって、2005年の在りし姿を追いかけている。

2年前に山之口貘の詩から高田渡を知って、
CDを手にしてはいたけれども、
こうやってタカダワタル的なコメントの数々、
彼を取り囲む友人の表情などを見ていると、
その圧倒的な人柄に、また涙、涙、涙。

宮城県出身の詩人菅原克己さんの詩に
メロディをつけた「ブラザー軒」というのがあって、
これがまた、胸にがつんと響いてくる。

菅原克己「ブラザー軒」
高田渡一周忌…菅原克己「ブラザー軒」
【YouTube】高田渡/ブラザー軒

硝子暖簾のお店など、
今じゃどこにも見当たらないが、
戦争の犠牲になった父と妹が
今日も氷を食べに「ブラザー軒」へ
やってくる下りは、ホントに鼻先がつんと来る。

まして東一番丁…である。

「ブラザー軒」自体は、ちょっと記憶にはないけど
かつて小学生の夏休みに過ごした、
アーケードもない東一番丁の雰囲気が思い出されてくる。

そこには戦死した父と妹ではなく、
タカダワタルさんが、ひょっこりやってきて
ビールか焼酎をたのんでいる…ような気がする。

山之口貘さんといい、菅原克己さんといい、
ホントに素敵な詩人の詩を歌にされていたんだなあ…と
あらためてリスペクト。

しばらく追跡は止まらないだろう。





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タカダワタル的

2008-09-05 | BOOKS&MOVIES
「タカダワタル的」公式サイト

9月4日。
プレゼン差し戻しの訃報を受け、
どん底に落ちる。

ビールを飲みながら
「タカダワタル的」DVDを観る。

「タカダワタル的ゼロ」が2001年の映像だから、
その2年後のタカダワタルが、そこにいた。

2年後…か。

うがった見方かもしれないが、
「ゼロ」の時より確実に年を取っていた。



   歌えていなかった。

   弾けていなかった。

   声が最後まで出ていなかった。



タカダワタル的には
そんなことどうでもいいのかもしれない。

しかし、その存在が圧倒的なだけに、
ワタルさんがしぼんでいくのは忍びなかった。

     ●

2005年3月15日に撮られた
インタビュー映像が特典で入っていた。

この1ヶ月後、ワタルさんは召された。

そんな思いも重なるのだろう。
1杯の焼酎でふにゃふにゃに
酔っぱらうワタルさん。

外はまだ明るいのに、
「いせや」の畳に横になり、
寝入ろうとするワタルさん。

なんだか、哀しかった。
ものすごく涙があふれた。
…勝手なもんだ。

DVDに「追悼高田渡」として
今回の映画にかかわったたくさんの人の
お別れの言葉がつづられてあった。

映画の公開が2004年である。
そのプロモーションで全国行脚したのが、
最期となった…のだ。

3月15日のインタビューで
ワタルさんは、「いやあ、去年は疲れた」
「全国をいろいろ回ってね、大変だったよ」
…と語っている。

しかし、その後のアルバムの構想もしっかりあって、
「虫をテーマに1枚のアルバムを作りたいんだよ。虫。ムシ。昆虫ね。」
とさまざまな詩人を例に、そのアイディアを話していた。

そのインタビューに同席していた中川五郎さんが
追悼文で「悔やんでも悔やみきれない」と
書いているのが、胸に響く。


     ●

僕の生き方は贅沢っていえば贅沢だよね、
自分でしたい仕事しか選ばない。
それはひとりでやってるからできるのであってね、
事務所構えている人にはそれは出来ないだろうね。
仕事が無くたって別になんにも気にしない。
時間を売っている訳だからね、
その時間くらいは自分で自由にしようかと思ってる。
だからウチでというか、ぼんやりしている時間のほうが
大事だと思うんです。スケジュール通りに
「こうしなきゃいけない。ああしなきゃいけない」
というのは僕には向いてない。
でも予定が入っちゃうと、その日まで元気にやってなきゃ
いけないな…というのはある。

      ●

まあ人と会っているのが好きなんだろうね、
そこで人から色々な養分をもらって帰る。
人に会うとね、「ああこういう考えもあるんだ」ってね。
僕はそういう時に惹かれる。
文字が嫌いな訳じゃないけど、それだけで煮詰まっている人がいるよね。
そういう人には僕はあんまり興味がない。
人と喋ってるほうが面白いじゃない。
それでやっぱり歌っているのも好きなんだね。
たぶん歌う瞬間が好きなんだ。
くたびれるけどね。
でもそれもしょうがないなって…これも病気といえば病気だね。
でも歌っていなければね。
まあ、もう少し何かをしなきゃいけないなぁとは思ってる。
もう少し何かやってからじゃないと。
引退するとかそういうことじゃなくてね、
もういいなと思ったら黙って歌うのを辞めるだけ。
周りはね、「君が一番長生きするよ」なんて言うけど、
長生きなんかしたくない。けど明日、すぐに逝くって訳にもいかないんですよ。
           (2005年3月24日吉祥寺・いせやにて)

       ●

1949年1月1日 - 2005年4月16日。
歌に生きたあなたに、ホント勇気づけられます。
タカダワタルに出会えて、良かった。



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【宮崎駿】崖の上のポニョ

2008-09-01 | BOOKS&MOVIES
「崖の上のポニョ」公式サイト

8月29日。
レイトショーで
「崖の上のポニョ」を見る。

20時30分からの上映というのに、
子ども連れの家族で満席。

公開から1ヵ月も経つというのに、
この盛況ぶり。
宮崎駿のすごさをマジマジと見た。

約2時間。
映像のインパクトと
中身のハヤオワールドを堪能。

正直、ストーリー背景は
よくわからなかったが、
映像体験を主としているのだろう。
…と勝手に解釈して納得する。

(だいたいポニョはナニモノなのだ?)

その後、
8月5日に放映された
「プロフェッショナル~仕事の流儀~」
宮崎駿特集をビデオで見る。

「生きててよかった。」

この今回のキャッチコピーが
ハヤオ自らの幼少体験から来る話を聞き、

また、劇中の登場人物、
老人ホーム「ひまわり」でクセのある老婆として
描かれているサキさんに自分のお母さんを投影し、
映画の中で主人公「宗助」と向き合わせることで、
自分の中の母との関係を修復しようとしたエピソードなどを
聞かされると、

…なるほど、極私的な思いが昇華されると
 それはひとつの普遍的かつ不変的なメッセージとして
 心に深く伝わるのだ…と合点。

宮崎駿がその思いを伝えるべく
極私的な感覚を細部にわたるまで投影し
何度も修正をかけている制作過程を見て、

グラフィックデザイナー杉浦康平の言った
「ミクロの調和がマクロの調和へと共鳴する」
意味を理解した。

やはりあくまで個の魅力が
世界を魅了するのだ。

デジタル化が進み、すべてが平準化され
怖ろしいほどの効率化を企てる輩が多い中、
手仕事にこだわり、極私的感覚にこだわり、
大衆を相手に「どうだ!」となげうった宮崎駿は、
現実を痛烈に批判しているように思う。

「崖の上のポニョ」はひとつの金字塔だ。







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