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#photobybozzo

沖縄→東京→竹野と流転する、bozzoの日々。

【上田現】レインマンのお話

2009-04-29 | MUSIC
昔々のお話です。
ある男のアタマの上に丁度小羊ぐらいの大きさの雨雲がありました。
逃げれば追いかけてくるし、隠れてもずっと待っています。
結局いつもどおり 傘を持って今日もおでかけです。

仕事場をびしょぬれにして首になってしまいました。

泣きたくなって空を見上げたら
ますます雨足は強くなる始末。

「いっそ雨の降らない国に行けば喜んでもらえるかもしれないな?」

この男のアイディアは見事大当たりとなりました。

「ウチの村の畑にぜひ雨を」
「オイラの馬たちに水をやっておくれ」
毎日忙しくあちらこちらと駆け回って
楽しく村人たちと踊り明かしたりしました。

でも雲は日に日に小さくなっていき
とうとう「助けて」と叫びました。

あんなにめいわくしていたのに それを
みていたらかわいそうになってきて…。

男は村のみんなにだまって街に帰ることにしました。

そして今日もアタマの上に雨雲。
でもなぜか、もう気分まで濡れることはありませんでした。

      ●

織田作之助の「競馬」を読む。

「デカダンスというと、頽廃のことだと、ひとは思っているらしいが、
 ・・・デカダンスというのは、あらゆる未熟な思想からの自由という意味だ。」

実際、1913年から1947年の33年間の人生で、
そのほとんどを太平洋戦争の暗澹たる世相の内に暮らし、
それでも自分のスタンスを忘れず、検閲にもへこたれず、
だから戦後はいち早く流行作家にもなり、
それが元で喀血し、結核で夭逝するのだけど、

なんとも読後感が潔い。

22歳で知り合った妻「一枝」をベースに仕立てたであろう
「一代」と「寺田」の激しい恋物語。

カフェの女給「一代」の美貌に一目惚れした教師「寺田」は
一途に「一代」の元へ足繁く通い、彼女へ実直なプロポーズをする。

仏具屋の息子である「寺田」は「一代」との結婚に
両親から勘当を受け、なぜか職も失い、貯えだけが頼りとなるが、

まもなく「一代」が胸を患い、それが厄介なことに「乳ガン」だと知り、
乳房を削除するも直ぐさま転移し「子宮ガン」となり、余命宣告を受ける。

それでも「寺田」は「一代」に奇蹟を願い、妙薬を買い、壺を買い、仏を買い、
お百度参りを繰り返し、モルヒネを買い貯め、彼女の痛みを和らげようと躍起になる。

しかし「一代」はどんどん蝕まれ、最期は皮一枚となって、逝ってしまう。

…その状況描写が淡々としているところが、超越している。

病んだ妻「一代」の元に一通のハガキが送られてくる。
「明日午前11時、淀競馬場一等館入口、去年と同じ場所で待ってる。来い」
用件だけがぞんざいに筆で書かれたハガキを見て、激しい嫉妬に襲われる「寺田」。

「一代」の死後、美術雑誌の編集を2年勤めた「寺田」だったが、
ある日作家が原稿料と引き換えに原稿を淀競馬場まで取りに来てくれ…との申し出が。
2年前の嫉妬が再燃、「一代」の男がいるはずだと血走った目で競馬場へ訪れる。

不器用な「寺田」は、ビキナーズラックの興奮を受け、途端競馬にのめり込み、
印刷料や原稿料、果ては家財もつぎ込み、淀競馬場に入り浸る毎日。

最終日、終いには「一代」の形見の着物を質に入れ、
「一代」との想いと共にやって来た…とばかり執拗に「1」の単勝買いを繰り返す。

すると同じように「1」の単勝買いをするヤサグレ男が。
こいつこそ「一代」の男ではないか…そんな嫉妬がますます「1」の単勝買いを助長する。

淀では決着がつかず、九州は小倉へ舞台を移し、そこでも「1」の単勝買いをくりかえす。
同じように「1」の単勝買いをしていた「インケツの松」も小倉に来て居て、意気投合する。

話を聞けば「一代」のコトをしっかり存じ上げており、
「競馬好きな女で、あれだけのカラダを持った女はいない」とのたもうた。

「寺田」は真っ青になり、翌日の競馬場では運も見放したのか「1」も来ない。

ついには最後のレースで有り金すべてを注ぎ込んで「1」狙い。
しかし願いの「1」馬は出だしで2馬身遅れ、すでに勝機なし。

絶望の叫びを上げたが、後ろで「インケツの松」が「いや、あの馬は、追込みだ」と遠くを睨んでいる。
第4コーナーであっという間に競り上がり、直線でアタマ一つ抜け出した。

そのまま200メートル逃げ切り、万歳!と抱き合って「寺田」は涙をボロボロ流した。
嫉妬も恨みもすべて流して「インケツの松」にしがみついている。

      ●

現在もアル意味、デカダンス。
そんな世の中でもベースはやはりハートだったり…する。

レインマンのお話も、織田作の「競馬」も、
等身大な感情が心持ちいい。

5月末に写真展を企画中。
心に残る写真をお見せしたい。









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【上田現】Happy Birthday

2009-04-28 | MUSIC
今日は このへんでいいですかね
また今度 会えたらいいですよね
永く 留守にすることもあるでしょうが たずねてみてね
バオバブの木の下で暮らすと言って
困らせたり もうしませんから

家庭なんてと 思い切り馬鹿にしましたが
ほんとは ぬくもりに飢えてたりもして
まあそういった ウソが噴き出して
とても痛いよ 自業自得かな

悩めば 悩むほど 絡めば 絡むほど
歌を 唄えば 歌を 唄えば

お金のためだって 唄いますよ
傷つけながらも 平気で唄いますよ
ボクは 平気になるのさ
機械のように 草木のように
それでもしんどけりゃ 繁華街の真ん中で
ケーキを切ろうよ ケーキを切ろうよ

今日は この辺でいいですかね
また今度 お会い出来たら いいですよね
永く留守にすることも あるでしょうが
訪ねてみてね
今日も何処かで 誰かが叫んだ
Happy Birthday To You
Happy Birthday To You

      ●

自分の世界観を 研ぎ澄ます作業を
写真と対峙することで 進めるようになって

自分の中でゆずれないものは なんだろう
…って考えるようになった

【上田現】の世界は
まさに そこに コミットする

それは 幼い時のトラウマだったり
それは 男と女のイロコイザタだったり

でも それは すべて 
自分の「生きる」から発せられたもので

結局は そこに帰着するんだって
    あたりまえなんだけど

公然わいせつ とか
豚インフルエンザ とか

日々めまぐるしく 世間は眼の色を 変えるけど

「生きる」原動力って
もっと シンプル

ひとと対峙して 気持ちを「ゆらし」て
「みんなセーフ!」って

「生きる」を ほめたたえられれば それでいい


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【上田現】森の掟

2009-04-27 | MUSIC
薄い水の色 空の色
こもる霧の奥の木々の色
影がのびて かすかにゆれた
日暮れになれば さらにわかるだろう
何もかも淡く それでいて確かなもの

森は一つの意志を持つ
それはまだ見知らぬ 森の掟さ

遊ぼう ボクと遊ぼう

ボクは敢えてその深みへと分け入ろう
森はボクをこらしめるだろうか まあ命までは
森をのぞく者はまた森にのぞかれ
投影された自分のすがたはみすぼらしいね

森は何も語らず 何も示さない
ただその勇姿を おしげもなくさらすだけ
なつかしいような こわいような風の中で
更に奥へ 更に奥へと入っていこう

遊ぼう ボクと遊ぼうよ

ボクは別に 何かをさがす者ではありません
ましてや決して 何かおしえを乞う者でもない
ただただ とぼとぼと歩き続け
この手で 森の掟にふれるまで

遊ぼう ボクと遊ぼうよ


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【上田現】ラルゴ

2009-04-27 | MUSIC
 十秒後の世界
 そんなことさえ ボクは知らない
 二メートル後ろの自転車にも慌てる

 風はことわりもなく
 君のカラダから体温を盗んで
 また彼方へと消えて行く
 全てを置き去りにして

 少し残酷で、優しい所
 残されたボクラの世界は
 何処か揺らいで見えたんだけど
 きっと「ゆれた」のはボクのほうさ

 もしも、この世界が幻で
 夢だったと科学者が証明しても
 そいつを蹴飛ばして君を抱きしめる

 誰かの悪戯さ…

 ボクがね、知ってるコトはこれだけさ、不思議なんだけど
 喜びも悲しみも たった一つの場所からやって来た

 風を売り暮らす人の声がどこかで聞こえる
 10ルピー払ってボクは風を待つ
 だましてもいいぜ ずっと待ってる

 ラルゴ ラルゴ ボクの知らない
 ラルゴ ラルゴ 風の歌を
 
 ずっとずっと ずっとずっと
 ボクは待ってるんだよ

 ラルゴ ラルゴ ボクの知らない
 ラルゴ ラルゴ 風の歌を
 
 ずっとずっと ずっとずっと
 ボクはずっと待ってるんだよ

 待ってるんだよ

      ●

ラルゴ【Largo】…幅広くゆるやかに。

ゆるやかに、風を待つ。
ラルゴ ラルゴ 風の歌を。
ずっとずっと ずっとずっと
ボクは待ってるんだよ。

たとえ10秒後の世界でも、
ボクラは待つしかないんだ。

確信なんて、どこにもない。
あるのは、「想い」だけさ。

喜びも悲しみも たった一つの場所から
やってくるんだっ。
…そう、自分自身さ。

      ●

その世界観は、FISHMANSの佐藤伸治に通じる。
上田現も「真のリアル」を追い求めた…んだと思う。

【上田現】ラルゴ
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【上田現】1億年後のラブソング

2009-04-26 | MUSIC
 1億年後のラブソングを歌うぜ
 その頃はボクはただの石ころになってて
 もう すでに上も下も
 わからない程になっているのだけど

 想いばかり強くて 川原でプルプル震えてる
 想いばかりせつなくて ますます固くなってゆく

 1万メートルの海の底で

 第三の月が昇っていた頃までは
 なんとなく 少し覚えているのに

 君の顔が思い出せず
 名前を呼ぼうと思ったんだけど

 想いばかり強くて やはりプルプル震えてる
 想いばかりせつなくて 今は意味さえ消えていく

 深く青い青い 海の底 やさしい流れにも気づかず
 1億年後のラブソング
 ひそかに ひそかに こだまする

      ●

上田現のトリビュートアルバムを買う。

それぞれの楽曲の世界観に、「ゆれる」。

この「1億年後のラブソング」は
上田現のその想いの深さがカタチになっている気がして
一瞬にして共振した。

 その頃ボクはただの石ころになってて
 もうすでに上も下も わからない程になってるのだけど

この一節はシンプルで、そしてリアルだ。

情感だけが1億年に亘って浮遊し、
せつなさの感覚だけが残滓し…今は意味さえ消えていく。

 想いばかり強くて 川原でプルプル震えてる
 想いばかりせつなくて ますます固くなってゆく

河川敷に散らばる石ころひとつひとつが
1億年前の「せつない想い」でプルプル震えているようで、
人の想いの深さが、こちらに立ちのぼってくる。

「人の想い」…行き場を亡くした「せつない想い」が
もがきながら、それでも這い上がってくる。

 君の顔が思い出せず 名前を呼ぼうと思ったんだけど

形骸化した感情がプルプル震える様は、
ボクには、ものすごくリアルで、
カラコロカラコロ…渇いた音を立てて、共振したんだ。


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【上田現】ハイヌミカゼ

2009-04-23 | MUSIC
あなたに見えますか?  私の姿
あなたに聞こえますか? 私の声

地図に隠された 道をたどり
ここまで来てよ そこにいるから

どんなに離れても 遠くにいても
きっとわかるから きっと会えるから

今日は舞踏会の日。
まるで果てを知らない この大地の上で
三日三晩続く

あなたに私が見えるのなら
あなたにこの音が聞こえるのなら

私と踊ってよ 夕日が壊れるまで
私と踊ってよ あの森が溶けるまで
私にふれてよ ねえ いつまでも

喜びも 悲しみも もう動かないものも
美しきものも 醜きもの
思い出せない どうしても思い出せない人
踊ってよ 踊ってよ
地図はどこにありましたか?
きっと来てよ きっと来てよ
今、灯をともすよ

私と踊ってよ あの砂が燃え尽きるまで
私にふれてよ ねえ いつまでも

私と踊ってよ ねえ いつまでも

【元ちとせ】ハイヌミカゼ

      ●

創造〈クリエイティブ〉って、恋心に近い。
いつまでたっても手に取ることが出来ない。

その切なさが、まさに恋心。

でも、そんな気持ちも
こうやって写真と対峙することで、
見えるようになった。

 あなたに見えますか?  私の姿
 あなたに聞こえますか? 私の声

そんな問いかけも出来るぐらいまで
近づいたような…そんな…気がする。

 いつか、私にふれてよ ねえ いつまでも

そんな大それたセリフが吐けるように…なりたい。





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【上田現】胡蝶の夢

2009-04-23 | MUSIC
【LA-PPISCH】胡蝶の夢

朝 目が覚めたら オレの顔がない!
となりのネコが 喰わえてった
このオレの顔は魚じゃないぜ
食べられる前に 返してもらおう

顔取り返したら デートするんだ
飲みにも行こう 山もいいな
想いは広がる楽しき夢
あのネコ会ったら 袋だたきだぜ!

胡蝶の夢さ 愛情表現

仮面をつけて 街を行かば
さがしつかれて ヘトヘト
なにそんな悩むことはないぜ
みんな似たり依ったりさ そうだろう

やっと見つけたあのネコなんと!
オレの顔をつけていた
しかたがないからオレは笑って
自分の顔にネコの絵を書いた

胡蝶の夢さ 愛情表現



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【必見】Element of the Moment

2009-04-22 | MUSIC
JazzBar「R-Green」
毎週金曜日にレギュラー出演していたElement of the Moment

こはもと正(asax)
ナカムラアキラ(ds)
ワダミツ(tb)
林ユージ(pf)
ガンジー西垣(bs)

今週アタマにTromboneのワダミツが
ニューヨークへ武者修行で3ヵ月の渡米。

ドラムのアキラもしばらく拠点を東京へ。
ベースのガンジーも自身のバンドCinema dub Monks
レコーディング&ライヴのため3ヵ月東京へ。

これだけタイトで独創的な
ECMばりの音を出す
Jazzbandは東京でもそうはないだろう。

BANDスタイルというのが、なんともカッコイイ。

常に音をタイトに維持している。
それでいてフレキシブルに反応するから、たまらない。

CDも販売している。

trombone抜きのスタイルで今週末の金曜「R-Green」と
土曜日の桜坂「別館」が事実上ここしばらくで最後のステージとなる。

見逃す手はない。


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【たゆたう】雨にかまけて

2009-04-15 | MUSIC
【たゆたう】雨にかまけて

雨のにおい 雨のおと
重たい空気 重たい風
お日さまの光も届かない
うそのかたまりくっつけた 奇妙なこどく

ゆううつを かきまわして 
せいじゃくを とりもどしたら
天と地は ひっくりかえって
街のあかりは ついたり消えたり

雨みたくとけても からっぽの体かかえても
象にあてがえて 象をあしらうよ

扉をひらくと 音がみえて
扉をとじれば 音はぼうちょう
ふくらみあがる その世界は
つぶされそうになるぐらいの しろもの

目できいて 耳でふれて
手でみようとして 
見つけ出したら
あふれだす

雨みたくとけても からっぽの体かかえても
象にあてがえて 象をあしらうよ

      ●

昨年10月に京都へ行った際、
お世話になった「たゆたう」

「いちにちのながさを、はなうたできめる。」

「てのひらをみちなりにすすむ。」

その独特の語感と、にしもとひろこの声、イガキアキコのセンス。

沖縄にお越しの際は、ぜひとも撮影させて!…と
せがんで、識名園で撮った写真たち。

森の緑と交歓しているような、そんなふたりを表現したかった。

この世界観、たまらなく好きだ。



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【ちゅらしま】奄美写真ナイト!その2

2009-04-15 | PHOTO
もうひとつ、
忘れてはならないのが、
島尾伸三さん潮田登久子さんのトーク。

 この不思議な眺めは、
 よほどのことがない限り変わることはなさそうで
 建物のひとつひとつが、欲と涙の結晶体のはずで
 ですからどことなくもの悲しいのです。
 食べるために生き、生きるために食べ、そのまま
 充足できる充分な人格が備わっていない私の不幸。

 他人が欲望を具体的に獲得する様が羨望を生み、
 羨望の具体化が羨望の的になり、
 そうやって欲望を再生産する状態が生まれ、
 他人の欲望が自分の欲望になってしまうのです。
 この繰り返しが産み出す欲望の循環と増長が、
 醜くも実は、人類の歴史の原動力なのかもしれません。

              (島尾伸三 「東京~奄美 損なわれた時を求めて」抜粋)

文章の丁寧な語り口調や遠慮気味なフレーミングの写真とは裏腹に
島尾さんのトークは、すべてが剥き出しで、ストレート。

特に「古き奄美大島の時間の流れ」を語る時は、
父親の面影が見え隠れするのか、
50年前の島尾さんがその垣根から顕れるようで、
話す内容すべてが面白く、楽しい時間を過ごすことが出来た。

沖縄と奄美がここまで近しい存在だったとは。

「島唄」という表現も実はを意味する「シマ」が語源で、
その響きを沖縄のアナウンサーが持ち帰り、
それをBOOMの宮沢が唄にすることで、沖縄に定着した言葉。

そういった歴史の一端に触れられるだけで、
目の前に広がる風景が意義深いものになる。

邁進するだけでなく、省みる。
その行為のきっかけは、歴史を知ること。

島尾敏雄、島尾ミホ、島尾伸三、潮田登久子、しまおまほ…。
その家系の流れを知り、著作に触れ、人柄に触れ…
堆く積まれた時間の重みを知る。

表層の事象だけでは決して知ることのできない
含蓄のある物語。

過去を知ることで、人間はもっともっと思慮深い生き物になる。
そんなスタンスの島尾夫妻と直に接することが出来て、
この上ない幸せを感じることが出来た。

      ●

島尾さん、坪山さん、
共にのっぴきならない業を抱え、
真っ正面からそれを捉え、生きている。

40歳からの再出発も悪くはない…
そんな勇気をもらった「奄美写真ナイト」だった。





 
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【ちゅらしま】奄美写真ナイト!その1

2009-04-14 | PHOTO
4月11日に行われた
「奄美写真ナイト!」は
ボクにとってエポックメイキングな出来事だった 
…と書いた。

島唄の坪山豊さんの歌声を聴いていて
ほろっと涙がこぼれてきた。

島唄名人「坪山豊」

今年で80歳。
42歳から島唄を歌い始めた…という。
そのきっかけは、42歳で「島唄に興奮」したから。
島唄の訴えかける力に「語り」の強さを知ったから。

唄のほとんどが労働歌。辛い労働を唄が紛らわす。
歌詞の意味がわからずとも、坪山さんの「語り」の力は
ボクの心を鷲掴みにし、ぐらぐらっと揺すぶった。

声量がすばらしい。

三線もバチを使って軽快に鳴らす。
ストラップを用いた立ち姿も「坪山琉」。
80歳にして、この芸域。

舞台袖でその歌声に魅了されながら、
「いろんな音楽聴いてきたけど、見送られるなら島唄だな」…とひとりごちる。

その旋律や寂寥感、無常観は、
ジャズやクラシックにはない、
母国の力強さがみなぎっていた。

最期はやはり、
土地の(シマの)唄が
ふさわしい。

そんな思いを抱きながら聴き込める音楽に出会ったのは初めてだった。






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【ちゅらしま】写真フェスティバル終了

2009-04-13 | PHOTO
04月13日。月曜日。くもり。
さらに一週間ぶりのごぶさた。

この一週間の疲れが、どっと出た感じ。

「RYUBO写真フェスティバル」が
昨日無事に終了した。

東京営業から戻ってきた
連休明けの23日から
怒濤の毎週ミーティング。

展示内容の充実と有料イベントの集客をメインに
媒体各社、著名人へのアプローチ…と
いろいろな方の協力があって、なんとか成立した。

開催日前日までどんなカタチになるのか、
スタッフも想定できていなかったが、
フタを開けてみると、予想以上のものになっていた…と思う。

来場客は300ほどで
当初想定をしていた人数には
とうていおよばなかったが、

自宅にあった古い写真を
持ち込んでくれた方も数名いらして、
NPOの意義も少なからず伝わったようだ。

何よりこのイベントでつながった関係が、一番の収穫。

特に島尾伸三さん潮田登久子さん夫妻の
その独特のオーラには、魅了された。

御年80歳になろう唄者、坪山豊さんの切ない唄声。

「奄美写真ナイト!」は
ボクにとってはエポックメイキングなイベントだった。



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【ちゅらしま】RYUBO写真フェスティバル

2009-04-06 | PHOTO
4月6日。月曜日。
一週間ぶりのごぶさた。

沖縄ふるさと発見倶楽部:垂見健吾さんポドキャスティング
NPO法人ちゅらしまフォトミュージアム

4月7日から開催される
イベントの準備におおわらわ。

      ●

沖縄にゆかりのある著名人が
撮影した沖縄の写真展。

特に有料イベントの

Vol.1「沖縄写真ナイト! トーク&スライドショー&ライブ」
4.10 Fri. OPEN 18:00 START 19:00
前売・当日2,500円
トークゲスト:照屋林賢、内田勘太諸
ライブゲスト:内田勘太諸、下地勇、池田卓

Vol.2「奄美写真ナイト! トーク&スライドショー&ライブ」
4.11 Sat. OPEN 18:00 START 19:00
前売・当日2,500円
トークゲスト:島尾伸三、潮田登久子
ライブゲスト:奄美島唄第一人者「坪山豊」ライブ、そしてシークレットゲストあり!

チケット販売中!

お誘い合わせのうえ、
お越しください。



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