2020年1月に規格化される予定の新しい無線LAN規格です。現在の最新規格であるIEEE 802.11ac(注:2013.12規格化)の後継となります。
開発目標として、(1)伝送速度の向上、(2)スループット(伝送容量)の拡大、(3)収容できる端末数の拡大、の3点が挙げられています。
(1)については、4K動画、AR/VRなどのコンテンツを快適に利用できることを想定し、.11ac規格の6.9Gbpsに対し、9.6Gbpsの実現を目指し、(2)については、空港や駅、サッカースタジアムなどで多くの利用者が同時に通信できることを想定し、.11ac規格の4倍以上のスループットを目指し、さらに(3)については、工場内や倉庫内における無線LAN利用によるIoT化を想定し、より多くの端末を無線LANへ収容できることを目指しています。
この規格は、周波数帯として、2.4GHz帯、5GHz帯の両方に対応しているようです。最新規格の.11acは、5GHz帯のみの対応になっていますが、.11ax規格では、IoT化への対応も考慮しているため、従来からの2.4GHz帯にも対応するようにしているようです。
その他、主要技術として、符号化(最高次数)が1024QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、マルチユーザ伝送技術がMU-MIMO(Multi User-Multiple Input Multiple Output )(上下両方向)、多重方式がOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)などとなっています。