Retrospective...

イラストレーター/ライター遠藤イヅルの困った嗜好をばらす場所

思い出type2

2005-02-03 | くるま。
フランス車の話題があまりないブログになりつつあります、すみません(汗

会社の側に編集社(集○社)が持つスタジオがあって、そこにはいろいろ
「ギョーカイ」っぽいクルマが出入りしていて見るだけでも楽しいです。
今日は、VWのバンがいました。
俗にベイウインドーと呼ばれる、後期型のTYPE2です。
色はイエロー×白。洗車もされていなくて、いい味を出しています。

懐かしくて、しげしげ眺めちゃった...というのも、
実は、TYPE2、むかーしオヤジが乗っていたのです。

もとは、オヤジの8人兄弟の中でも一番アウトローな、
長野県・茅野(ちの)に住んでいる元コック、いや料理長で
今はレトリバーとひっそり暮らす叔父さん
(オヤジのひとつ上の兄...説明長ッ!)が持っていた車でした。

彼の家へ引き取りに行ったのは、僕が中学2年のことでした。
電車でオヤジと茅野へ行って、叔父さんの家で蜂の子やイナゴなどの
衝撃的料理を食べさせられて(笑)、帰る頃には日がもう落ちかけていました。

そして、お世辞にもキレイとは言えないVW TYPE2
(...その頃はデリバリーバンという愛称が一般的でした)に
いよいよ乗り込んで、東京へ帰ります。おまけ付きで。

おまけとは、です。ロンちゃん。ウチの柴犬(随分前に死んじゃいましたが)。
理由は忘れましたが茅野の家へ預けていたので、ちょうど良い機会だから
デリバンの荷室にロンちゃん入れて、いざ出発です。

高速で帰らず、国道20号を東上していきました。
もうすっかり日は落ち、雨まで降り出す始末。
貰い受けたデリバンは、後ろの窓が無いパネルバンタイプの完全商用仕様なので、
雨だれが激しく屋根をたたきつける音が、まったく防音材などない荷室に
賑やかに響き渡っていました。

パワーがほんとに無いクルマだったけど、なんとか甲府を抜け、
いよいよ東京への最後の峠・大菩薩峠の麓、相模湖に着いたとき
検問が目に入りました。

そう、このとき...1986年5月4日は、東京サミットが行われていたのです。


他のクルマはどんどん通されていきますが、
錆の浮いた青白ツートンの窓がない相当怪しいバンですから、
真っ先に検問の餌食になったのでした(笑

別にやましいことしてないのに、助手席の僕も妙に緊張しました。

P(警官)1「すみません、後ろ開けていいですかねえ」
父「ええ...どうぞ、お構いなく...ただ...」
P1「は?まあ、とりあえず開けますから。おーい、開けてくれ~
(と、荷室スライドドアの前にいる警官P2に合図)」

P2「うわあ」
P1「どうした!」
P2「い、犬がいます」
父「あの...だから...犬が」
P1「早く言って下さいよ(怒)」

でも、ちっこくて可愛いロンちゃんは、そんな騒ぎを気にも留めず、
ドアの前で、舌出して尻尾振って、愛想振りまいていました(笑
警官も、気が抜けて苦笑いしてました。


>>このデリバンはしばらく家にあって、
なんと普段の家族クルマとして使われていました(^^
後ろには椅子がないので、なんと家にあったいらないソファを固定して、
そこに僕と姉が座っていました(←今思うと、めっちゃ危ないぞ)。
無論、窓が無いので、護送車みたいな状態です、しかも妙に豪華な(笑

>>これで九十九里へ初日の出を見に行ったりしました。
無論、窓がないので、僕は途中の景色を覚えていませんが(汗

>>暖房は効かない、遅い、暑い、で散々なクルマでしたけど、
楽しかった!免許取る頃まで残っていてくれたら、これが僕のファーストカーに
なったかもしれませんね。

>>写真は、ウチのでは無いです。この赤い部分が、青かった。
そして、後ろの窓が無い姿をご想像下さい(^^



コメント (8)
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