ニューヨークの想い出

ニューヨーク生活20年間の想い出を書いていこうと思います。

115、ニューヨーク州知事辞任

2008年03月13日 | Weblog
ニューヨーク州知事が買春容疑で辞任しました。
売春組織の顧客リストに名前(偽名)が載っていたもので、このような事件は時々起こります。
というより、たまたま発覚しただけですが。

エリオット・スピッツァー知事(48)は高級売春組織「エンペラーズクラブVIP」の常連客で、同クラブを複数回利用し総額8万ドル(約800万円)以上支払ったようです。
知事が同州司法長官時代に組織売春を摘発し、こうした犯罪に激しい怒りを示していたのが皮肉に見えます。

「ミスター・クリーン」と呼ばれた敏腕検事で、大手企業がかかわった証券スキャンダルなどの捜査を指揮して注目され、2006年秋の知事選に民主党から立候補し、当選しました。
また、企業不正を次々に摘発し「ウォール街の保安官」と呼ばれていました。
民主党の若手ホープで、将来の大統領候補と言われていましたが、その芽は無くなったようです。
後任にはデビッド・パターソン副知事(53)が昇格し同州初の黒人知事となりますが、同氏は盲目で全米初のことです。

「94、ティファニーで朝食を」を参照

114、I WILL FOLLOW HIM

2008年03月13日 | Weblog
この曲は私が中学生の頃ラジオでよく聴いていた曲です。
その頃は部屋で勉強もせず、外国の音楽に夢中になっていました。
アメリカン・ポップス、カンツオーネ、シャンソンなどラジオから流れてくる曲は電波に乗って海外の香りを運んできました。
これ等の音楽を聴きながら、いつかアメリカに行ってみたいと思っていました。

“I WILL FOLLOW HIM”はリトル・ ペギー・ マーチが1963年に歌って大ヒットしました。
発売後たった4週で全米TOP 10にランクされ、6週にして第1位に輝きました。
このとき、リトル・ペギー・マーチは15歳1ケ月で、それまでブレンダ・リーが持っていた15歳7ケ月を抜いて最年少記録を樹立しました。
1948年3月8日ペンシルバニア州フィラデルフィアで生れ、小さいときから歌っていました。
(ということは、可愛かった少女も今年、大台に乗ってしまったことになります。私も同じ1948年生まれですが大台まであと数ヶ月あります)

愛称はペギー、当時は小柄で3月生まれということもあって、リトル・ペギー・マーチの芸名でデビューしました。
“ I WILL FOLLOW HIM”で有名になったペギー・マーチ(後、リトルが取れる)はその後も夢見る17才、涙のウェディング・マーチなどをヒットさせます。
日本にも度々来て日本語の歌(霧の中の少女など)を日本語で歌ったり、オリジナルの曲をリリースしています。
「忘れないわ」という曲は日本人アーチストとの競作でしたが、ペギー・マーチ盤が最もヒットしました。
彼女の歌う日本語は外国人が歌う、たどたどしさや訛りが無く自然です。

“I WILL FOLLOW HIM ”の原曲は“CHARIOT”という曲で、邦題は“恋のシェリオ”です。
作曲者はJ.W. Stole & Del Romaですが、これはイージー・リスニングで有名なフランク・プールセルとポール・モーリアのペン・ネームです。
邦題“恋のダウンタウン” で知られるイギリス人のペトゥラ・クラークが、1962年にフランス語で歌ってヨーロッパでヒットさせました。
また、“アル・ディ・ラ”を歌ってサンレモ音楽祭で優勝したイタリア人のベティ・クルティスがイタリア語で歌っています。
ペトゥラ・クラークは英語でも歌っていて歌唱力は抜群です。
ベティ・クルティスの透き通った伸びのある歌声はカンツオーネ風です。
これをアメリカでヒットさせたのがリトル・ペギー・マーチの“I WILL FOLLOW HIM ”です。
ペトゥラ・クラークやベティ・クルティスに比べると歌唱力では劣りますが、
15歳のティーンエージャーが初恋(?)のボーイフレンドのことを歌っているラブソングとしてはその雰囲気が良く出ていて、リトル・ペギー・マーチの初々しい歌声が魅力的です。
  
*ちなみに“CHARIOT”とは古代ギリシャ、ローマの“二輪戦車”のことです。
預言者エリアが炎のCHARIOTに乗って天に登ったという、旧約聖書にも出てきます。
  映画“炎のランナー”の原題は「CHARIOTS OF FIRE」で主題曲もヒットしました。
   また、ゴスペル“Swing Low, Sweet Chariot”でもCHARIOTという言葉が使われています。
  “恋のシェリオ”は恋の二頭立て馬車、とでも言うのでしょうか。

この「I WILL FOLLOW HIM 」は1992年の映画“天使にラブソングを” の中でゴスペル調にアレンジされて歌われています。
この曲を映画で知った人も多いのではないかと思います。
最初この映画をニューヨークで見たときは懐かしい歌がいっぱいある映画、という印象でした。
その後ビデオで何回か見ているうちに「I WILL FOLLOW HIM 」にはもっと深い意味がある気がしてきました。
映画の原題は“SISTER ACT”で修道女が主人公です。
彼女たちが「I WILL FOLLOW HIM 」を歌うのはローマ法王の前です。
カトリック信者にとってローマ法王は主イエス・キリストの代理のような存在です。
Sisterたちは、信仰決意としてこの歌を歌っています。
当然ラブソングの「I WILL FOLLOW HIM 」とは歌詞も変えてあります。
リトル・ペギー・マーチの歌ではI Will Follow himですが、映画ではI Will Follow Himになっています。
英語で大文字の「Him」はイエス・キリストをさします。
「彼に付いていく、彼がどこに行こうと、彼こそ私の運命」という歌詞は 「主についてゆく、主がどこにいかれようと、我がさだめは主のみともに・・・」という信仰の決意になります。
また「Ever since he touched my hand I knew」と言う箇所は「彼が私の手に触れてから」となっていますが、
映画では「Ever since he touched my heart I knew」で「主が私の心(魂)に触れて以来」とhandがheartなっています。
さらに、歌の途中からWe Will Follow Himと複数形になります。
これは歌っているSisterたちが私達と歌っているだけでなく、全ての人々という意味が込められていると思います。
乗り乗りの歌に、法王も思わず身体を揺らせ、手拍子を取っています。

最近ゴスペルを歌い始めました。
今歌っているのは、勿論「I WILL FOLLOW HIM 」です。
「AMAZING GRACE」も歌っています。
ニューヨークにいるとき黒人の教会に何度か連れて行ってもらいました。
そこで聞いたゴスペルは魂の叫びとでもいうのか、聖歌隊と礼拝者が一体となって主イエス・キリストを全身で賛美していました。
You Tube
映画「Sister Act」のゴスペル調
リトル・ペギー・マーチ