ニューヨークの想い出

ニューヨーク生活20年間の想い出を書いていこうと思います。

110、大陸横断鉄道

2008年03月01日 | Weblog
アメリカ大陸横断鉄道(Transcontinental Railroad)は東海岸と西海岸を結んでいます。
東の中心都市はニューヨーク、西の中心都市はロスアンジェルスですが、この2大都市を直接結ぶ路線はありません。
大陸横断ルートは4つありますがそのうち3本はシカゴが起点になっているので、大陸横断鉄道に乗るにはニューヨークからシカゴに行き乗り換えます。
アメリカ鉄道の中心はシカゴで、そこから放射線状に全米の主要都市を結んでいます。

4つの路線の、
1つ目は北部ルートと呼ばれるもので、シカゴからカナダとの国境付近を通って、シアトル/ポートランド(ワシントン州)まで行きます。エンパイア・ビルダー号
2つ目は中央ルートと呼ばれるもので、同じくシカゴからサンフランシスコ(カリフォルニア州)まで行きます。カリフォルニア・ゼファー号
この路線の見所はコロラド州デンバーからのロッキー越えです。
3つ目も中央ルートでシカゴからキャンサスシティを通って、ロスアンジェルス(カリフォルニア州)まで行きます。サウスウエスト・チーフ号
4つ目は南部ルートでオーランド(フロリダ州)からロサンゼルスまで、東海岸と西海岸を直通で結んでいます。両駅間は4457kmです。サンセット・リミティッド号
1~3は2泊3日、4は3泊4日の旅です。

私はこの4つの路線全てに乗りました。
80年代初めに北ルートと南ルートに乗ってアメリカ大陸を文字通り一周しました。
ニューヨーク→シカゴ→北ルートでシアトル→西海岸を南下→ロスアンジェルス→南ルートでオーランド→東海岸を北上→ニューヨーク。
サンフランシスコやニューオーリンズなどで途中下車し、2週間の旅でした。

列車は寝台車付で、幾つかのグレードがあります。
個室(2~4人用)が多く、デラックス寝台にはシャワーとトイレが付いています。
接客係がベッドの用意やモーニングコールなど、様々なサービスをしてくれます。
部屋には歯ブラシ、石けん、シャンプー、ひげそり、タオル等も完備されていて、まさに移動するホテルといった感じです。
私は個室ではなく、もっぱら通常の座席で寝ていました。

さらに列車には展望車があり一人で夜景を見ながら過ごすのもよいし、隣の人と話しながら楽しい時を過ごすのも良いでしょう。
展望車は椅子が外に向いていて、大きな窓から移り行く景色を見ることができます。
窓からは、大都市のビル群、見渡す限り広がる大草原、ミシシッピ川、雄大なロッキー山脈などのダイナミックで美しいアメリカの景色が楽しめます。
西部劇に出てくるような砂漠と岩山も通過します。
その景色は雄大で大草原を何時間も走ったり、見渡す限りのトウモロコシ畑が続いたりします。
全く違う顔を見せるさまざまな風景がアメリカ大陸の大きさを教えてくれます。
さらに、ニューヨークと西海岸の時差は3時間あり、途中で何回も腕時計の針を遅らせる必要があります。
これがまたアメリカの大きさを実感させます。

アメリカ大陸の鉄道網は全米を毛細血管のように広がっていて、総延長は24万kmに及び、全世界の鉄道の3分の1を占めています。
図は大陸横断鉄道を中心とした一部分です。