ニューヨークの想い出

ニューヨーク生活20年間の想い出を書いていこうと思います。

44、日本人パイオニア

2007年09月02日 | Weblog
私がUSオープンを見に行っていた頃の80年代に一人の日本人女子選手が毎年挑戦していました。
井上悦子選手です。(今は兼城悦子さん)
最近は多くの日本人選手が世界で活躍していますが、当時はほとんどいませんでした。
そんな中一人で頑張っている姿についつい応援したくなり彼女の試合は必ず見に行きました。
同じような気持ちの日本人もいて彼女が試合をするコートサイドにはいつも10人ぐらいの日本人が集まって応援していました。
井上選手の4大大会初出場は1983年の全仏オープンで1990年に引退するまで挑戦し続けました。
日本女子テニスを世界レベルに引き上げた先駆者で、スピード感のあるオールラウンド・プレーヤーでした。
彼女が切り開いた道を多くの後輩が続き、その後の日本人女子の活躍は目覚しいものがあります。
伊達公子選手は世界ランキング4位までのぼり、杉山愛選手は4大大会のダブルスで優勝するまで日本女子のレベルは向上しました。
そのきっかけを作ったのが井上選手で、その功績は大リーグの野茂英雄選手に匹敵すると思います。
伊達公子選手は世界で活躍する井上選手を目標に頑張ったそうです。

井上選手のシングルス世界ランキング最高は26位(1988年3月14日付)で、当時の日本女子テニス選手としては画期的でした。
1985年に全日本テニス選手権の女子シングルスで初優勝を飾り1987年までの大会3連覇を含め4度優勝しています。
83〜89年まで全日本ランキング1位を維持しました。
1982年から1989年まで、女子国別対抗戦「フェデレーション・カップ」(現在のフェドカップ)の日本代表選手として活躍し2001、2002年はフェドカッ日本代表監督も努めました。
現在も指導者として活躍しています。

写真は1988年のUSオープン会場で売っていた公式ガイドブックに載っている1988年7月18日現在の女子選手の世界トップ64です。
日本人は井上選手がただ一人29位にランクされています。