ニューヨークの想い出

ニューヨーク生活20年間の想い出を書いていこうと思います。

29、ケープコッド

2007年07月05日 | Weblog
ケープコッドはボストン沖の大西洋に突き出た釣り針のような形をした半島です。
白い砂のビーチ、丘の上の灯台、美しい海岸線、ニューイングランドスタイルの街並みはとても美しい岬です。
ボストンから車で2時間半くらいですが、途中の小さな町や道路の左右に広がる白い砂浜を見学しながらゆっくりドライブするのもよいでしょう。
ボストンからケープコッドに行く途中にメイフラワー号で有名なプリマスがあります。

ケープコッド最先端にあるプロビンスタウンは有名なリゾート地で芸術家が多い町です。
ボストンから飛行機(私がよく行った25年ほど前はプロペラ機でした)で30分位です。
町の中心にある商店街は海辺の町特有のお土産屋、レストラン、ブティック、画廊などが並んでいて、小高い丘の上にはピルグリム・メモリアル・モニュメントが建っています。
これは、メイフラワー号にのってこの地に足をおろしたピルグリムたちを記念して作られたもので、最上階に上るとプロビンスタウンを一望できます。
博物館になっていて、ケープコッド全体の歴史を伝えています
イギリスからメイフラワー号が到来し最初に入植したのがここ、ケープコッドです。
ケープコッドのケープは岬、コッドは魚の「タラ」のことで、直訳すると鱈岬で、その名のようにタラが多く獲れます。

18世紀には捕鯨基地として栄えたところで、今でもその鯨を見ようとたくさんの観光客が訪れ、ホエールウオッチングが盛んです。

ケープコッドに行ったらロブスターを食べずには帰れません。
ロブスターは丸ごとゆでたものにバターを溶かしたソースやタルタルソースをつけて食べますが、私はもっぱら酢ジョーユをつけて食べていました。
さらに、クラムチャウダーも見逃せません。
クラムチャウダーにはニューイングランド・クラムチャウダーとマンハッタン・クラムチャウダーが有名です。
ニューイングランド・クラムチャウダーはクリーム味、マンハッタン・クラムチャウダーはトマト味です。
また、タラなどの白身魚のフライとポテトフライが一緒になったフィッシュ&チップスもよく食べました。

プロビンスタウンは漁業の町でもあります。
その名の通りタラを始めとしていろんな魚が獲れます。
最近日本で話題になっている本マグロ(黒マグロ)の漁場としても有名です。
そこは金持ちのアメリカ人の遊び場で、スポーツフィッシングが盛んです。
何十万ドルもする豪華なボートでマグロの1本釣りに挑戦します。
1000パウンド(500キロ)を越える大物が釣れることもあります。
この大物がかかると3時間も4時間もかけて戦います。
相手が弱ったところを釣り上げますが、糸を切られて逃げられることもしばしばあります。
彼らはこの戦いを楽しむためにフィッシングに出るので、釣ったマグロは食べずに捨てていました。
ある時このマグロを料理して刺身として彼らに出したら9割のアメリカ人が「ウエー」と言って食べられませんでした。
彼らには生の魚を食べるという習慣が無かったのです。
今、アメリカで寿司や刺身がブームになっているのが不思議な感じです。
マグロや寿司についてはまたいろいろ書いてみます。

私の知り合いにフィッシングボートを持っている人がいました。
毎夏プロビンスタウンに家を借りてフィッシングをしていたので、私も毎夏行きました。
マグロがボストン沖に回遊して来るのは7月から9月初旬までの2ヶ月余りで、その後は地中海に行くのではないかといわれていました。
当時はその生態は良く分かりませんでしたが今では大分解明されてきたようです。
1970年代中ごろまでは規制はほとんどありませんでしたが、70年代後半になると資源保護が厳しくなり、1つのボートで1日にマグロ1本と規制されるようになりました。
タラ、イカ、マッカローなどを撒き餌にしてマグロをおびき寄せます。
朝4時ごろ暗いうちに出航し一日中待っても釣れない日も多くあります。