ウヰスキーのある風景

読む前に呑む

向かい側

2010-11-13 | 雑記
去る休日。洗濯物を干し終えて、腰を下ろし、ふと本棚を見る。見るだけで収まらず、衝動的に手を伸ばした。

取り出だしたのは高島俊男『本と中国と日本人と』。昔、実に面白かったなぁというのを思い出し、なんとなく読み出した。

さて前回の終わりでちらっと存在を匂わせたのがこの本。内容が面白かった、ということ以外に、別のこともついでに。

著者は東京大学大学院修了、専攻は中国文学で、大学の先生もやっていたようだ。

今も続けてるのかはちょっとわからないが、辛口書評やエッセイが色々ある。中国がどうこうと最近騒がしいので、つい気になって手を出したのかもしれない。

平易な文章、深い知識と鋭いものの見方で、なるほどなぁと呻らされたり、笑わせてくれたりする。自身も学者だが、専門用語を捏ねくり回して訳の判らないことをのたまう学者は「頭が悪い」と斬って捨てる。

この本に収録されている内容自体は、雑誌『東方』で連載されていた書評。『東方』ってなんだ、というと東方書店という中国関連の書籍を扱う書店で、そこから月一で発刊されていた雑誌だそうな。

著者は西日本で個人では一番の購買量を誇る(誇ってるのかは知らない)顧客だったそうで、それだけが縁じゃなかったろうが、あるきっかけで書評をやることになったのだとか。

その百有余の連載のうち、言語関係などの一般向けじゃないのを除いたり、同じ著作者の書物は原則二回といった感じでまとめたもの。

東大は漢学、京大は支那学と名前が違うだけではない根本的な対立の話や、大陸に渡ったものや、日本に留学してきた中国人や、欧米の中国研究の話など、色々あげるとキリがないのだが、さして中国や漢文などに興味がない人でも実に楽しめる本だといえる。何が面白かったかといわれて、これだ!といえないのは、寝起きで寝ぼけてるせいだけではないだろうそうに違いない。

さて、本の内容そのもの以外で引っかかったことがある。悪いことではない。

ここでたまに「~した次第」と文を区切ることがあった。なんてことはない。追加で書かれたであろう余録にそういう書き方が散見されたというだけの話。本家のほうではひらがなだったけど。

~した次第と、何度か書いてたころ、どこでこんなのを覚えたかと悩んだが、恐らくこの本が元だったようだ。

また折に触れて読んでみたい一冊になったと思う。次はきっと三年後。



さて、昨日は夜勤明けで、体調も申し分ないが、どこかにでかける気もなかった。また一駅前から歩いて帰宅することにしたのだが、またちょっとマンガでも、とは考えていた。

その漫画屋(まんが王で検索すると多分出てくる。通販はまんが王倶楽部)で色々物色すると、地域色を出してみました、とかいって八王子空襲の記録なんてものが置いてある。余りにも興味を惹かれたので、つい買おうかと思ってしまったが、簡単にパラパラとめくるにとどめた。次に見かけたら買ってしまうかもしれないが、残っているのか、覚えているのかはわからない。

いくつか見繕ってレジに持っていくと、これまた珍妙なものが。ここで話が飛ぶ。


ある日、仕事場に行くとT君が「安生さん、見ましたか」と来る。
 「わしにわざわざ改まって見ましたか、と聞くということはその手のことか!」
 「ええ、そうなんですよ」
 「わかった!○○○ だな!」
という遣り取りが脳裏に浮かんだ。


というわけでこういう写真を撮ってきた。





これだけ見たらなんのこっちゃ、秋葉原かと思うかもしれないが、これが近所にあったのだ。あるのは知っていたが現物を見たのは初めてだった。

名を「日蓮宗 松栄山 了法寺」という。一般に寺は、寺そのものの名前で呼ばれるから、了法寺、というわけだ。さっそく調べてください。後は頼みましたよ。


レジで見たのは、そのマスコットのミニステッカー集みたいなので、以前にもその店では、とある客が店員と共になにやらガサゴソしているなと、気になって振り返ったら、客と思しき人が漁っていたのはそのマスコットつきペンだったりと、話題には事欠かない。

しかしこの看板、立てたのは去年の五月らしい。ちまよ・・・いや、記念に歌まで作って、PVまである有様。地元の祭りではメイド喫茶がどうとか。その辺はお調べください。ここでは触れません。

たまにこの近くを通っていたのだが、寺があるな、どこの宗派のだろう(そういうことは気にする)、としか思わなかった。歩いても向かいの道しか通らないので気づかなかった。

意外と看板は小さかったが、印象は大きかった。外から見た寺は、昔からある変わらない寺のイメージのままの建物だった。成金っぽいのが建てる、建立する?近代的な寺よりは余程いいとは思った。

たまには覗いてみようかと思う。場合によっては帰り道にあるわけで。そのうちステッカーとかペン買って、ここに掲載したりするかもしれないが、そこまでは今のところわからない。では、また。