お茶のあずま園-しんちゃん-ここだけの話ねんけど・・・

自家焙煎の美味しい加賀棒茶「加賀棒ほうじ茶」を追求する、お茶のあずま園、店主、東信一の四方山話。全国の産地直送茶もOK。

今日は、一年の締めくくり・・・「万雑」がありました。

2011年12月04日 21時59分30秒 | お茶屋

しんちゃんの家は、山間の集落では、年末になると、
集落(町内)の「万雑(まんぞう)」があります。
今風の「町内会費」ですが、農村では、各戸均等割りでなく、
古くから土地(田畑)の所有割合で計算します。

しんちゃんの町内(集落)も今年、無事終了しました。
「万雑」とは、集落を維持していくのに必要な1年分の経費を
年末に計算し、お金を出し合って、精算して、
気持ちをすっきりとさせて、年末年始を迎えます。
(「万雑」とは・・・記事を参照)

・「万雑」の日は、当番宿(順番に回る)に朝から町内の若手が集まり、
一年間に町内に掛かってきた項目ごとに金額を確定して行きます。
昔は、そろばんでしたが、今はパソコンで計算します。
どのような割合で計算するかは、その町内町内で違っていますが、
しんちゃんの町内での一例を・・・
◎手順:1、町内の共通経費を集計する
  (神社経費、農道維持経費、共有建物の経費、行政への負担金・・等)
2、共通経費の1/3を、戸数割りとし、家の軒数で割って一戸分を出す
  (どの家も均等に掛かる)
3、共通経費の2/3を、土地割りとし、各家の土地(山、畑、田)の
  持分比率割合で各戸に割り当てる
  (宅地だけの家には掛からない)
4、一軒ごとに掛かってくる経費(公民館、災害見舞い、募金、等)
  (どの家も均等に掛かるもので、戸数分、町会でまとめて払っている)
5、一年分の町内奉仕活動(草刈、溝さらえ、神社掃除・・・等)に出た
  人数見合いに単金を掛けて、各戸の奉仕金額を出す
6、支払の総額=
  「(2)の戸数割+(3)の土地割+(4)の一軒ごとの経費-(5)の奉仕金額」
以上で、昼頃までに「万雑」の各戸の金額が確定します。

簡単に言うと、
・土地(田畑山)を多く持っている家に、沢山かかります。
・町内奉仕活動に多く出ると、支払が軽減されます。
  (出ない人は金で計算)
・町内に住んでいなくても、町内に土地(田畑山)を所有している人には、
 (3)の土地割は掛かってきます。

なんでも、明治の頃から続いている記録が残っています。

しんちゃんの家の支払分は、約4万円になりました。(田畑山があるもので・・・)
計算が確定すると一旦、お開きで家に帰り、午後3時頃より、
各戸全員支払金額を持参して当番宿に集まります。
車座になって、各戸より、支払金額を提出し、みんなでチェックして、
支払に回すものや、立替金を精算し、終了となります。

その後、料理(最近はオードブル)が出され、
町内全員で宴会となり町内の一年の無事と親睦を図ります。
・・・一日掛かり!(宴会費用も「万雑」に組み入れます)
また、数年前までは、新年明けに「初寄せ」と言って、町内全員集まり、
一年間の町内役員、土地の貸し借りの年貢、年間行事・・・等を決めていたんですが、
最近は、「万雑」の時に、決め事も一緒に決めています。

「万雑」とは、荘園時代の年貢・雑税から来ているようですが、
しんちゃんは、先人の知恵で、公平にうまく出来ていると、感心しています。

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