しんちゃんの家の、山の家の集落では、年末になると、
集落(町内)の「万雑(まんぞう)」があります。
今風の「町内会費」ですが、農村では、各戸均等割りでなく、
古くから土地(田畑)の所有割合で計算します。
「万雑」とは、集落を維持していくのに必要な1年分の経費を
年末に計算し、お金を出し合って、精算して、
気持ちをすっきりとさせて、年末年始を迎えます。
(「万雑」とは・・・こちらの記事を参照)
・「万雑」の日は、当番宿(順番に回る)に朝から町内の人が
集まり、一年間に町内に掛かってきた項目ごとに金額を確
定して行きます。
昔は、そろばんでしたが、今はパソコンで計算します。
どのような割合で計算するかは、その集落集落で違っています
が、しんちゃんの町内での一例を・・・
◎手順:1、町内の共通経費を集計する
(神社経費、農道維持経費、共有建物の経費、
行政への負担金・・等)
2、集計した共通経費の総額の1/3を、戸数割りとし、家の軒
数で割って一戸分を出す (どの家も均等に掛かる)
数で割って一戸分を出す (どの家も均等に掛かる)
3、集計した共通経費の2/3を、土地割りとし、各家の土地
(山、畑、田)の持分比率割合で各戸に割り当てる
(山、畑、田)の持分比率割合で各戸に割り当てる
(宅地だけの家には掛からない)
4、一軒ごとに軒数単位に掛かってくる経費(公民館、災害見舞
い、募金、等)・・・(どの家も均等に掛かるが、戸数分、町会
でまとめて払っている)
い、募金、等)・・・(どの家も均等に掛かるが、戸数分、町会
でまとめて払っている)
5、一年分の町内奉仕活動(草刈、溝さらえ、神社掃除・・・等)
に出た人数見合いに単金を掛けて、各戸の奉仕金額を出す
6、支払の総額=
に出た人数見合いに単金を掛けて、各戸の奉仕金額を出す
6、支払の総額=
「(2)の戸数割+(3)の土地割+(4)の一軒ごとに掛かる経
費-(5)の奉仕金額」、以上で、各戸の金額が確定します。
費-(5)の奉仕金額」、以上で、各戸の金額が確定します。
簡単に言うと、
・土地(田畑山)を多く持っている家に、沢山かかります。
・町内奉仕活動に多く出ると、支払が軽減されます。
(出ない人は支払金額が多くなる)
・町内に住んでいなくても、町内に土地(田畑山)を所有している
人にも、(3)の土地割は掛かってきます。
人にも、(3)の土地割は掛かってきます。
町内の資料では、明治の頃から続いている記録が残っています。
しんちゃんの家の支払分は、約4万円になりました。
(田畑山があるもので・・・笑)
(田畑山があるもので・・・笑)
計算が確定すると一旦、お開きで家に帰り、
午後に支払金額を持参して当番宿に集まります。
午後に支払金額を持参して当番宿に集まります。
車座になって、支払金額を提出し、みんなでチェックして、
支払に回すものや、立替金を精算し、終了となります。
その後、料理(最近はオードブル)が出され、
町内全員(と言っても、少人数ですが)で宴会となり
「万雑」とは、荘園時代の年貢・雑税から来ているようですが、
先人の長年の知恵で、公平にうまく出来ていると、感心しています。
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