浅尾弥子のノンジャンル道

 
 富山県小矢部市のシンボルキャラクター・メルギューくんの
 お姿をお借りして、日々更新。

「ボリショイ卒業」

2019-01-06 18:19:21 | BOOK
2018年12月。
東洋書店新社より、とある本が
出版されました。



ジャーン。

「ボリショイ卒業」

バレエの最高峰といわれている、
ロシアのボリショイ・バレエ団で第1ソリストを務め上げた、
岩田守弘さんの半生が描かれています。

著者は、大前 仁さん。
ロシアを中心に、
世界を股にかけるジャーナリスト。
現在は、モスクワで活動中の模様でっす。

以下、個人の感想で~っす。
未読のかたは、要注意。



「文章」を媒体として表現するジャーナリストと、
「身体」を媒体として表現する舞踊家が、
格闘しています。

両者、ひけをとらない攻防戦。

微妙にすれ違うあたりも、
たいへん人間味があって、
好ましく思えます。

さすがジャーナリスト、
バレエ愛好家でなくてもイメージできるよう、
分かりやすい言葉で、
舞台上や稽古場での様子を伝えています。

また、かつてのバレエ少女にとって、
あまり知りたくない部分は、
それ以上、突っ込んでいないので、
安心して読み進めることができました。

それは、大前さんの美学によるところも
大きいけれど、
岩田さん自身が、ただひたすらに、
バレエと向き合っていたからなのでしょうね。



圧巻は、エピローグ。

そう。
現在、そして未来があるから、
過去が輝くんだなあ。


(2017年8月21日・毎日新聞夕刊より(記事:大前 仁))

個人的には、
故・服部智恵子先生の登場に、
なんとも、あたたかい気持ちになりました。
ずうっと昔、バレエ合宿の際に、
遠く、お姿を拝見したことがあります。

また、ミツコの血肉となっている
あのドラマも。

・・・うわ~~~・・・。



秀逸なタイトル。

だからこそ、あえて、
「卒業したのか?」を、
明確にしなくてもいいようにも思いました。

また、岩田さんが抱いていた、
大前さんが言うところの「四つ目の夢」。
無神経で無責任なことを書きますが、
ミツコは、無謀とは思えません。
「〇〇でいいや」と、
己を飼いならしている人の踊りは、
あんまし、興味ないもの。



すてきな言葉との出会いもありました。
え~っと・・・パラパラ・・・あ、これだ。

「マスチェルストヴォ」

またいつか、岩田さんの舞台を見たいな。

登場人物、み~んな、
練習して、練習して、練習しています。

バレエに携わっているかたも、
そうでないかたも、
きっと、全力を出したくなる1冊。



「ボリショイ卒業」
著:大前 仁
東洋書店新社

※追記(2019年1月9日)
 「「ボリショイ卒業」その2」(2019年1月9日の記事)

明日もがんばるぞ!
コメント (2)
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