夜のとばり

2017-05-18 | 日記

     

陽が沈むと一層空の青さが際立って、田んぼの水面が光る。まだカエルの声がしないから、この静かな夜の始まりは一日の終わりが近づいたことを教えてくれる。昼から夜へのグラデーションとその静かの音響は官能的である。西の山の端は桃色に染まっている。もうすぐカエルたちの声が聞こえてくる時間である。今夜は何を鳴くのだろう。

 


日曜日の昼

2017-05-14 | 日記

     

天気がいいので縁側の椅子に座って、田んぼに映る空を見ていると、少し風が出て白い花が揺れる。俵万智の『サラダ記念日』風にこの日曜日の穏やかな日を詠んで見る。

        母の日に白く紫陽花が揺れている洗濯干す母のそばに

        水が揺れ田んぼに浮かぶ空の色いつまでもいつまでもと思う

        「 あさってにカステラが届くよ 」と言う電話の声を母に伝える

        そよ風にハナミズキの花はひるがえり母だけが聴く父のささやき

 


朝の一杯

2017-05-12 | 日記

       

ネスカフェ・ゴールドにミルク。それとダーク・ショコラ。テーブルに飾ったカーネーションと紫陽花の葉っぱ。ここではカーネーションを描き忘れてしまったのは良かったのかも知れない。「5月11日のモーニング・コーヒー」は昨日のことになってしまった。そう言えば今日は一杯もコーヒーを飲んでなかったのは、僕には珍しいことである。昨日のゴールド・コーヒーにはミルクを垂らしたが、普段は  “黒” である。それに “黒” にはチョコレートひと粒がいいのは、僕の嗜好である。“ゴールド” とミルクは相性がいい。

 


ポスター

2017-05-11 | 日記

     

       

     

上下写真二枚ともフランスのグラフィックデザイナー、レイモン・サヴィニャック(1907-2002)のポスターで、昨日、ゴミの中から他のポスターと一緒に5枚もらってきたもので、額とアクリル板をきれいに拭いて、壁に飾ってみた。家の雰囲気にはちょっと合わないナ、と思いつつ、ま、ひとつ飾って見たのである。どうももうひとつこの家にはシックリ来ませんね…。という訳です。そのうち、なじんでくることを期待しつつ…。

 


五月五日晴天

2017-05-05 | 日記

    

家のハナミズキが桃色の花をつけた。母は、父の形見となったこの木のことを「ハナミズ」と言う。「うちのハナミズがきれいに咲いたね … 」と食事の時に言うのである。僕は最初、「?」だった。耳の遠い母に、何回も「ハナミズ?」と聞く。ハナミズはハナミズキだった。頂上が平らな桑代山 (標高578m) に数列の雲がたなびき、新緑の中に薄桃色の山桜が点々と咲いている。午前11時55分の5月5日の故郷である。

           うつつにも夢にも見しは新緑を幾つ数えて春は来にけり