五月五日晴天

2017-05-05 | 日記

    

家のハナミズキが桃色の花をつけた。母は、父の形見となったこの木のことを「ハナミズ」と言う。「うちのハナミズがきれいに咲いたね … 」と食事の時に言うのである。僕は最初、「?」だった。耳の遠い母に、何回も「ハナミズ?」と聞く。ハナミズはハナミズキだった。頂上が平らな桑代山 (標高578m) に数列の雲がたなびき、新緑の中に薄桃色の山桜が点々と咲いている。午前11時55分の5月5日の故郷である。

           うつつにも夢にも見しは新緑を幾つ数えて春は来にけり