白い線

2015-01-18 | 日記

  

除雪された県道のセンターラインを撮って見たが、白線はいつしかこんなになっている。連続された白い線は白い痕跡を僅かに残すばかりになってしまった。あらゆる気候や気象に晒されて、通過する車両などに削られて、これは一個の消耗であろう。道路もまた消耗品の一つに違いない。そして、消耗された白い線は何処に行ってしまったのだろう。思うに、人が人に使用する時間も消耗と言うなら、消耗された時間は人に残るのだろうか … 。 消耗とは一体なんだろう … 。 人生も一個の消耗に過ぎないのだろうか … 。

ここに引用する歌は誰の歌か知らないが、 「 歩行 」 というタイトルが付いている。これは小説の中の話である。風が吹くと、消耗された一つの面影が去来する … 。

 

   おもかげをわすれかねつつ

   こころかなしきときは

   ひとりあゆみて

   おもひを野に捨てよ

 

   おもかげをわすれかねつつ

   こころくるしきときは

   風とともにあゆみて

   おもかげを風にあたへよ  ( 尾崎翠著 『 第七官界彷徨 』 より )

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿