遅まきながらの追悼、Cy Twombly

2012-08-15 | 日記

           

昨年の7月5日、アメリカの抽象画家サイ・トゥオンブリー ( 1928-2011 ) がローマの病院で亡くなったという。知ったのは 『 BT 2011.09 』 ( 美術出版社刊 ) でだった。すでに一年が経ってしまうくらい、今のいままで知らなかった。トゥオンブリーはアメリカ抽象表現主義世代の画家たちより若干、後世代になるだろうか。同世代にはラウシェンバーグやジャスパー・ジョーンズがいるが、日本での彼はこの二人よりは、少し知られてなかったかも知れない … 。しかしそうは言っても、僕の大好きな画家の一人である。作品は、線描なのか、掠れた文字なのか、未完のダブローなのか、まるで知性が幼児に描かせた絵のように!素敵である。彼の作品には思いっきりな感情移入が必要だろう、と思う。余白の多いタブローの余白は、見る人の知的感情というもので満たしてやらなくてはならないのである。画家が描いた作品に、僕の感情を満たして見ることができる絵画の自由さ、とでもいうのだろうか。画家と見る人の自由な対話が、サイ・トゥオンブリーのキャンバスには存在している。見る度に、目の前にはいつも新しく清々しい世界が展開されるのである。合掌。

                 

       

                       作品と・サイ・トゥオンブリー

 


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