このところ夜の寝苦しさが続いていて、どうも頭がボーっとしている。朝の早い時間は割と涼しいので読書するにはいい。でも頭がそうだから、あんまり言葉が入ってこないから活字の表面だけが滑ってゆく。この滑りがまた夏の朝らしいのである。
夏の日は
青梅の実の悲しき
いたどりの国に生れ
おどろの路に迷ふ
鐘のない寺の屋敷を通りぬけ
朝顔の咲く垣根を過ぎ
もずの鳴く里を通り
雨の降る町に休み
たどたどしく歩み行く
むぐらの里に
茶をのみかはす
せせらぎの
女の
情流れ流る ( 西脇順三郎著 『 旅人かへらず 』 より )
ということを書いて、また慰みに絵を描いてみて、「夏の日」の暑さに一献を傾けることは、朝の涼しさを感謝するのである。家の前の道端には、今日もクッキリと電柱の影が濃い。
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