日曜日の朝

2016-05-15 | 日記

       

5月の風に白い花が微かに揺れている、天気のいい日曜日である。9時からの「NHK日曜美術館」で、今、岩手県立美術館で展覧会中(6月5日まで)というジョルジュ・モランディ(1890-1964)を特集していた。タブローの静謐と喜びがテレビ画面からも伝わってきて、僕は改めて窓の外の風景が清々しいとしみじみ思うのである。そして、絵画と向き合うことがいかに幸福な時間を提供してくれのかと、また思うのである。モランディは生涯のほとんどといっていいほどに、生まれ故郷のイタリア・ボローニャに留まり続けて独身のままに、ビンや箱の静物だけを描き続けた絵描きであった。モランディを見終って一杯の珈琲を淹れ、この椅子に座っていただく時、一陣の風が立って白いオオデマリの花が大きく揺れるのである。この静かな風景の中にダイナミクスが潜んでいる。