『ビアズリーと日本』展

2016-05-03 | 日記

        

先日、新潟県立万代島美術館でこの展覧会を見てきた。オーブリー・ビアズリー(1872-1898)は19世紀末の時代の寵児として一世を風靡したイラストレーターだった。特に書籍出版物の挿絵において彼のイラストやグラフィック・デザインは今もフレッシュである。紙上に表現された白(余白)と黒(ペンのライン)の世界は耽美的退廃的黒衣的 atmosphere (空気)を放って、魅力である。また彼の短い生涯の黒衣の裏には、隠れて先鋭で純潔なペン先のブラック・ラインが清流しているのである。ビアズリーという一人の才能は国境を越えて、時代を通過してもなお鮮烈で、その作品に向き合えるのは嬉しい。