長野地区を走る電車で撮影しづらい列車の一つが、今回の「ムーンライト信州」。新宿を夜出発し翌朝白馬へ到着する臨時電車だ。かつては、こういった前日出発の列車は定期を含めて多々存在していたもの。記憶をたどれば、中央線には、その昔定期の夜行客車列車があったはず。この列車に当時は山男達が好んで乗車したもので、ダイヤ改正で115系化されてからは、その乗客の要望からか、別スジで臨時急行客車列車「アルプス」として運転が開始されている。
アントンKは、多分その流れを継ぐ列車として今回のムーンライト信州号を捕らえているが、この列車にしても、近年運転本数が激減してしまい、撮影チャンスはかなり限られてきた。いつもマークはしてはいても中々足が運べないでいたが、今回はどうにか機会に恵まれたので掲載しておく。
とはいっても、我々の世代には正直食指の動く被写体ではない。ただの使い古しの特急マークもない189系の6連だから、結構無理してここまで来た割には、満足感を得られない被写体だったと感じてしまう。正面のマークに至っても、専用の絵柄が入っている訳でもなく、何やら感じの悪い赤字で列車名のみ表記されていた。終着白馬が午前5時30分過ぎということもあり、このシーズンくらいしか日が入らないかと考えて出向いたつもりだったが、快晴でも日が差さず、背後の山が少し明るくなったまでに留まった。この後考えても、順光でこの列車を捕らえるのは困難かもしれない。
この日は、中央線に183・189系を使用した臨時の「あずさ」「かいじ」号が走り、撮影各地で賑わったようであるが、今回の「ムーンライト信州」の延長戦上にある列車たちばかりで、アントンKには、今の機材で撮影出来ること以外に魅力を見い出せない。国鉄型が人気なのはわかるが、何もこぞって類似写真を量産しても仕方がないように感じてしまう。先般583系が引退したが、おそらく数年後この189系達もその時期を迎えるだろう。しかし本来189系の使命は1997年の碓氷峠廃止の時点でお役御免となっているはず。189系新製時から撮影しているアントンKが、何を今さら若い方々に混ざって撮影しても意味がないように最近思えて仕方がないのである。
2017-05 8421M ムーンライト信州 JR東日本/大糸線:白馬付近
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