国鉄が民営化されて間もない頃、いよいよ団体専用の特別仕立ての車両たちが次々とデビューすることになる。世の中の好景気に支えられ、全国各地にこの手の特別車両が姿を現したのだ。国鉄時代からの団体列車をさらに華やかにゴージャスにしたような車両たち。JRになって各社競うように我々の前に走り出した。
アントンKにとって一番印象に残っている車両は、全国でトップを切ってデビューを飾った、サロンエクスプレス東京という14系改造車のサロンカーだ。それまでにはない展望室が車両両端にあり、大きな窓からはソファが見えて、いかにもというたたずまいで我々ファンを魅了していた。関西のやはり14系改造の「なにわ」や、名古屋にお目見えした欧風客車の「ユーロライナー」など、今までにない見るからにスペシャルな車両たちが全国を走り回った時代がやってきた訳だ。見たこともない色使いやデザインは、当時とても斬新に思えたものの、いよいよ国鉄の本当の終焉を感じたもの。それまで全国どこでも当たり前だった規則正しい色使いやデザインは、バラバラになっていくと感じていた。その決定的な車両は、アントンKにとってスーパーエクスプレスレインボーの専用機に抜擢されたEF65PFだった。直流電機にド派手な真っ赤な塗装。サイドには斜めに大きく描かれた形式名。最初はとてもあり得ないと驚嘆したものだった。つい最近まで、このレインボー機の二代目に当たるEF651118号機が田端区に君臨していたのは、記憶に新しいところ。お若いファンの方々は、なぜこの65PFだけ赤く派手なのかご存知ない方もおられるのではないだろうか。晩年この専用機を見かけるたびに、専用客車を先に失ったカマとして見てしまい切なかった想いが湧いてきてしまう。
掲載写真は、まだデビュー間もない頃のレインボー編成の団体列車。初代のEF651019号機けん引。やはり個人的には、通風孔のある初期型EF65PFが好ましく見える。
1988-02-04 9712ㇾ EF651019 スーパーエクスプレスレインボー
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