みちあき神父のふぉと日記

カトリック教会の司祭です。日記のテーマは「がんばらない―Take it easy―」。ここで、ひと息ついてくださいね。

姜尚中先生のこと

2015-11-16 10:00:00 | Everyday is special
パリでの凶悪なテロ事件で犠牲となった方々、ケガをされた方々のために祈ります。
また、世界中の人々が、安心して暮らすことのできる日が一日も早く来ますように祈ります。


さて先月、姜尚中(カン・サンジュン)先生と直接お話しする機会に恵まれました。
その時のことを、山形教会のお知らせにも書かせていただきましたので、ここにも掲載させていただきます。

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 10月に開かれた東北地区私立幼稚園教員研修大会の記念講演会は姜尚中先生が講師で「子どもとともに未来をきずく」との演題でお話しくださいました。

 姜先生のことは、以前NHKのドキュメンタリーで詩人の加島祥造氏と対談されているのを見てから興味を持ち、その後大震災をテーマにして書かれた小説『心』を読んで深く感銘を受けていました。
また、カトリックの雑誌『福音宣教』にも今年2回にわたって「苦難の意味」についての講演録が記され、大変深く共鳴していました。

 そこで、研修大会の実行委員長さんにお願いして、講演会場にお着きになった姜先生に個人的な挨拶をさせていただきました。

 姜先生は、講演の中で、これからの幼児教育は、視覚中心のITやスマホが取りまく環境の中で、身体感覚を大切に養うようにしてほしいと訴えられました。
また、本当の自立は子どもの存在そのものが承認されて初めて可能になる、すなわち「自分はここに居ていいのだ」と本人が心から感じるようにすることが大切である、と指摘され、ここでも身体感覚、特に声(聴覚)を大切にした関わりを持ってほしいと言われました。

 姜先生の政治学者としての洞察とコメントは大変鋭いものがありますが、語り口はいたって穏やか。
穏やかなのは語り口だけではなく、じつは彼の人間への限りないあたたかな眼差しがあるからこその優しさであると思っています。
その優しさの背景には、彼が在日二世として生きてきたこと、大切な息子さんを自死でなくされたことなどの、大変つらい経験があったからこそと思います。
そして、クリスチャンとして、神様の限りない愛を体験されているからこそとも言えるでしょう。

 講演会のあった日、わたしはモンテッソーリの東北地区研修会に出席のため福島に新幹線で行くことにしていました。
ちょうど姜先生も同じ新幹線にお乗りになると聞いておりましたので、ホームで先生をお待ちしていました。
先生がお一人でホームを歩いてこられたので、また挨拶をさせていただき、先生の乗られる先頭車両までいっしょに歩きながら話をすることができました。
長野県の伊那谷に住まわれている詩人の加島氏はご高齢だけれどもお元気だとのこと、わたしも長野県出身であること、司祭として転勤族であることなどなど。
最後に先生の方からまた機会がありましたら会いましょうと握手をしてくださいました。わたしは大変感激して、ますます姜先生のファンになりました。
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姜先生は、近年暴動が起こったフランスに、とくに移民問題について取材に行かれたとのこと。
テロや紛争のない国際社会になるためにはどうしたらよいのか、ぜひ伺ってみたいと思いました。

写真は、先月行ってきた蔵王の紅葉。



中央ロープウェーからの景色。奥に見える山が竜山。



いつものブナの小道。



ブナの小道の先に行き着くのが不動滝。三脚を持参しなかったので、スローシャッターで水が流れるようには撮るのはあきらめ、水しぶきが止まるように撮ってみました。


そうそう、忘れてました!
このふぉと日記が2005年11月11日に始まって満10周年となりました!!
更新の頻度は少なくなったものの、ここまで続くとは思いませんでした。
これも、神さまと皆さまのおかげです。
どうもありがとうございました!!!
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

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