みちあき神父のふぉと日記

カトリック教会の司祭です。日記のテーマは「がんばらない―Take it easy―」。ここで、ひと息ついてくださいね。

日本カトリック平和旬間にあたって

2016-08-14 08:30:00 | Everyday is special
毎年8月6日の「主の変容」から15日の「聖母被昇天」までの10日間を、日本のカトリック教会は「平和旬間」と定め、平和のために祈りをささげるよう呼びかけています。
ちょうど広島の原爆投下の日と終戦の日と重なっています。
これは、1981年に広島の地に降り立ったヨハネ・パウロ2世教皇が「戦争は人間の仕業です」と、全世界に呼びかけた「平和アピール」に応えるもので、今年で早35年になります。
その中で教皇様は、「過去を振り返ることは、将来に対する責任を担うことだ」と述べられました。

先日広島を訪れたアメリカのオバマ大統領は、きっとこのヨハネ・パウロ2世のメッセージを読まれていたと思います。
そして、人類の歴史の中でいかに戦争が悲惨で愚かであったか、そしていかに戦争のない世界をつくり上げるのかを説く、素晴しい演説をされました。

「そして、おそらく何にもまして、わたしたちは人類という仲間同士のつながりを、いま一度思い起こさなければなりません。
人類は一つです。これが、人類を特別な生き物にしているのです。
わたしたちは、過去の過ちを繰り返すような遺伝子に支配されているのではありません。
わたしたちは学ぶことができます。
選び取ることができます。
子どもたちに、共通の尊い人間性を説く物語、戦争を少なくしていく物語、残虐的な行為をもはや受けいれないようにしていく物語を語っていくことができるのです。」
(「オバマ大統領広島演説」千原訳)

そしてオバマ大統領は、「わたしたちは人類という一つの家族です」と述べ、このきずなを育むよう子どもたちに伝えていかなければならないと訴えました。
その通りだと思います。

日本の首相も、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」との憲法の一文を読んで宣言するような演説をすれば、本当に素晴しかったのにと思いました。

聖母の被昇天に合わせて平和を祈り、マリア様の取り次ぎを願っていきたいと思います。


写真は、今年の蔵王のコマクサ。今年も咲いていてくれました。
ありがとう。












噴火警報は解除されましたが、避難路の案内板ができました。



熊ノ岳登山道と、北の尾根に向かうトレッキング・コースの分岐点の案内板。

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