敬語にうるさいおじいさん

今、介護施設にいるおじいさんですが、施設に入る前は会社の社長さんだったようです。
ですから、スタッフに敬語を使わせます。

大概、ご利用者さんにはため口でしゃべっているので、敬語の使い方がわからないのです。
結構、うるさいおじいさんなんです。
「あなたは、本当は気立てのいい人なのに、その荒っぽい口調を直さないといけない。」と、お小言を食らうのです。
本当に私が気立てがいいか。と言えば、そうでもないのです。
無茶苦茶、大阪弁でしゃべってしまいます。
おじいさんは神戸の方で、大阪弁に違和感を感じているようです。
大阪と兵庫は隣り合っているけど、言葉はかなり違います。
大阪の中でも言葉が違っているように思う私は、おじいさんの気持ちもわかるのです。
それなら、神戸のいい施設に行けばいいのに。と、思っているのです。

他の人には甘えないのですが、私には、結構、自由に話されます。
それがいいのか、悪いのか、時間が経って仕方ないのです。
「あんた一人にかまっている暇はない。」と、思っているけど、かまってやらないと文句を言います。

やっぱり、ご利用者さんには敬語で話さないと、人生の先輩なのでダメなのはわかっているけど、なんでも急いで接しているので口調が荒くなります。
「悪いなぁ。」と、思いながら、「我慢してもらおう。」になります。
先輩たちにも、ちょっと注意されながら仕事をすることになります。
敬語を使ってしまうご利用者さんもいるのに、なぜ、その元社長さんにはため口を使ってしまうのか。
きっと、気さくな人だからでしょうね。