おばさんは、とても犬が好き。
うちの愛犬に、「こんにちは。」と、挨拶をし、顔をなでなでします。
本当は、うちの愛犬は人に触られるのが嫌でたまらないのです。
しかし、逃げることが出来ません。
なぜ、そんなに犬が好きなのか。と尋ねると、「前に、犬を飼っていて、死んでしまった。」というのです。
だから、犬を連れている人を見ると、立ち止まって犬に挨拶をするのです。
母が、おばさんにいろいろ質問をします。
「なんで、そんなにせかせか歩いているのか。」というと、「内臓脂肪があって、医者から運動をするように。」と、注意を受けたみたいなんです。
なるほど。という感じです。
しかし、犬を見ると、立ち止まり愛想をしていると、歩いている意味がありません。
その遊歩道は、犬の散歩道なんです。
歩いては止まり、挨拶をしてはまた歩く。を繰り返し、「本当にそれでいいのか。」と、思うのです。
私も愛犬を触られるのは、あまり嬉しいことではないのです。
おばさんが愛犬に触れようとすると、愛犬は横を向いてしまって愛想すらありません。
去ってゆくおばさんの背中を見て、5分ほどおばさんの噂をして、また散歩することになります。
健康に気を使うなら、もっと別の道を歩くのがベストなのかもしれません。
でも、いずれ私も愛犬がいなくなったら、同じようにするような気がして、未来の自分を見ているようで怖いのです。