母が訪ねてくる

我が家のお隣に住んでいるおばさんの噂がちらほら耳に入ってきます。
つい最近も、とても興味のある噂を聞いて、「へぇ～」と、相槌を打つことになりました。
それは、「今、母が訪ねてきた。」ということです。
おばさんの年齢は、83才。
その母親となると、もう100才は軽く超えることになります。
「お母さんが、まだ生きていらっしゃるのか。」と、びっくりしました。
どうも、おばさんの家は狭くて、汚いので、おばさんの息子の家に泊まることになっている。とのこと、またもや、「へぇ～。」と、思ったりします。
その話を直接聞いたお向かいのおばさんは、「もう、お母さんも年よねぇ。腰も曲がってるんじゃない？」と、聞くと、「知らん。」と、そっけないのです。
知らん。とは、どういうことか。と、思いました。

あとで聞いたことなんですが、そのおばさんの息子に、「今、おばあちゃんが泊まってるんだって？」と、言うと、「そんなもん、とおの昔に死んだ。」というのです。
またしても妄想の世界のことを言われていたことが発覚しました。
「やっぱり、ボケとったか。」と、その噂を聞いた人が皆、納得したんです。

怖いですよね。そんなボケた人が近所に住んでいるとは。
ただの妄想を言っている分には問題ないのですが、火を出されたりしたら路地中大騒ぎになります。
息子も気を効かせて施設に入れるなりしろ。と、思うんです。
それとも、亡き母が妄想となってお迎えに来たのかもしれません。
何にしろ、早く手を打ってもらわないと、周りも怖くて住んでいられないことになりそうです。