この本の副題は「アップルはいかにして日本に上陸したのか」であるように、アップル社の初期の段階から現在に至るまでのドキュメンタリーです。
アップルコンピュータがパーソナルコンピュータというものを開発し、その後日本にも上陸してくるのですが、その頃はまったくマニア向けという感があり私自身にとっては興味のない世界でした。
ところがマッキントッシュが開発されて、私たちの業界でも特殊言語と言われていたアラビア語、中国語のDTPに使える可能性があるということで、急激に身近なものとして使われることになっていきました。
その後はアッという間にマッキントッシュが全ての言語のDTPの業界を席巻することになっていったので、まさに仕事のあり方すら変えてしまったものでした。
この本は日本に上陸したものの、日本語を搭載していないパソコンでも売れるはずという本社と現地でかかわった関係者や会社の苦労がリアルに描かれています。
そして日本語搭載後には個人ユーザーまでも巻き込んでいく躍進は、誰もが知っている事実だと思います。
スティーブ・ジョブスさんが亡くなられた後に読むことになったのですが、今さらながら彼の偉大さに感慨深いものを感じています。