一般財団法人さっぽろ産業振興財団が、札幌市で活動している中小企業を支援して下さる補助金の中に「IT利活用促進事業費補助金」があります。
中小企業が積極的にITを利活用することを後押しする施策なのですが、アラヤサッポロ株式会社は2015年度に応募して採択された企業7社の中に入ることが出来ました。
IT利活用ということですので、アラヤサッポロでは翻訳者などの外部の協力者に業務依頼をするためのソフト開発をすることを目標にしたのですが、具体的には「ネットワーク構成による発注先との双方向運用管理システム」を作ると決め、その内容で応募し採択されました。
いろいろな言語の翻訳者にはそれぞれ得意の分野がありますので、受注した業務内容に最も適した翻訳者に委託したいのですが、それを実現するためには膨大な時間と担当者のスキルを必要とする事になっていました。
翻訳者などの詳細な情報はデータとして蓄積されていますが、それを検索するにしても担当者の記憶にある実績を頼りにしなければ検索に無駄な時間がかかり過ぎるという実態があり、せっかく見つかった翻訳者に連絡してみると休暇中だったり他の仕事で手いっぱいという事もあります。
そんな作業をしながら20カ国語以上の手配をするだけでも大変だという事が想像していただけると思います。
そこで新システムは翻訳者とのネットワーク構成を前提とすることにしました。つまりシステムには翻訳者たちからも操作をしてもらってスケジュールや翻訳者の事情などを記入してもらうのです。翻訳者が他社の仕事をしている可能性もあるのですが、仕事の入り具合を正確に入れていただくことで双方のメリットになるので、画期的な考え方になっていると思います。
アラヤサッポロの担当者がデータを検索しながら最適な翻訳者にたどり着いたときには、翻訳者の空き具合とか事情なども自動的に把握できるようになりました。
作業依頼のメール(英文メールが多い)を送るのですが、その場合には送るであろう例文がテンプレート化されて用意してあるので時間短縮が可能になりました。
新システムが完成しましたので、現在は試行運用しておりバグなどを整理しながら夏ごろには本格的な運用をしたいと考えています。
昨日「平成28年5月18日」は昨年度採択された7社の中から2社が選ばれて事例発表する場を作っていただきましたので、アラヤサッポロの三浦世子さんがパワーポイントを使って発表する事になりました。
発表後の反響は好意的なものが多く、三浦さんはこれからIT利活用しようと考えている企業の方々とたくさん名刺交換をさせていただきました。
このシステムは多少の手直しをすれば、多くの企業に発注などをしている会社でもすぐに活用出来る可能性もありますので、積極的にアピールしていきたいと思っています。