地方活性化というキーワードでググってみると、いろいろな組織が行っている内容や失敗例などの情報がたくさん検索できるのですが、その中で気になるものが有りました。
それは地方活性化をしたいと思っている多くの自治体が、NHKの番組「ブラタモリ」で取り上げてもらいたいと希望しており、まるで列をなしている状態だという情報です。
「ブラタモリ」は私自身も大好きな番組ですので欠かさず見ていますが、タモリさんが古地図を参考にしながら、その街に残る古くからの構造物、神社仏閣、坂道などを独特の視点で確認するという、歴史の痕跡をたどる散歩番組で面白い。
たしかに番組で取り上げてくれれば、番組で紹介された建物や坂道を追体験したいという観光客が見込まれるという効果が期待できるというのは分かります。実際に効果があるのだと思います。
しかし、それだけで地方活性化というには少し継続性という面で問題がありそうです。
それよりも参考にすべきではないかと思っているのがテレビ東京の「もやもやさまぁ~ず2」という番組です。
いろいろな街でロケをする番組ですが、「何があるのか分からずもやもやする」というコンセプトから命名されたそうです。
さまぁ~ずの2人とテレビ東京のアナウンサーが、訪ねた街の人々と軽妙にかかわり、どんなところにも入り込んで話をするので、かかわった人は一生の思い出になったという印象を持つのではないかと思います。
いわば街の人々・たたずまいとのからみ番組です。これも毎回欠かさず見ています。
これを地方活性化という観点で見ると、「ブラタモリ」は有名人がその街を独特の視点で見直すという散歩番組ですから人々とは距離をおいている。一方「もやもやさまぁ~ず2」はその街に住んでいる人々と触れ合いを持ち、それによってその街の住民たちの意識に何らかの変化をもたらしている可能性があるという相違点です。
「もやもやさまぁ~ず2」で訪れたお店には撮影当時の写真を店内に掲示されているという例が多いというのでも影響の大きさが分かります。
このさまぁ~ずの2人をインバウンドで訪れてくる外国人に置き換えてみるとどうだろうと構想してみると面白いのです。
地方のある街でどのお店にも「外国人歓迎、撮影OK、ぜひ話しかけて下さい」と表示されていたらどうだろう?レストランや喫茶店、バーなど来客を期待している場所だけでなく、八百屋さん、肉屋さん、美容院、床屋さん、ダンスやヨガ教室、など外国人が入りにくいと思われる場所にも「外国人歓迎」という表示をするのです。
外国人と八百屋さんのおばちゃんが身振り手振りで会話らしいものをする、それを見ていた小学生が「英語を勉強しなきゃ!」と決心するなどの変化が起こったら、その地方の街が大きく変わるキッカケになると思うのです。